ライト文芸 不思議小説一覧
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「たとえば永久に生きられるとして――」
大学の同期、庵野ルミさんはとても美しい人だった。ある日僕はいつものバス停で待っていた彼女に、勇気を振り絞って声をかけた。その日をきっかけに僕らは距離を縮め、そしてなだれ込むようにして付き合うことになった。
その一番最初の時に、彼女はこんな事を言ったんだ。
「たとえば永久に生きられるとしてね。その中でたったの四年間だけ自由に過ごしていいよって言われたら。君だったら何をする?」
正直、僕にはなんと答えたら良いか、わからなかった。今でもその正解はわからない。もしあの時違う事を答えていれば。もっと気の利いたことを言えていれば、あるいは今は違ったのかも知れない。それが良いか悪いかは別の話としても。
「君の四年間、私に分けてくれないかな?」
彼女はそうとも言った。僕には断る理由も、手段もなかったんだ。
そして僕は知る。
「たとえば永久に生きられるとして」――その言葉の意味を。
花の咲いたようなその笑顔を、僕は永久に忘れないだろう。
文字数 103,145
最終更新日 2020.08.04
登録日 2020.07.29
わたし、晴田十花の隣の席にはお殿さまがいる。
マイペースで、ちょっと不思議な彼、九原雷我くんに突然『俺の女』宣言されて、家老の家系の風見七瀬さんに睨まれて──わたし、どうなっちゃうの?
おまけに、九原くんにはなにやら秘密がありそうで──
文字数 47,539
最終更新日 2018.10.28
登録日 2018.03.31
この案内所には、「心残りのある者たち」が救いを求めて訪れる。
ある日、案内人のもとへやってきたのは少々変わった依頼主で……。
その感情の発露は、悲しいほど鮮やかに、人間の本質を映し出す。
※この作品は、短編投稿サイト「prologue」にて、作者本人が投稿した作品を改稿したものです。
文字数 7,298
最終更新日 2021.02.28
登録日 2021.02.21
文字数 766
最終更新日 2021.01.16
登録日 2021.01.16
文字数 434
最終更新日 2020.08.25
登録日 2020.08.25
中の島外伝作品、本編では描かれていない、氷竜京香の人生を描く。本編に登場した古城林や、桐島舞子が登場する…
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文字数 1,704
最終更新日 2020.08.24
登録日 2020.08.23
文字数 9,863
最終更新日 2020.08.26
登録日 2020.08.03
定年退職した友野。
何十年ぶりかの朝寝坊をした彼は、妻や娘たちのいない朝の家が、なんだか寂しく思えてしまった。
いるのは窓辺で寝そべる飼い猫だけ。
友野は、猫の横に椅子を持ってくると、ずっと胸の内に秘めていた青年時代のことを語り始める。
それは、きっと笑い話になるのかもしれない。
旅先で出会った可笑しな少女。
彼女は、カメラ越しにしか、見ることは出来なかったから。
文字数 25,648
最終更新日 2020.05.06
登録日 2020.04.27
三時休憩のちょっと不思議な出来事。
※この作品はTwitter(@ojitw)・エブリスタ・カクヨムにも掲載しています。
文字数 1,413
最終更新日 2019.06.24
登録日 2019.06.24
高校1年の松村俊哉は、親友の杉田祐樹とともにサイクリングに出かけ、道を間違って柴山(廃村)にたどり着く。そこで、朽ちかけた家を修復して秘密基地を作る。学校生活の合間に出かけ、非日常を満喫していたが、ある日、その家の正当な権利者である加藤百合に秘密基地を奪われる。成り行きで仲良くなった彼女は、超有名な推理作家の多野椎奈だった。有名になりすぎて、都会に居辛くなった百合は、廃村での一人住まいを楽しんでいた。三人は、楽しい時間を過ごす。そのうち、百合の姪の大野小百合が現れ、俊哉と祐樹は三角関係に陥る。恋と友情の間で悩む俊哉。そんな平和な毎日が、柴山の道路建設で破られることになる。
「なろう」に投稿したものを手なおしして投稿しています。
文字数 87,514
最終更新日 2019.05.06
登録日 2019.05.02
文字数 3,695
最終更新日 2019.04.18
登録日 2019.04.18
文字数 6,367
最終更新日 2019.04.19
登録日 2019.04.15
タイトル通り短編集です。
まだ、数は少ないですが、本作品群は『世にも奇妙な物語』を見るように楽しんでいただけたら幸いです。
文字数 6,592
最終更新日 2020.10.21
登録日 2019.04.06
クラスメイトで男友達の健太郎を亡くした数日後。中学二年生の千夏が自室の姿見を見ると、自分自身の姿でなく健太郎の姿が鏡に映っていることに気づく。
どうやら、どういうわけか健太郎の魂が千夏の身体に入り込んでしまっているようだった。
この日から千夏は千夏の身体を通して、健太郎と奇妙な共同生活を送ることになるが、苦労も生じる反面、健太郎と過ごすにつれてお互いに今まで気づかなかった大切なものに気づいていって……。
旧タイトル:『きみと過ごした最後の時間』
※この作品はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。
※初回公開・完結*2016.08.07(他サイト)
*表紙画像は写真AC(makieni様)のフリー素材に文字入れをして使わせていただいてます。
文字数 84,647
最終更新日 2019.04.28
登録日 2019.03.30
不可解なもの。
おかしなもの、変なもの。
不気味なもの。
有り得ないもの。
非科学的なもの。
それの呼び方は、いろいろあるだろう。
不可思議、ミステリー、というのもありだろう。
そんないくつも考えられる呼び名の中から、僕は「不思議」という言葉を選んだ。
その単語に、「さん」を付け、「不思議さん」。僕はそれをそう呼ぶ。
なぜだかは、まったく分からない。
それは、物であったり、人や生き物であったり、時には何かの現象であったり。いろんな形で、僕の前に現われる。
何の規則性もなく、統一感もない。正体は不明で、最後まで全く意味不明な時もある。
けれど、僕には正体不明で意味不明なものであっても、僕の前に現われるのだ。そこには何かの意味があるんだろう、と思う。
だから、僕はそれを無視したりしない。
現われれば、いつでも、僕は不思議さんに付き合うことにしている。
(──以上、第一話『雨の日、明日を探す少女』本文より抜粋)
(現在、本作品は「アルファポリス」と「小説家になろう」にて掲載しています。)
文字数 22,301
最終更新日 2018.11.10
登録日 2018.11.01
私の名前はドリムリーパー。夢を跳ね渡り終わりを齎す者。夢の死神。
これは私、時計仕掛けの女、夢を終わらせる為戦う夢の死神ドリムリーパーが跳ね渡り、終わらせた、様々な夢達の物語。
どんな夢にも終わりはある。それは希望でもあり絶望でもあり、何れにせよそれでも私は、夢を終わらせる。夢らしく奇妙で、けれど、確かにこういう夢を見た者がいるという怪奇なる夢達を。
これらの夢のどれかの要素を、あるいは貴方も見たことがあるのではないかしら?覚えているとしても、覚えていないとしても。
そう。覚えていなくても。夢はいつも貴方達の隣にいる。
数多の夢の内たった四つの、だけど誰にでも訪れうる夢。つまりこの物語もまた、誰にでも訪れうる物語。夢見るように、さあ、どうぞ。
※本作品は夢を主題としている為、唐突な展開や描写の断絶、視点の変換等が発生する幻想的な作風です。ご了承の上ご覧下さい。
文字数 6,104
最終更新日 2018.08.19
登録日 2018.08.19
―――貴方は、知っているだろうか。
ある街のある場所に、女神の名を冠する一軒の店がある。
その店の名は「AFRODITE」(アフロディーテ)。
かのオリュンポス十二神に名を連ね、美と愛を司る女神の一柱として名を馳せる。
美において誇り高く、また戦の女神としての側面も持つ美神の名を持つその店は、名の通り人を美しくする事を生業としている。
『必ず美しくなれる美容室』と評判の店は、現代の瓦版とも言うべきSNSなどを通じて、密かに静かに女性達の間で噂されていた。
そんな中、今日もまた一人女神の名を持つ店に訪れる客がいる。
彼女は一体、どのように美しくなるのか。
そして、美しさとは。
※注:「AFRODITE」はイタリア語表記となっております。
文字数 27,149
最終更新日 2018.04.30
登録日 2018.03.31
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