歴史・時代 短編小説一覧
城下の外れに、織姫道場と呼ばれる町道場があった。
道場主の娘、織絵が師範代を務めていたことから、そう呼ばれていたのだが、その織姫、鬼姫とあだ名されるほどに強かった。道場破りに負けなしだったのだが、ある日、旅の浪人、結城才介に敗れ、師範代の座を降りてしまう。
そして、あろうことか、結城と夫婦になり、道場を譲ってしまったのだ。
織絵の妹、里絵は納得できず、結城を嫌っていた。
気晴らしにと出かけた花見で、家中の若侍たちと遭遇し、喧嘩になる。
多勢に無勢。そこへ現れたのは、結城だった。
文字数 15,367
最終更新日 2024.09.17
登録日 2024.08.31
文字数 2,959
最終更新日 2024.09.05
登録日 2024.04.06
生まれて間もなく、花街に捨てられた姉妹。2人は楼主に拾われ、将来の花魁候補として育てられる。しかし妹が9歳で結核を患い、帰らぬ人に。唯一の血縁者を失った11歳の姉は絶望し憔悴するも、妹との最後の約束を果たさんと奔走する。
そんな中、都からとある貴人が妾探しに来るという噂を聞く。はじめは興味がなかった姉だが、傾国の美貌を持っているらしいと聞いて一目だけでも見てみることに。そして目の前に現れた美丈夫に一目惚れしかけるも、最低な性格の持ち主だと知り幻滅。思わず蔑みの目を向けてしまい、不敬として連行される。貴人は「最後のチャンスをやる。一生敬いますと言えば許して下女にしてやるぞ」と言うが、姉は「信念を曲げるくらいなら死を選ぶ」と啖呵を切った。処刑される寸前、家臣たちの話が耳に入る。どうやら貴人は帝の命で『蘇りの石』を探しているらしい。姉は妹を生き返らせる方法があるならと貴人に頭を下げた。そんな姉を見て何を思ったか、貴人は処刑をとりやめ姉を下女にする。姉は貴人の身の回りの世話をしつつ石探しを手伝うことになる。
文字数 20,741
最終更新日 2024.08.18
登録日 2024.08.18
文字数 935
最終更新日 2024.08.13
登録日 2024.08.13
病気の母を抱えた小花は、ある日財閥の跡取りである保に、馬車に轢かれそうになるのを助けられる。家から結婚の話をうるさく言われている保は、お礼の代わりに妾になってくれないかと頼む。母を抱えた小花はその話を受け容れるのだが……
文字数 5,502
最終更新日 2024.07.27
登録日 2024.07.27
古代ギリシャの著述家プルタルコスの代表作『対比列伝』は、ギリシアとローマの英雄たちの伝記集です。
そのなかには、マンガ『ヒストリエ』で紹介されるまでわが国ではほとんど知るひとのなかったエウメネスなど、知名度は低くとも魅力的な生涯を送った人物のものがたりが収録されています。
ながく岩波文庫の河野与一訳が読まれていましたが、現在は品切れ。京都大学出版会の完訳が21世紀になって発売されましたが大きな書店にしかなく、お値段もなかなかのものです。また古典期の名著の訳が現行これだけというのは少しさみしい気がします。
そこで英文から重訳するかたちで翻訳を試みることにしました。
底本はJohn Dryden(1859)のものと、Bernadotte Perrin(1919)を用いました。
ひとまずエウメネスの伝記を訳出してみますが、将来的にはさらに人物を増やしていきたいと思っています(セルトリウス、スッラ、ピュロス、ポンペイウス、アルキビアデスなど)。ただすでに有名で単独の伝記も出回っているカエサルやアレクサンドロス、ペリクレスについては消極的です。
区切りの良いところまで翻訳するたびに投稿していくので、ぜんぶで何項目になるかわかりません。どうぞお付き合いください。
※当たり前ですが、これからの『ヒストリエ』の展開のネタバレをふくむ可能性があります。
文字数 20,460
最終更新日 2024.07.26
登録日 2024.07.02
※カクヨムにも掲載しています
『遼来~猛虎食む青嵐~』
https://kakuyomu.jp/works/16817330669199087059
赤壁の決戦にて曹操を破り勝利を得た孫権。勢いに乗った孫権は張遼が守る要衝の合肥に侵攻。
曹操軍きっての猛将と知られる張遼だったが、守備の兵は7000で加えてまともに連携が取れるかすら不安になるほど不仲の軍。対する孫権軍は10万を号する大軍。更に合肥を失うことは曹操にとって想定しうる中でも最悪の事態、絶対に退くことは出来ない…。
不仲の軍、失えない要地。絶対に負けられない戦いを前にして絶体絶命の危機!勝利は何処に⁉
史に残る戦い、ここに開幕!!
文字数 21,349
最終更新日 2024.07.21
登録日 2024.05.13
★第10回歴史・時代小説大賞 奨励賞受賞★
ある日、丑丸(うしまる)の父親が流行病でこの世を去った。
貧乏裏店(長屋)暮らしゆえ、家守(大家)のツケでなんとか弔いを終えたと思いきや……
脱藩浪人だった父親が江戸に出てきてから知り合い夫婦(めおと)となった母親が、裏店の連中がなけなしの金を叩いて出し合った線香代(香典)をすべて持って夜逃げした。
齢八つにして丑丸はたった一人、無一文で残された——
※「今宵は遣らずの雨」 「大江戸ロミオ&ジュリエット」「大江戸シンデレラ」にうっすらと関連したお話ですが単独でお読みいただけます。
文字数 23,363
最終更新日 2024.07.11
登録日 2024.05.30
1431年5月30日、フランスのルーアンにて、多くの群衆の前でジャンヌ・ダルクという女性が高い柱に縛り付けられ、火あぶりの刑にされる瞬間。
ジャンヌ・ダルクは自らの行動を振り返り、自己犠牲的な戦いと国への献身を思い巡らせながら、人々の浅はかさや自己中心的な性質についても考えます。
彼女は人々が自分を「魔女」と呼びながら、人間でない存在とみなすことに苦しみながら、なぜ自分がこのような道を選んだのか、人間の定義や価値観について熟考します。
この物語はジャンヌ・ダルクの最期までの内省的な思考が描かれたものです。
文字数 2,745
最終更新日 2024.07.04
登録日 2023.08.20
三国志の群雄のひとり、河内(かだい)郡の太守張楊についてのお話しです。
物語の三国志(演義)では極めて個性のすくないモブ諸侯というべき配役ですが、歴史書をよむと見方が変わってきます。
呂布シンパというか、并州人士のなかに遺る呂布への複雑な感情を仮に愛憎ふたつに切り分けるならば、そのうちの“愛”の部分を代表する人物であると言えましょう。呂布との関係が終始良好な、数少ないキャラクターでもあります。
活躍もすくなく血沸き肉躍る物語にはなりようがありませんが、乱世にひとりくらいこういうひとがいても良いでしょう。
これも大変短い作品です。出来ることならば、ひと息にお読みいただけると幸いです。
文字数 3,294
最終更新日 2024.06.26
登録日 2024.06.26
貴方の信じる神とはどの神でしょうかまあ当然ながら
唯一神であり他の偽物の神とは違う本物の神であるかのお方でしょうけれどね
本作は小説家になろうとカクヨムとアルファポリスと
ノベルアップ+で投稿しています
文字数 7,696
最終更新日 2024.06.22
登録日 2024.06.22
竹束とは、切った竹をつなげた盾のことです。室町時代。日本に鉄砲が入ってくると同時に、竹束が作られるようになります。では、この竹束は誰が持ち、どのように使われたのでしょう。1575年の長篠の戦いに参加した伊勢の鉄砲足軽とその家人の視点で、竹束とその使い方を描いてみました。
文字数 7,563
最終更新日 2024.06.14
登録日 2024.06.14
文字数 6,858
最終更新日 2024.06.12
登録日 2024.06.12
文字数 18,012
最終更新日 2024.06.12
登録日 2024.05.31
南宋皇帝高宗の生母、宣和皇太后は眼病を患い両目を失明していた。治療のため呼ばれた道士は、原因が心因性と推測し、過去の憂悶を語るよう促す。皇太后は靖康の変から紹興の和議までの過酷な虜囚生活を語るが、重要な内容が故意に脱落していた――
※第10回歴史・時代小説大賞にエントリー中です。
文字数 19,274
最終更新日 2024.06.09
登録日 2024.05.25
秦宜禄(しんぎろく)という人物をしっていますか?
三国志演義(ものがたりの三国志)にはいっさい登場しません。
正史(歴史の三国志)関羽伝、明帝紀にのみちょろっと顔を出して、どうも場違いのようなエピソードを提供してくれる、あの秦宜禄です。
はなばなしい逸話ではありません。けれど初めて読んだとき「これは三国志の暗い良心だ」と直感しました。いまでも認識は変わりません。
たいへん短いお話しです。三国志のかんたんな流れをご存じだと楽しみやすいでしょう。
関羽、張飛に思い入れのある方にとっては心にざらざらした砂の残るような内容ではありましょうが、こういう夾雑物が歴史のなかに置かれているのを見て、とても穏やかな気持ちになります。
それゆえ大きく弄ることをせず、虚心坦懐に書くべきことを書いたつもりです。むやみに書き替える必要もないほどに、ある意味清冽な出来事だからです。
文字数 2,936
最終更新日 2024.05.31
登録日 2024.05.31
格子の奥に、死んだ女房の姿を見た。
スッと血が引いた思いがして、頭の後ろのほうが重く痺れる。
なんだ、おめえは死んでからも廓から出られねぇのか。
年季はとっくの昔に明けただろう?どうしてまだそこに座って、客を取らなきゃならねぇんだ。
死んだ女房から逃げた男と、枯井戸から拾われた子のお話し。
文字数 9,370
最終更新日 2024.05.31
登録日 2024.05.31
興国寺城主として大国今川家の駿河侵攻の先鋒をつとめる伊勢新九郎盛時は、優れた軍才の持ち主でありながら、人並外れて慎重な性格であった。彼は近在の寺の老僧秀実としばしば碁を愉しんだが、肝心なところで決め手となる一手を躊躇い、負けを重ねていた。その寺に小間使いとして働く楓という少女がいた。少女は盛時に仄かな憧れを抱き、盛時もまた可憐な少女を好もしく思っていたが、その性格が災いして最後の一歩を踏み出せずにいた。そんな折、堀越公方の「若御所」こと足利茶々丸が楓に目をつけて…。後に戦国の梟雄と呼ばれる北条早雲が、未だ北条早雲となる前の、秘められた悲恋の物語。
文字数 18,676
最終更新日 2024.05.30
登録日 2024.05.29
(時代小説新人賞最終選考落選歴あり、別名義、別作品) 渋川春海に出会う前の村瀬義益、彼は剣鬼だった。佐渡奉行の元で働いていた父が、朋輩によって殺された。地下御前試合、大店の主人や大名家によって運営される、真剣による立ち合いの場に身を投じ、ここに参加しているという仇の姿を求めていた――
文字数 7,059
最終更新日 2024.05.30
登録日 2024.05.30
明治12年琉球処分があった直後の大阪、松島遊廓の用心棒、鳥辺野火夏はヤクザ者に襲われる青年、龍真魚と出会った。彼は琉球拳法の使い手で、不思議な技「縮地」を操った。真魚と火夏は意外にも気が合い、ともに武術修練を始める。やがて真魚の住む琉球商館がヤクザ者に襲われた。真魚は奪われた宝物を奪還に後を追った。それを知った火夏もまた真魚を追う。火夏は襲撃者賽王組の倉庫で真魚を見つけ、ともに賽王組を叩き潰して宝物を奪還した。そして火夏は、真魚が琉球宮家の護衛者で、清への亡命工作のために大阪にいることを知る。果たして真魚は宮家を無事に清への亡命をさせることができるのか。火夏はそれを助けられるのか。
文字数 32,500
最終更新日 2024.05.29
登録日 2024.05.29
文字数 10,203
最終更新日 2024.05.27
登録日 2024.05.27
【目次】
第1話『間男』
年下純朴男子×年上訳ありビッチの両片思い
第2話『いおり』
年下ワンコ系×孤独な君主の身分差悲恋
第3話『くれなゐ心中』
浮気性のメンヘラ天才絵師×尽くす系男子の愛憎劇
第4話『重蔵の恋始末』
陽キャ幼馴染×失恋したての傷心ノンケの一晩の過ち
第5話『仇討ち裁きの調べ』
兄に下心を抱く腹違いの弟×愛を渇望する兄の非業の恋
第6話『菊禍物語』
人の心がないサイコパス極道×心優しき不遇な美男子の、金と血に結ばれた関係
【あらすじ】
時は江戸時代。
髪結いの良次は、ひとつ屋根の下に暮らす情夫の忠弥が、たびたび男妾として体を売ることに嫉妬心を募らせていた。
しかし、忠弥の妾稼業を承知のうえで抱かせる約束を交わしていた良次は、己の嫉妬心をひた隠しにしていた。
一方、忠弥も愛を欲する心を体の欲で満たしていたが、良次に対して無性に独占したい想いを募らせてゆく。
江戸を舞台にした男たちの、愛と災禍の短編集。
作画:にん様(【X】@ninnin8020)
文字数 63,091
最終更新日 2024.05.27
登録日 2024.04.27
場所は江戸。
昨今、世間を騒がせていたのは『白刃の斬裂き男』と呼ばれる殺人鬼である。
彼には信念は無く、ただただ斬るのが楽しいだけ。
もっとも女には逆らえないようだが。
文字数 8,377
最終更新日 2024.05.26
登録日 2024.05.24
慶長十五年、晩秋の出羽山形。二人の若武者が城を抜ける相談をしていた。兄・百鬼丸と弟・美童丸。大伯父・最上義光に重用されない不満から上方へ向かおうとする百鬼丸に追随すると言う美童丸は、領内を出る前にある物を入手したいと願った。それは最上家重代伝わる銘刀「鬼切」であるという。開かずの蔵から「鬼切」を持ち出そうとした兄弟は企てが発覚し、謹慎処分を食らったのだったが―。
文字数 21,641
最終更新日 2024.05.20
登録日 2024.05.20
文字数 14,504
最終更新日 2024.05.18
登録日 2024.05.18
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