和風小説一覧
貧しい御家人の娘津由子の元に伯母から縁談が持ち込まれた。
相手は兄の友人の左京。津由子にとっては初恋の人だった。
祝福された幸せな結婚のはずだった。
それなのに、新婚生活は左京の仕事の都合でお預け状態。
二人は一体いつ結ばれるのか。
これは明治維新が起きず、21世紀まで江戸幕府が続いている世界の物語。
文字数 120,660
最終更新日 2022.03.24
登録日 2022.01.31
親友の故郷で行った儀式。俺の体は変わってしまった。村に伝わる、ある儀式により自分の体を変えられてしまう男子学生の話。
他サイトで重複投稿しています。週1(金曜日)で更新できるように頑張ります。
文字数 10,368
最終更新日 2021.05.17
登録日 2021.03.24
ずっと片思いしていた幼なじみの結納の日、こみつは五曜に告白された。
好みじゃないから断ったのに、いつの間にか縁談を申し込まれて、あっという間に夫婦になって、なにこれ好みじゃないどころか信用できない。
―――旦那様、わたしあなたのことなんて全然好きじゃない。
文字数 42,542
最終更新日 2023.03.03
登録日 2023.01.31
※男の夜鷹という特殊設定です※
蕎麦売りは夜に鷹を抱(いだ)く
侍であった過去を捨て、二八蕎麦を売る「しまき」
×
陰間であった過去を引きずって、夜鷹として生きる青年「ざらめ」
名前の元ネタは雪しまき・ざらめ雪から。
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本編のお話が一~六。
番外編として蛇足が四本あります。
表紙協力:詩穏さま( https://skima.jp/profile?id=45840 )
ロゴ協力:せみこさま( https://twitter.com/semicco )
参考文献:『歴史道Vol.2江戸の暮らしと仕事大図鑑』朝日新聞出版/『男色の景色』新潮社/『浮世絵春画と男色』河出書房新社/『江戸文化から見る男娼と男色の歴史』株式会社カンゼン
文字数 23,023
最終更新日 2020.04.22
登録日 2020.03.20
茶道の家元となるべく、葉純凜太は毎日稽古に明け暮れていた。叔父の一馬と身体の関係を続け、密かな恋心を抱いていた矢先、突如別れを告げられる。男性にしか恋が出来ない跡継ぎ、失った愛、家元に逆らえない運命が小さな身体にのしかかる。
心臓の病に倒れたとき、救ってくれたのは写真家の息子で、プロのサッカー選手を夢見る八重澤淳之だった。自由に生きる彼に惹かれるも、ことあるごとにちょっかいを出す一馬。
淡い恋心の間で揺れ動く──。
文字数 83,928
最終更新日 2019.07.27
登録日 2019.06.07
その罪から島流しに処された、『元』山田浅右衛門である和泉雷志。
流れ着いた絶海の孤島にて彼を待ち受けていたのは、この世のものではない異形の怪物――鬼だった。
時は流れ、雷志は鬼との戦いの中で己の剣の腕を磨く日々をすごしていた。
あろうことか雷志は、まだ生きていたのだ。
そこに現れた予期せぬ来訪者――桜木ミノルによって、外の世界ではとうに数百年の歳月が流れているという驚愕の事実を知る。
アラヒトガミ、カミ、禍鬼、そして配信者……なにもかも見知らぬモノばかりがあふれ返る新たな故郷――アシハラノクニにて、雷志は配信者として己が剣を磨くために、ダンジョンへと挑む。
文字数 80,706
最終更新日 2023.07.21
登録日 2023.06.28
主人公香は、とある地方で代々営む、老舗温泉旅館の若女将として、暮らしを立てているが、彼女はある晩、女将の母親に急き立てられて共に向かった座敷で、ひなびた温泉郷で滅多に目の当たりにすることのない、とてもハンサムで若いビジネスマンを、思いがけず目の当たりにする。嬉しい緊張やら動揺、興奮が香を襲い、したがって酌の手を誤って滑らせた彼女は、その美しい男性客のズボンを濡らすという大失態を犯してしまう。女将の叱責や、なじみ客がドジな若女将をからかう中、面目のない香は男にひたすら平謝るが、懐の深い彼は気にしていないからと言って、彼女の失敗を笑って許してくれた。だがしかし、とはいえども、明らかに恥をかかせたのは間違いなく、後悔の念に苛まれる香は、もう一度しっかりと詫びるため、男が泊る部屋へ後で赴くのだった・・・。
文字数 136,559
最終更新日 2022.11.17
登録日 2022.11.17
箱入り息子の東雲時雨は、母の言いつけを守り22年間の人生で一度も屋敷から出た事がない。
それだけでなく、自身の全てが母に監視される日々。
いつからか、時雨は表情を失っていた。
そんなある日、時雨は屋敷の書物庫に隠されていた牢獄を見つける。
牢獄の中には拷問を受け身体中から血を流した男が鎖に繋がれ跪いていた。
「昔話、暇つぶしに聞いていけよ」
突然、牢獄の中の男は時雨に向かって言った。
男の口から語られるとある町の昔話。
嘘か真か。語りながら男は、遠くを懐かしむように瞳を揺らす。
牢獄に幽閉された男と屋敷から出ることができない時雨。
思いがけず出会った2人の物語。
あらすじは最初の数話をまとめたものです。
※最初はメインの2人のみ。
後々CPは増える予定です。
まだ先ですがR18が出てきます。
出る話には最初に※いれておきます。
文字数 26,443
最終更新日 2023.04.09
登録日 2023.02.11
男の好意で牛車に乗せてもらうことになった純然な覡(かんなぎ)は、とある強姦事件を知ることに。
心優しき覡は成仏させることを快諾するも、未だ恐怖心と怨念を強く残す霊に違和感を覚えるが…………。
※残虐な描写あり
文字数 7,557
最終更新日 2023.04.22
登録日 2023.04.22
白蛇はいいぞ!人外×女子はいいぞ!な作品です。
【あらすじ】
とある山間部に「ツキオカ村」という小さな村があった。
その村には村の若い娘を神に嫁がせる慣わしが存在した。
それは神「ツクヲカベカガミノミコト」を崇め、娘の命と引き換えに救いを得る為の生贄の儀式でもあった。
ある時、その村の娘「キヨ」は慣わしにそって神の元へ嫁ぐことになった。
人の形を成していながら、顔を隠し感情を表に出さない「ツクヲカベカガミノミコト」。
嫁いだその日の夜、不安な思いのまま部屋に呼ばれたキヨは彼の真の姿とこの儀式の本当の意味と向き合うことになる。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
creation year 2019~2020
文字数 21,743
最終更新日 2021.05.31
登録日 2021.01.04
ー其れは天にして天に非ず、魔にして魔に非ず、人にして人に非ず---。
戦乱の世に咲く『華』ひとつ、推して参らんー
「兄弟を、家を守りたくば、儂の『室』となれ」
パラレル日本の戦国時代
小国「佐喜」の領主、白勢頼隆はこの世ならぬ美貌と才知を持つ若冠19歳の若武者。
姿に似合わぬ苛烈な戦ぶりから『白勢の鬼神』とも呼ばれていた。
しかし、年端もいかぬ頃、何も分からぬまま一夜の契りを交わした隣国「那賀」の領主、九神直義に惚れ込まれ、勝てぬ戦を挑まれて、敗戦の代償に我が身を差し出し、直義の『妾』として囲われる。
心を寄せる兄を慕いながら、豪奢な座敷牢に籠められ、屈辱に耐える日々---。
だが、直義を初め、周囲の人々との関わりの中で、次第に直義と共に天下を獲る『夢』を抱き始める。
BL 国獲り物語 開幕です
※ 素晴らしすぎる表紙絵は松本コウ様に描いていただきましたm(_ _)m
💕🙏謹んで御礼、申し上げます🙏💕
文字数 144,761
最終更新日 2020.10.23
登録日 2019.10.07
(それがしの働きが、わが国、須賀の繁栄を支える礎となる)
唇を引き結んだ康頼は、見えぬ相手に目を据えて城内へ運ばれた。
桑倉時代。八代将軍の足柄通時が治める世の中は、各国の国主同士が流通の契約を円滑にするため、賄賂のように見目のいい男児を色夫として他国に贈る風習ができていた。
戦乱の世にできた男女の結婚は政略的なもの、男同士の恋愛は純粋な行為とされたことがはじまりとされている。そのなかで、男同士の絆に対する信仰が高じすぎ、国同士の結びつきのために、恭順を示す人質の側面も持った色夫を大国に渡すことが国交の重要手段となった。色夫となったものは、自国の繁栄や交易をつなぐために、輿入れ先の相手に文字通り心身ともに尽くさなければならない。
(かならずや、寵愛を勝ち得て須賀に繁栄をもたらさねば)
文字数 100,895
最終更新日 2018.11.09
登録日 2018.10.22
普通の女の子のように青春を送りたいと考えている少女、三森あげは。
しかし彼女の周りは普通ではない人たちの集まりで、彼女はいつまで経っても理想の青春が送れない。一念発起した彼女は、ミッション系の女子校へと進学したが…。
果たして彼女は目標のお淑やかなレディーになれるのか!?
目標レディ、中身ヤンキー気質なJKが小悪党をふっ飛ばしていく爽快劇、のつもり。
※この作品は犯罪行為、非行を助長するものではございません。
(全73話)
文字数 238,450
最終更新日 2022.12.25
登録日 2022.08.04
かつて彼には弟子がいた──。
修僧界に身を置く僧侶の継実(つぐさね)は子供が嫌いだという。しかしそんな彼は年端もいかぬ少年を弟子に取っていた。
普段は聞き分けの良い弟子の紫陽(しはる)だが、誕生日を前日に控え浮足立っていた。
修僧界の風習に八歳になる弟子には晴れ着を贈るというものがあった。
まだ幼き弟子が引っ張り出したのは果たして晴れ着か、ひっそりと佇む僧堂の奥間に仕舞われていた師匠の慚愧心か。
子供嫌いの僧侶は幼子の魂を供養し続ける。
風ぐるまの回る音だけが、寂れた僧堂の中に年々増えていったとしても────。
※残虐な描写あり
文字数 8,023
最終更新日 2023.04.21
登録日 2023.04.21
異世界転移和風ファンタジー。
日本に似た戦国時代のような世界に神隠しにあう主人公の仁志と幼馴染の陽毬は、神仏や武士たちの戦いに巻き込まれて行く。
文字数 58,023
最終更新日 2020.02.25
登録日 2020.01.19
この村には、身寄りのない娘は村人達から忌み嫌われ、鬼へ嫁に出されるという噂があった。
その噂が現実となった時、鬼と少女は出会うこととなる。
この二人が出会ったのは偶然という名の必然か、必然という名の偶然か。
はたまた、運命か――――
鬼と少女の和風ラブストーリー
※この作品は「小説家になろう」様、「ノベルアップ+」様、「カクヨム」様にも掲載しています。
文字数 31,860
最終更新日 2022.04.07
登録日 2022.04.01
主人公である神結瑠璃は、16歳になったら神結家の守り神の花嫁(生贄)になるはずだった。
けれど、誕生日を控えた晩に守り神から、とある取引を持ち出されたのだ。
場所は【異世界】
(日本とそんなに変わらない!?)
用事は【とある人に会ってきて】
(それって誰ですか!?)
けれど異世界に召喚された途端、私は謎の美丈夫に囚われてしまった。
理由はわからないけど、私に異常な執着を持つ彼は、何やら訳ありのようで……。
えっと……どうやらこのお遣いは、寄り道だらけになりそうです。
※基本的に一人称での小説となりますが、★は三人称になります。
※BL要素を含みますが、過度な描写は含んでおりません。
(基本的に異世界ファンタジーの恋愛モノなので、BLワードは外してます)
※他サイトと重複投稿になります
文字数 128,746
最終更新日 2018.12.08
登録日 2018.06.21
私が好きになった人はみんな別の女の子を選ぶ…。傷心の私に幼馴染は開口一番にこう言った。
「里緒は男を見る目がない」
オメー彼女いねーくせに上から目線かよ!!
◇◆◇
よくある幼馴染同士の恋人未満なジレジレ青春物。少女漫画チックなお話です。
著作権は放棄しておりません。無断転載禁止です。Do not repost.
文字数 3,271
最終更新日 2022.02.16
登録日 2022.02.16
退妖師の家系である御園生家には古いしきたりがあった。
退妖の力を持つ者は16歳になったら神と契約をしなければならない。
・・・しかし、その契約の儀式の内容とは、その身を神に捧げる事だった。
異端の一葉と、変わり者の水光の物語。
こちらは個人サイトからの再録になります。
十年以上前の作品をそのまま移してますので変だったらすみません。
文字数 54,228
最終更新日 2023.12.11
登録日 2023.12.11
エブリスタにて新作セレクション9月28日号に掲載されました!!
☆★あらすじ☆★
小都市の片隅にある、どこにでもある田舎町、木崎町。
古い神社の息子、小堺優斗はそこで慎ましやかな日々を過ごしていた。
そこに一人の少年、宮前律が転校してくる。
それが優斗を闇の世界に引き込んでいく事になるのだった。
ある日、律に誘われ実家である神社の管理する史跡へ赴く優斗。
そこは何度も訪れた馴染みのある場所。
しかし、その日は常とは違う気配に満ちていた。
冷気に包まれ妖しげな虫が飛び回るその場所で、優斗は己の運命を知る。
壊れていく日常。
這い寄る非日常。
優斗は妖刀を手に戦いに身を投じていく。
陰陽寮で出会う様々な人々。
そこで知るこの世の理。
そして闇に蠢く者達。
育っていく想いは二人を何処へ導くのだろう。
その先にあるのは善か悪か。
登場人物紹介
小堺 優斗(こさかい ゆうと)
主人公。
小柄で艶のある黒髪の中性的な少年だが口が悪い。
おとなしいが気が弱いわけではなく、売られた喧嘩は倍にして返す。
祖父に剣術を学び腕が立ち、将来の夢は警察官。
律との出会いが優斗の生活を激変させていく。
宮前 律(みやまえ りつ)
暑い夏の日に転校してきた長身で赤茶けた短髪の利発な少年。
優斗曰く、人懐っこい大型犬。
いつも明るく元気だが時折仄暗い表情を見せる。
優斗に執着し、闇の世界に引き込んでいく。
文字数 128,318
最終更新日 2023.11.28
登録日 2023.08.10
気づいたらここにいたけど、自分って乙女ゲームの攻略対象の地味で影の薄いモブ姉だったよね?
…前提が覆ってるけどどうしたらいいの?
本編完結済の【攻略対象の地味な姉になったけど、モブってなにしたらいの?】の設定を少し変えたパラレルワールドのお話です。
本編の設定を活用したりしなかったりの完全な誰得話なので本編とは全く関係ないお話です。
著作権は放棄しておりません。無断転載禁止です。Do not repost.
文字数 125,823
最終更新日 2022.04.08
登録日 2022.03.03
婿養子に入った家で、妻が妊娠した夜に現れたのは……。
入婿× 男体に女性器がついた両性具有の幽霊
【注意事項】
*人外受け
*おっぱい・女性器描写有り
*攻め視点
*不貞行為
文字数 951
最終更新日 2021.07.25
登録日 2021.07.25
影が無いことから冷遇され名前も与えられず、あやかしを狩ることだけを命じられた少女は人の側でいたいと毎夜刀を振るう。ところがある夜、強敵妖狐との遭遇に死を覚悟するが、勝手に連れ去られた挙句一方的に椿と命名されともに暮らすことに。戻る場所を失った椿はあやかし屋敷で朧と名乗る妖狐の命を狙うも殺せなければ妻となることを約束させられてしまい――妖しか人か、狭間で揺れる少女の物語。(旧・妖しな嫁入り)
文字数 93,988
最終更新日 2021.11.11
登録日 2021.11.09
スキルが一般的になった現代。
12才のオレが初めて手にしたのは【アドミニストレータ】という効果の分からないスキルだった。
もしかして自分は特別なんじゃないか。
そんな期待に胸を膨らませて発動させたスキルは、『ぱんどら☆ばーすと』というエロゲを起動するだけのもの。
だが、エンディングを迎えて実績を解除したことをきっかけに、外れスキルだと思われた【アドミニストレータ】が真の力を発揮する。
「は、はは。まじか? これ、ゲーム内で取得したお金、アイテム、スキルを現実に持ってこれるのか?」
ゲームをプレイすればするほど現実の自分が強くなる。
それこそがこのスキルの真骨頂だったのだ。
だが、真実は少し違っていて、実はオレがいる世界こそがエロゲの世界そのものだったらしい。
オレは一つの可能性に気づいた。
ヒロインにとっては未来の話だが、原作世界では過去の悲劇。
それすらも、チートと原作知識を手にしたオレなら食い止められるのではないだろうか。
原作ブレイク? 上等だ。
強くてかわいくてカッコいい美少女たちを、弱くてみじめで愚かなオレが救い出す。最高のカタルシスを見せてやるよ!
これはエンドロールにも載らないエロゲのモブのこのオレが、みんなの笑顔を守りつつ自由に生きる物語である。
※小説家になろう様にも投稿しています
文字数 154,262
最終更新日 2021.11.13
登録日 2021.10.01
『物の想いをお書きいたします』 紅茶の香りに包まれたブックカフェ、物書き屋。物の想いを本にするという店主の柳は、大家の桜子と共に日々執筆の依頼を受ける。 この二人は人ではなく”付喪神” 人も、付喪神も訪れるそこでは、物を巡る出来事が起こる――
文字数 92,659
最終更新日 2022.12.14
登録日 2022.11.30
文字数 2,176
最終更新日 2023.04.30
登録日 2023.04.30
そこは剣と魔法――じゃなくて、刀と『紋術』の飛び交う異世界だった。
丁度祖母のお葬式で紋付の喪服を着せられていた私は、何か勘違いされて馬鹿殿みたいな白粉(おしろい)小男に連れ去られる事になる。しかも気付いたら結婚させられてたんですけど!
え、理由は家紋…って、はぁ?うちはまるっきりド庶民なんですが何か?
冗談はその白粉顔だけにしろ。
飛ばされた異世界は、家紋と血筋が組み合わさって不思議な力を生む世界。
これは、昔の日本に似た戦乱の世界に飛ばされた私、朽木綾子の長い長い夢であって欲しかった記録である。
※2014-07-25より小説家になろうで連載、完結済。
文字数 144,868
最終更新日 2020.04.21
登録日 2020.03.26
地上からはるか彼方の地にある天界。そこに住まう仙女・桐鈴(とうりん)は歌で病を治す専門家、歌癒士(かゆし)になるべく修行を積んでいた。
登竜門となる試験はあと二か月後。この調子でいけば筆記も実技も問題なしと太鼓判を押されているが、桐鈴の気は晴れないでいた。存在は知っていても詳細が分からないでいる、特別な一曲の事が気になっているのだ。今は気にしている時でないと分かっているものの、桐鈴の心の片隅にはその歌の事がずっと引っかかっていた。
そんな中、半年前に嫁いでいった桐鈴の姉・麗鈴(れいりん)が帰省する。喜んだのもつかの間、大好きな姉は旦那のためにあの歌を習っていると聞き、桐鈴は寂しさとも焦りともつかない複雑な感情に襲われた。
姉が婚家に戻っても悶々としたままだったため、桐鈴は気晴らしを兼ねて地上の湖へ水浴びに行く事に。綺麗な水の中に潜り泳いだ事で気分も上向いたので、天界に帰ろうとする。しかし、木の枝にかけていたはずの天の衣が跡形もなく消え去ってしまっていた。
衣を探すため近場を歩き回る桐鈴だが、野生の犬と遭遇してしまう。襲われそうになったその時、桐鈴を助けてくれたのは地上の男・弦次(げんじ)であった。
カクヨムに投稿してある話と基本同じですが、こちらに投稿するにあたって細かい表現等を変更している部分があります。
文字数 100,607
最終更新日 2023.01.31
登録日 2022.12.29
文字数 138,527
最終更新日 2020.04.22
登録日 2020.01.17