元教え子の恋愛小説一覧
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【あらすじ】
高校の教師だった妙子が、強引な叔母の勧めで見合いをした相手と結婚をしてから二年が過ぎた。
結婚をし、子供を授かった頃の妙子は、幸せに包まれた日々を送っていたが、ある日突然腹部に激痛が襲い、救急車で病院に運ばれる。夫が病院に駆けつけた時には、もうすでに子供の命の燈は消えていた。
病室のベッドの上の妙子を気づかい、子供はまた授かるさ、と夫は優しく言ったが、妙子はもう子供を産めない身体になっていた。
妙子がその事実を知ったのは、退院後、夫と義母が電話で交わした会話の中だった。その後、途端に夫の態度が冷淡になっていき、蔑むようなその眼にも、妙子は子供が産めなくなってしまった自分が悪いのだと、耐えつづけてきたのだった。それだけに、夫の浮気に薄々感づき始めていながら、それにも、妙子は耐えていたのだった。夫の心が、自分のもとに帰ってくることを信じて。だが、夫の冷淡さはつづき、その上、夫の帰宅が遅くなる日に決まって掛かってくる無言電話と、会話ひとつないその生活に、耐えつづけていたものが身体の中で弾け、妙子は離婚を考え始める。それでも何故か、離婚の決意が揺らぐ妙子だった。
そんなある日、何をするともなく銀座に来た妙子は、もと教え子だった晃一と再会する。その時は、ただ晃一のアルバイト先の名刺をもらって別れた妙子だった。その数日後、最後の決断に踏み切り、離婚届に署名捺印をして自宅を出た妙子は、晃一のアルバイト先に食事を兼ねて顔を出したあと、実家に帰る前に一泊するはずだったホテルのラウンジで、夫と女がふたりでいるところを目撃してしまう。屈辱感と悔しさにホテルをチェックアウトした妙子は、晃一のアルバイト先を出た時に、彼から渡された紙に書かれた携帯電話に電話を入れる。そして、晃一が高校生の時から今でも、妙子が好きだったことを告白される。だが今の現状を思えば、それに応えることができない妙子だった。
実家に帰った妙子は、会いに来た夫の赦しを請う姿に、一度はまた離婚の決意を揺るがせたが、夫の覗かせた心の本質に決意を新たに堅くした。離婚を迫る妙子。だが、断固として夫は応じず、しかたなく妙子は弁護士に依頼した。
その後、夫は突然失踪してしまう。その夫のこと気に留めながらも、晃一との関係は深まっていった……。
普通の幸せを求め、それなのに幸せを奪われていってしまう女の、過去の回想を交えながら、強くなっていく姿を描く物語。
文字数 104,656
最終更新日 2019.09.29
登録日 2019.01.14
【忘れられないあの冬。
6年後の冬、大人の女性になった彼女と再び……】
渡辺宏貴(わたなべ ひろたか)は32歳、公立中学校の理科教師。
出身大学でお世話になった教授の娘である恵里佳(えりか)と半ば強引に結婚。そして結婚3年目、セックスレス。
中高一貫の男子校、理系の大学、大学院で過ごしていたが為に女性とまともに接する機会が無かった宏貴だが、どうしても忘れられない過去がある。
6年前、非常勤講師として半年過ごした中学校で出逢った女生徒、鈴木小夜(すずき さよ)と過ごした時間。
当時、理科係だった小夜は14歳という年齢のわりには少し大人っぽく、儚げな雰囲気を出している少女だった。
これまで女性と接する機会が無かった宏貴にとっては、小夜の整った容姿、大人っぽさを感じられる立ち振る舞い、清純という言葉がぴったり当てはまる彼女に対し、教師という立場なのにも関わらずときめいてしまう。
3学期になったとある雪の日、宏貴にとって忘れられない胸が高鳴るような出来事が起こる…………
そして6年経った今、成人式の同窓会で宏貴と20歳になった小夜は再び出逢ってしまった。
6年前の過去を思い出した宏貴は、恵里佳という妻が居るにも関わらず、【初恋】相手の小夜に想いを再び寄せてしまうことになり……
元教え子に振り回されてしまった既婚教師のおはなし。
※この作品は男性目線です。
文字数 6,710
最終更新日 2019.05.18
登録日 2019.05.06
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