SF(スコシフシギ)小説一覧
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とある三流大学の正門前、樹齢百年とも二百年とも言われる桜の木の下で、門田くんのポケットからビスケットが溢れ出した。
ポケットの中にはビスケットがひとつ。ポケットを叩くとビスケットがふたつ。
叩いた数だけ倍々に増えていくビスケットはベージュ色の絨毯を敷き詰め、世界を覆い尽くした。
チョモランマ級のビスケットの山、塩水をたっぷりと吸ったふやけたビスケットの海。
胡桃田くんの不思議なチカラのせいで、ビスケットだらけになった世界で、ビスケットの船に乗って赤いライダースジャケットを華麗に着こなしたみさき先輩がやってくる。
「これってやっぱり胡桃田くんのせい? 面白いことになってるじゃない」
文字数 14,232
最終更新日 2020.04.24
登録日 2020.03.24
愛読書ーーーそれは童話だったり、寓話だったり、はたまた騎士物語だったり。だけど小林優(ゆう)の愛読書はノンフィクション。それは今から何十年前のイギリスの学生寮で、大量殺戮を計画し捕まった少年Aの生い立ちを書いたものだ。初めて読んだ時に、心を奪われた。だから毎晩寝る前に少しずつ読み返す。そしたらある日、犯罪を起こす前の彼の元へと飛ばされた!本物の彼に会い、話し、触れ、互いの距離が近づきあうーーー想いが通じ、計画を中止させようとするがーーー19歳で出会った15歳の少年A。恋をした1年。離れ離れののち再び出会えた54歳の少年Aと20歳の優。最後の一ヶ月で愛を育み、二人が迎えた最後とは。
※ムーンライトノベルズでも公開します。
文字数 25,990
最終更新日 2018.06.17
登録日 2018.04.14
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