伯爵夫人小説一覧
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「そんなみすぼらしい姿で伯爵夫人を名乗り続けるつもりか。恥を知れ、オディリア」
寝たきりだった義父の葬儀の夜、二十年間の介護から解放された妻に夫が与えた言葉はそれだった。
伯爵夫人オディリアは僅かな治癒能力と痛みを和らげる『緩和』などの能力を持つ。
貧しい男爵家の四女に生まれた彼女はその力を使い『安らぎの聖女』と呼ばれながら病院で働いていた。
しかし忙しいながらも患者に感謝され充実していた日々は数年で終わりを告げる。
レイモン伯爵家の当主である現夫ガスパールが強引で性急な手段でオディリアを妻にしたのだ。
無理やり処女を奪った後で求婚するという卑劣な方法で。
そこまでして彼女を妻に迎えたかったのは、一年前に落馬し全身不随になった父の介護の為だった。
治すことのできない痛みを日夜訴え続ける義父にオディリアは緩和の力で安らぎを与え続けた。
誰にも代わって貰う事の出来ないその仕事に彼女の二十年と若さは奪われた。
それでも義父から感謝の気持ちが伝わってきたからオディリアは耐えられたのだ。
けれど、彼の息子であるガスパールにはそのような気持ちなど一切なかった。
荷物をまとめて出て行けとオディリアに冷たく言い捨てたのだ。それが自らの破滅を招くとも知らずに。
文字数 24,286
最終更新日 2020.11.18
登録日 2020.10.28
寒い北国からはるばるやってきた私、ミラナの顔を見た瞬間、公爵閣下は婚約破棄を宣言しました。
何が何だか分からない中、私は川で泣いているところを、一人の女性に助けられ、そして運命の出会いを果たします——。
文字数 3,934
最終更新日 2020.11.03
登録日 2020.11.03
ミハル・レイバードは結婚してから数年は経つのですが、
タクミ・レイバードとは普通にしか接していません。
しかし、最近はタクミ・レイバードの様子が可笑しいので何かあるなと
感じてはいるのですけど、それが何なのかはわかりません。
文字数 1,395
最終更新日 2021.01.20
登録日 2021.01.20
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