完結小説一覧
この一週間はとても忙しかった。
治療するという目的のためには、どうしても領主である父やお母様、それに兄に内緒で物事を進めなければならない。
そのために必要な根回しや、準備物を用意したりしてバタバタしていたのだ。
もっとも、私の病気療養という名の引きこもり生活が長引くことを心配したお母さまが、病気を治す方法が見つかったのか聞きたがり、それを聞いたお父様がひどく狼狽してあわてたほどである。
「ソフィア、本当に大丈夫なのか?」
「はい、もうすっかりよくなりましたわ」
「だがしかし……その……領主たる私の力が及ばぬばかりに」
お父様は過労で倒れた私をずいぶんと心配しているようだ。その責任を感じているのだろう。
でも大丈夫な理由は他にあるから、今はその話は置いておこう。
「それで、その方法とは何だ? 薬を買うのか? それとも医者にかかるのか?」
「それは、できれば秘密にしてくださると幸いです」
「……それほど重要なことなのか?」
「えぇ、実は王都にいるある方の協力が得られそうですので……内密に進めるためにもお父様やお母様やお兄様のご協力が必要なのです」
お母さまも心配そうに私の手を握ってくる。その手は冷たく小刻みに震えていた。
きっと心を痛めているのだろう。
私は絶対にこの病を治し、悪事を働くヒロインにざまぁしてみせますわ!
文字数 610
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
「フォルク様、以前お話した件についてなのですが」
「そんなものは後にしてくれ。私はこれから妹のフレーナを連れて舞踏会へ行くのだ。彼女ともなんども打ち合わせをして、ようやく実現した二人での参加。それを邪魔など許さないぞ」
身を案じる王女からの警告であったというのに、全く気にもしないフォルク。彼は王国を指揮する立場にありながら、どこか身勝手な性格で周囲の人間を振り回していた。その中には妹のフレーナの存在があり、彼女の事を溺愛する彼は何をするにも彼女の存在を優先して考えていた。
「そうですか…それはお楽しみになってきてくださいな。もしかしたらそれが、最後の思い出となるのかもしれませんし」
「まさか。私はこれをきっかけとし、彼女との思い出を無数に築いていく思いだ。これで最後など、面白くもない冗談はやめるんだな」
これが冗談でも何でもないという事を、彼は後々強く思い知らされることとなる…
――――
文字数 1,045
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
王宮の大広間には、華やかなドレスを身にまとった貴族の人々が集まっていた。その中で最も美しいのは、貴族令嬢エレオノーラだった。彼女は上品な笑顔で振る舞い、周囲の男性たちの視線を釘付けにしていた。
文字数 1,094
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
ルミナは、自分が求婚されるのを待ちわびていた。だが、その子息はルミナを視界に入れておきながらも、一目惚れしたという令嬢に求婚するのを目撃することになって……。
※全5話。
文字数 4,240
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.03
悪役令嬢としてこの世界に転生してきたが、そんなことすら忘れるほど、この世界のご飯は美味しい。
だから料理長に、私のためにご飯を作ってほしいと言うようになったのだ。
それから数年が経ち、料理人たちはようやく納得出来る料理を作り上げたらしい。
それがこのオムレツだそうだ。
一口食べてみれば、やはり美味しい。懐かしい味がした。
でも、私がずっと食べていた料理とは少し違う。
なにか足りないような気もしたけれど、美味しいことには変わりはない。
「料理長、とても美味しいですよ」
そう微笑むと、料理長は心底嬉しそうに笑った。
「お嬢様にそう言っていただけるなんて幸せです」
その時、厨房から声が聞こえた。
「ずるいぞ! なんでお前が先に食べてるんだ!」
そんな声が聞こえれば、また一人料理人が顔を出した。
彼はまだ幼さの残る少年だ。
「ちょっと味見をお願いしていたんだよ。うまかったか?」
料理長が聞くと、彼はこくりと頷いた。
「うまいけど、....................なんか違う」
「お前なあ、何回味見させるつもりだよ。ったくしょうがねぇな」
彼らはその後もずっと言い合いを続けていた。
私はとても楽しくなってしまって、つい笑ってしまった。
ああ、楽しいなあ。
この館での暮らしは凄く楽しい。みんな優しくて暖かい。
悪役令嬢だということも忘れられるくらい幸せだ。
文字数 570
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
「まさかここまで無能な姫君だったとは…婚約破棄になったのも無理はないか」
低い声でそうつぶやくのは、この王宮を統べる立場にあるレイオット卿だ。彼は第一王子から誰を婚約者とするかに関する権限に関して一任されており、それでいてその権限を濫用することが度々あった。
「しかしこうして彼女を追い出したことで、新たな婚約者候補を探しに行くことができる…というのは建前で、本当は僕が女遊びをするだけなのだが…(笑)」
そんな彼の性格をよく知るものは、もうここには誰もいない。独善的な性格である彼が、自らに反発する人物を根こそぎこの王宮から追い出してしまったためだ。今や彼の周りには彼のイエスマンしか残っておらず、それを改善するような気もあるはずもない。
そんな独善的な政治が行われていた王宮で、ついにその行いが裁かれる日が訪れる…
――――
「そうか…彼の能力を試すためにいろろな権限を与えていたのだが…そのような結果になってしまっているのなら、もはや彼を王宮に残すわけにもいかないな」
第一王子はやや残念な様子でそう話す。彼はどこかでレイオットに期待していたのだろう。しかしそんな期待に彼が答えることは最後までなかった。
「そうそう、婚約者のみにありながら、レイオットに異議をとなえて戦おうとしたものがいたそうじゃないか。そのような美しい感性を持つ人物にぜひ会ってみたい」
第一王子のその言葉が、のちの彼女の人生を大きく変えることとなった。そして一方で、自らの欲望のままに王宮を支配していた彼には…
――――
文字数 1,005
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
あれらを見つめながら、令嬢は心に思い出をよみがえらせる…
確かあの日も…こんな様相だった気が…
文字数 168
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
文字数 5,237
最終更新日 2023.12.07
登録日 2020.04.08
貴族令嬢エリザベスは、美しい金髪と碧い瞳を持つ、優雅で優しい性格の持ち主だった。彼女は幼い頃から公爵エドワードとの婚約を望んでいた。そしてついにその願いが叶い、彼女は公爵との婚約を祝う日を迎えた。しかし、その幸福は長くは続かなかった。
文字数 978
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
悠々とした庭園の中で、華やかな宴会が開かれていた。立派な邸宅に集まった貴族たちは、美しいドレスに身を包み、笑顔を浮かべながら、お互いに挨拶を交わしていた。その中で、一際目を引く美しい貴族令嬢が、高貴な立ち居振る舞いで会場を歩いていた。その令嬢の名はエリザベス・ウィンストン。彼女は高貴な家柄を持ち、多くの求婚者たちから求められる存在であった。
文字数 1,120
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
「ルレク様、リルア様が再びせき込んでおられます…すぐに来てほしいと…」
使用人のプリセアが足早に私たちにそう告げにきた。私と婚約者であるルレクは食事をしている最中だったが、その知らせを聞いた彼は一目散にこの場を後にして彼女の元へと駆け出していった。
「…プリセアさん、これでもう何度目でしょう?」
二人きりになったところで、私は彼女にそう言葉を投げかけた。
「もう分からないほどですね…お二人が食事や会話を始めると、必ずリルア様は上体を悪くされてルレク様をお呼びになられます。…あなた様というご婚約相手がいながら、なにか関係があるのでしょうか?」
その質問に私は直接は答えず、やんわりとその場をやり過ごすにとどめた。けれど私にははっきりとわかっている。義妹リルアの病弱は私との立場の違いを妬んだ演技であると…
――――
「ゲホッゲホ…ごめんなさいお兄様、大切なお食事中であるというのに、呼び出してしまって…どうしてもお兄様のぬくもりが感じたくて…」
「気にすることはないよリルア。僕は君がこの世で一番大切なんだ。だからそんな君に頼ってもらえるのは、本当にうれしくてたまらないよ」
しかしルレクは気づかなかった。そう言葉をかける裏で、リルアがほくそ笑みを浮かべていることに…
「婚約ですものね…私の体がもう少し元気なら、私もお兄様と…」
妹を溺愛する兄を、なんといえば一段と好きにさせることができるか、彼女は完ぺきに把握していた。そんな彼女の策略にルレクが逆らえるはずはなく、ずるずると沼へ落ちて行くのであった…
――――
文字数 1,041
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
第一王子を退場させ、第二王子を王太子にする国王のシナリオ。
悪役令嬢は、さらに国王の幸せを願うシナリオをつなげたら、さらに上には上がいたようで、悪役令嬢が……
文字数 2,570
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
舞踏会の華やかな雰囲気の中、美しい貴族令嬢エリザベスは、堂々とした態度で会場を歩いていた。彼女の美しさや気品あふれる振る舞いは、多くの紳士たちの視線を引き付けていた。そして、その中に公爵と呼ばれる美しい男性がいた。彼はエリザベスの婚約者であり、彼女の心の支えだった。
文字数 1,107
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
「お嬢様、お菓子を作ってみたのですが、お味見していただけますか?」
「まあ、ルチアが作ってくれたの?もちろんいただくわ」
昔から私は、侍女であるルチアが作ったお菓子が好きだ。私の好みを知り尽くしているからなのだろう、どれも美味しくてついつい食べすぎてしまう。太らないかしら。
しかし今日のルチアの手には茶色い物体がある。ハートや星型ではないし、味も苦そうだけれど……これは何だろうか。
一口食べてみたところ、苦味の中に甘さがある。多分これは珈琲を使っているのだろう。
「これってもしかしてチョコレート?」
「はい!先日お嬢様がお好きと仰っていたので作ってみました」
「まぁ!ありがとうルチア」
彼女はいつも私のことを一番に考えてくれているから本当にありがたい。今日も私の好みを把握したうえでお菓子を作ってくれていた。
実は私は甘いものが好きなのだが、前世の日本人だった時の感覚が残っているせいか、今世の甘味は甘すぎて苦手だった。でも唯一好んで食べられるのは珈琲を使ったお菓子なのだ。
もちろん前世でも珈琲を使うお菓子はあったけれど、クッキーやケーキなどは砂糖をふんだんに使っているので、甘味が得意ではない私が食べられるものはほとんどなかった。
しかしこの世界では砂糖の量が少ないチョコレートがあるし、クリームを使っていないケーキも普通にある。だからこそ私はチョコレートが好きなのだけれど、まさかルチアが作ってくれるとは思っていなかったから嬉しい誤算だ。
「お嬢様が喜んでくれるなら私も嬉しいです」
「ふふ、ルチアはいつも私のことを一番に考えてくれているわよね。とてもありがたいと思っているわ」
「そんなことございません。私はお嬢様のお世話をさせて頂いているだけですので、これ以上ない幸せです」
そう言って微笑むルチアは、まるで天使のようだった。それほどに彼女の笑顔は可愛らしく、優しいものだったのだ
文字数 820
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
あなたの言われた通りの言葉を、私は返しただけなのです。
「それはきっと…これ以上言葉を許さない者なのでしょう…」
文字数 164
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
婚約破棄された悪役令嬢は、自ら命を絶つ……そんな話は今まで聞いたことがない。
文字数 817
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
かつて、美しい貴族令嬢であるアデラインは、高潔なる公爵であるエドワードとの婚約を誇りに思っていた。二人は美しい庭園での誓いを交わし、将来を夢見ていたのだ。しかし、ある日、アデラインはエドワードが別の女性との不倫を知ってしまう。その女性は一介の下女で、アデラインの信念とプライドを傷つける存在であった。
文字数 1,341
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
最後の思いをそこにかけるのなら、あなたにも思いを届ける権利はあるかと思います。
――――
あなたの言葉は、最後の最後まで思いのままに…
文字数 175
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
ルイーズ・フォン・ヴァルデンベルクは、美しい金髪とエレガントな立ち居振る舞いで知られる貴族の令嬢だった。彼女は貴族たちの間で美しさと気品を持つことで有名で、多くの紳士が彼女の手を求めていた。しかし、彼女の心はひとりの公爵に惹かれていた。
文字数 952
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
*あらすじ
会社には美少年レベルの可愛い男がいる。
仕草、身長、面影どの点をとっても女の子より可愛い、そんな子がいる。
営業の仕事につく佐野玲於は3つ歳上である冨樫悠真に恋をした。
男同士なのは分かっているが先輩の行動がいちいち可愛くて日々むらむらの日々であった。
しかし悠真には彼氏がいる、野球選手の浩は悠真をパートナーとして見ず激しい暴力を繰り返していた。
会社でも噂になり「DV彼氏」の可哀想な悠真を救うべき動く玲於。
さらに噂では「枕営業」をしているとか。
それに佐久間との関係も気になり始めていた。
※DV男/暴言/暴力/性描写多め
※メンヘラ含む
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★作品を書こうと思ったきっかけ
黒髪男子と美少年が大好きなんですよ、いろいろUPしてるからお気づきになったかもしれませんが、
執筆したのだいぶ昔なので若干文章がヘンテコになってますが気になったらお気にお願いします。
某サイトから引っ越し中になります。
1日2話ずつ更新しています。
好きかも、続きが気になるかもと思ったら【お気に入り】一票をお願いします。
※性描写多く含みます。
※画像の無断保存はご遠慮ください。
※文章の無断転載禁止。
文字数 3,384
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.06
*あらすじ
好きな人に連帯保証人として多額の借金をおしつけられてしまった。
普通の仕事では絶対に返済できない額、それなのに利息などをつけられさらに無理強いをさせられることに。
男娼として雇ったオーナーは住宅兼仕事場で「柚」として働かせることにした。
1人あたりの値段は均一で追加オプションなどはなく自由に調教ができる。
複数プレイも可能で、荒いことも目をつむることになる。
しかし柚はもう誰も信用することができなくなってしまい、誰にも媚びを売らないできた。
体は男を求めているが精神は拒否を続けている。
お客からしたら毎度新鮮を味わうことができるのでほとんど予約が取れない。
返済がいつくるのか分からないが柚はここでずっと暮らしている。
続きは本編にて…………
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★作品を書こうと思ったきっかけ
この手の話は好きなので主人公決めて書き始めたのがきっかけになります。
(読み返してみるとちょっと謎文章になってる…………。)
某サイトから引っ越し中になります。
1日2話ずつ更新しています。
好きかも、続きが気になるかもと思ったら【お気に入り】一票をお願いします。
※性描写多く含みます。
※文章の無断転載禁止。
文字数 8,738
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.06
ざっくりとした関係は嫌いではありませんでしたけど…
旦那様はやりすぎてしまったようですね…残念です。
文字数 150
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
婚約破棄された悪役令嬢というのは、私ことアリスティア・フォンテーヌ・ル・カルロネである。
私の婚約者はこの国で王族に次いで権力を持つ大貴族の次男坊、サルバトール・フォンテーヌ・ル・リューク殿下。
私は彼に会ったその瞬間に『あ、こいつ無理だわ』と思い早々に見切りをつけた訳であるけれども。
私のお相手はそんな薄情な女からの告白に、「ありがとう!嬉しいよ!」と喜色満面で応えてくれた。
その笑顔はまるで太陽のように眩しく、彼に好意を持つ令嬢が多かったのも頷ける。
しかしその笑顔が私に向いた瞬間、その笑顔が一瞬で曇った。
「ああ、だけどすまない」
サルバトール殿下は申し訳なさそうに眉を下げて言った。
「俺は君に婚約破棄を言い渡すからね」
あ、はい。わかってました。
そりゃそうでしょうよ。だって私に好意なんてこれっぽっちも無いでしょうから。
「どうして?」
私は努めて冷静に聞き返した。
ここで狼狽えたり癇癪を起こすのは悪役令嬢らしくはないと思ったから。
けれども本当は気が動転しすぎて、次の言葉が見つからなくて、頭が真っ白になってしまったというのが正直なところであるけれど……。
そんな私とは対照的に、殿下は凪いだ海のような穏やかな笑顔のままで続ける。
「君と婚約破棄する理由はただ一つ。君の妹であるサンドラを愛してしまったんだ。俺と彼女は愛し合っている。彼女の為ならば、俺は家も国も捨てるつもりだ」
「あ、そうですか……」
うん、どうでもいいわそんなこと。
貴方と貴方の愛しい人が結ばれるかどうかなんて興味ないの。私が知りたいのはただ一つ――ヒロインは今どこに?ってことだけ。
サルバトール殿下がサンドラを愛していようといなかろうと知ったことではなかった。
そんな私の冷たい返答が気に食わなかったのか、サルバトール殿下は不機嫌に表情を歪めた。
「なんだ、その態度は」
「あ、いえ……」
いけない。私としたことが、サルバトール殿下を怒らせてしまったようだわ! 私は慌てて扇子を開き、口元を隠して笑みを作る。
「申し訳ありませんわ。……それで?一体どうなったら私が婚約破棄されるのかしら?」
私としては『いつヒロインが現れたのか』を知りたかっただけなんだけど、なんだか責められているみたいな空気になってしまっているし、ここはなんとかしなくては……! 私は必死に思考を巡らせながら、サルバトール殿下の言葉を待った。
「……サンドラが、お前のせいで大怪我を負ったんだ」
「ああ、そういう……」
なるほど。それはいけないわ。事故に見せかけてヒロインを殺そうと思っているのね。悪役令嬢らしいじゃない。それなら私がやるべき事はひとつだけね!
「わかりましたわ」
そう言って、私はとびきり美しく微笑んでみせた。
文字数 1,140
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
影が薄いと馬鹿にされていた婚約令嬢…
しかしそう仕組んでいたのは、彼の妹…義妹であった。
文字数 162
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
「まさか、オーガスト王子が婚約破棄されるとはな」
「婚約破棄の現場にいましたから、信じられませんわ.....................。」
王宮で開かれた婚約破棄のパーティーから1週間が経ちました。
あの後すぐにパーティーはお開きとなりましたが、その時に王太子殿下がはっきりとわたくしに告げたのです。
『君との婚約は破棄する! 俺は真実の愛を見つけた』と。
とても嬉しい発言です。わたくしも心から同意するしかないのです。
「本当にお慕いしているのなら、仕方のないことですわ」
「俺もそう思うよ」
王宮でわたくしと王太子殿下が一緒にいたのは、パーティーの間だけでした。
その間もずっと、彼は真実の愛の相手であるセレナ嬢と一緒にいました。彼はいつもセレナ嬢のことを気にかけていましたし、時には気遣うような微笑みを向けながら話しかけていらっしゃいました。
真実の愛以外の何物でもありませんわ!
私は計画が成功して、心から大喜びをしました。
文字数 410
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
子供の頃に決められた婚約者ハロルドと、実妹のギゼラとの関係に悩むセシル。
何度も自重して欲しいと頼んでも、言い訳ばかりで改善されない。
セシルの頭の片隅に婚約解消の文字が浮かぶ頃、
「本当は妹が好きだったのに姉が無理矢理婚約を迫った」
「可愛らしい妹に嫉妬して陰で虐めている」
悪意に満ちた噂が、セシルの周囲でまことしやかに囁かれるようになる。
ハロルドとギゼラの身勝手な行動に、我慢し続けたセシルの前に隣国から帰国した幼馴染アランが現れる。
誰にも言えない、彼女達の心の奥に棲むのはーーーー
*ゆるい世界観で書いてますので、深く考えずお読み下さい
*貴族社会の設定はご都合主義となっております
*本編完結しました。別視点での話は不定期更新になります
文字数 54,222
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.10.19
ペチュニアには幼なじみの令嬢が二人いたのだが、その二人に婚約者が同時期に出来たことで、仲良くしていた関係に亀裂が生じることになってしまうとは思いもしなかった。
※全3話。
文字数 2,258
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.05
三十年前の無差別殺人事件で父を亡くした岸涼介は、尊敬していた父の後を追うように警察に入り、その後NPO団体職員兼探偵となる。涼介は心療内科の患者や料理人の雄一に関わるトラブルを調査していた。食品の産地偽装がばれて雄一の勤める料理店が潰れ、店のオーナーの河原圭殺と雄一が事件に巻き込まれる。涼介は警察時代のかつての上司「藤堂」などを頼り情報を得る。圭の店は麻薬などの密輸入に関わり、そこから抜け出すために圭は産地偽装をわざと行って店を廃業に追い込んだが、政治家やヤクザと手を組んでいたある男が裏にいることをあぶり出していた。様々な事件が入り組んだ事件の結末は?
文字数 111,692
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.01
「エミリア、私との婚約を破棄することになった。私の心はもう君にはないのだ」と、冷たい表情で公爵は言った。
文字数 818
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
ある日突然、貴族の通う学園から追放され、代わりに辺境の地へと追いやられた。
そして今、私は自分の命が尽きようとしているのを感じる。
「ははは……惨めだな」
自嘲するように笑いながら空を見上げる。木々の隙間から見える空はどこまでも澄んでいて、美しかった。私の人生とはまるで大違いだ。
「こんな辺鄙な地じゃ誰も通らんだろうな」
私の言葉に返事をするものなど誰もいない。あたりは静寂に包まれ、時折風が木々を揺らす音だけが響いていた。その音が私の最後を告げる鐘の音のような気がした。
「あぁ……痛い」
胸の傷が痛む。流れ出る血は止まる気配はない。身体はどんどん冷たくなっていくのがわかる。このままでは私は死ぬだろう。でもそれでいいと思った。貴族だった私がこんな辺鄙な場所で誰にも看取られず死んでいく、そのことがたまらなく心地よかった。
「私が死んだら誰か悲しんでくれるかな……」
そんな疑問がふと頭に浮かぶ。もちろん答えなんて返ってこない。だが、もし悲しんでくれる人がいるなら幸せだなと思う。
「まだ死にたくないな……」
そんな言葉が口から漏れる。だが、同時に安堵する自分がいるのも事実だった。
だって、ようやく楽になれるのだから。
「これでよかったんだ」
自分に言い聞かせるように呟く。それでもやはり後悔があったのか、自然と目から涙がこぼれ落ちた。
後悔、それは何故こんな辺鄙な地で死ぬことになったのかということだ。私が貴族として平穏に暮らしていた日々が脳裏に浮かぶ。だがその記憶は少しずつぼやけていき、やがて消えていくのだった。
(あぁ……意識が遠のく)
意識が遠のいていく。もうほとんど何も感じない。これが死の感覚なんだろうか。私はそんなことを思いながら静かに目を閉じた。
文字数 718
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
文字数 24,903
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.06.30
悪役令嬢は婚約破棄された後、教会で奉仕活動を行います。
そして数年後……。
「な、なんだ、お前は!」
「私はアリシア・アルスメストです。聖教会の孤児院で奉仕活動を行なっています」
とある国の伯爵が突然やってきてアリシアを罵りますが、全く通じません。そしてそんな光景を見た周りの人々からは罵られました。そんな時でも彼女は笑みを崩すことはありませんでした……」
文字数 1,198
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
「…そうだな、結論から言おう。君との婚約は、破棄させてもらう事になった」
「婚約破棄、ですか」
「…なんだ?あまり驚きもしないんだな?」
「…」
正直、驚きはしなかった。というのも、この結果に至る様々な裏事情を、私は全て知っているからだ。
「原因は他でもない、君が私の期待に応えなかったためだ。これに尽きる」
嘘だ。この男にはもうすでに、将来を誓い合う女が別にいるのだ。よって私はただのつなぎであり、婚約者などではなかったのだ。
「さて…婚約破棄を先に宣告した方に優先権が与えられるという誓約だったな。…君のサインがある以上は、これに従ってもらうぞ?文句はないな?」
「ええ、文句などありませんよ。そうでなくては困りますから」
「…?」
文字数 1,024
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07
関係ありません。しかし妹と結ばれたいあなたの望みを、最後に叶えてあげましょう。
ここではなく、向こうで…ね?
文字数 153
最終更新日 2023.12.07
登録日 2023.12.07