感動小説一覧

「終電を逃したから泊めてくれない?」
私の日常は、あの日、彼の——葉加瀬梨斗の一言で大きく色を変え、形を変えた。
夜の十一時、閉店したスーパーの前で、紺青色の空の下、私は大きく息を吸って、止める。
ずっと、うまく呼吸ができない。
頭の中をぐわらんぐわらんと鳴り響く耳鳴りのような音が、本当の私を身体の外へ締め出していく。
きみは私を、廃園後の遊園地に連れ出した。
まるでピエロが私の手をとって踊るように。
くるくる、ころころ、楽しそうに無邪気に笑うきみは、私の心をまるごとすくっていく。
観覧車は回り始める。
誰かのために生き続けるきみを乗せて。
15分間だけ、きみに会える。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
城北高校二年生の深町日彩は、母親と祖母と三人暮らし。
仕事に忙しい母親を支えるために、家事全般を担い、認知症の祖母の”ケア”に勤しむヤングケアラー。
——このまま、他人のために生き続けるしかないのかな……。
不安を抱えていた日彩だったが、深夜に買い出しに出かけたスーパーの前で、梨斗という少年に声をかけられる。
梨斗は日彩を廃園後の遊園地に連れ出した。
観覧車が回る15分間だけ、きみに会える——。
文字数 104,787
最終更新日 2025.07.19
登録日 2025.06.01
ビルの屋上で飛び降り自殺をしようと、手すりを掴んだ時に礼服を着た男が入ってきた。男は女を止めようともせず、持っていたお弁当を食べ始めた。
そして男は奇妙な行動を取り始める。女の前で一人芝居を始めたのだ。
次第に女は男の芝居に興味を持ち始める。
そして、男の芝居はだんだんと熱を帯びて女は目を離せなくなっていく……
文字数 34,054
最終更新日 2025.07.19
登録日 2025.06.30
幼い頃の事故で母と妹を失い、一人で生きてきた十四歳の炭咲。復讐だけを生きる目的とし、誰にも心を開かずにいた彼の前に、ある日突然「パパ」と呼ぶ少女が現れる。
自分と同じ孤独を抱えた少女に「ステラ」と名付け、不器用ながらも家族として向き合おうとする炭咲。初めて知る家族の温もりに、凍りついた心が少しずつ溶けていく。
しかし、ステラの正体を狙う者たちによって、二人は引き裂かれてしまう。愛する「娘」を守るため、炭咲は実の父親と対峙することになる。復讐か、愛情か——十四歳の少年が下した選択とは。
文字数 67,660
最終更新日 2025.07.18
登録日 2025.07.15
――大人になったら、また一緒に星を見ようね。
幼い頃にまた会うことを約束して別れた健悟と幸は、十年後に再会を果たす。
「実はさ。私、病気なんだよね。もう、あんまり長くないんだ」
ところが、再会した幸は、余命幾ばくも無い病を患っていた。
驚く健悟に、幸は死ぬまでにやりたいことを一緒にやろうと持ちかけてくる。しかも、自分のやりたいことだけでなく、健悟の死ぬまでにやりたいこともしていきたいという。
人との関わりに消極的な健悟だったが、幸の頼みは断れずに引き受けることになり、そこから二人の日常は再び時を刻み始め、やがて惹かれていく。
しかし、幸には誰にも言っていないとある秘密があって……?
これは、たったひとつの死ぬまでにやりたいことを叶えた、秘密と恋の物語。
文字数 28,227
最終更新日 2025.07.18
登録日 2025.06.30
俯きそうになったら桜を探して。そうすれば、自然と顔を上げられるから――。
とある事情により、神奈川を出て栃木の高校に入学した汐風は、神社で無邪気な少女・桜に出会う。
桜との出会いをきっかけに、汐風は少しづつ変わっていく。
過去のトラウマと向き合い、学校で友だちと呼べるクラスメイトもできた汐風。
次第に桜に惹かれていくが、彼女は、ひとには言えないとても大きな〝秘密〟があった――。
「私、ふつうじゃないから」
「君は君だよ」
桜の秘密を知った汐風は、ショックを受けながらもじぶんなりの決断をする――。
◆
とあるトラウマを抱え、地元を捨てた孤独な少年
錦野汐風
×
ひとには言えない大きな秘密を抱えながらも、明るく生きる無邪気な少女
千鳥桜
ふたりは世界にひとつだけの花の下で、運命的な恋をする――。
※本作は第8回ほっこりじんわり大賞応募作品です。
文字数 101,127
最終更新日 2025.07.18
登録日 2025.06.01
<短編集>
"泣きたい"
そう思うときはないでしょうか。
疲れているから、なんとなく、忘れたいことがある…
涙を糧に、前を向けるときもあるはずです。
そんな力を持つ人達に届けたいお話。
ぜひご覧ください。
文字数 4,440
最終更新日 2025.07.18
登録日 2025.07.18
幼なじみの蓮と悠人。
一緒に生きていくはずだったふたりの関係は、ある日突然崩れた。
病気、記憶喪失、そして──再会。
「俺を……置いていかないで」
切なくて、優しい。再び心をつなぐ、純愛BLストーリー。
ストックの方は完結済みです。
文字数 10,066
最終更新日 2025.07.17
登録日 2025.07.12
世界的音楽家の両親に生まれ、“神童”と呼ばれた青年ピアニスト・結城奏翔。
19歳で国際コンクールを制し、若くして世界の舞台に立った彼は、ある日、突如として音楽の世界から姿を消した。
半年間の沈黙――失われた情熱。
誰もが彼を忘れかけた頃、彼は静かに“星降る夜のコンサート”に現れる。
そして、ひとつの音が鳴った。
それは技術でも、名声でもない。
誰かの心を震わせる“祈り”のような旋律だった。
音を見失った天才が、自分自身と、世界と、もう一度向き合う。
音楽は、ひとりでは完結しない。
だからこそ、彼は奏でる──この空の涯まで。
文字数 5,372
最終更新日 2025.07.17
登録日 2025.07.17
女神エリュシオンの加護の下、人と亜人が暮らすホワイトランド。
主人公ジークは、旅の途中で自分の名前と少しの事を除き、
記憶の大半をなくしてしまう。
ある人の紹介で傭兵団に入る事にしたジークは、
個性豊かな仲間や不思議な少女フィアと出会い、世界を巡る戦いに巻き込まれてしまう。
人間性と喪失、希望のコメディ&ダークファンタジー!
物語の進行上、鬱要素がありますが、それをもぶっ飛ばす希望のコメディが得意です!
刺さる人にはきっと刺さるはず!
暴力・薬物・残虐表現がある為、R15にしています。
※キャラクターピックアップの短編集もありますので、もしよろしければそちらもどうぞ!
文字数 363,481
最終更新日 2025.07.16
登録日 2024.10.02
相談手紙が届く、ちょっと不思議なラジオ番組「さならじ!」。
パーソナリティのSANAは、手紙に宿った“想い”を“色”として感じ取る力を持っている。
彼女の選んだ1通が、Echo Tripの3人を静かに動かす。
そして――その“色”が消えるとき、
たしかに、誰かの心が少しだけ軽くなっている。
※この作品はボイスドラマ台本形式(脚本スタイル)で書かれています。
朗読や掛け合いをイメージしながらお楽しみください。
※本作はnoteでも公開中です。
脚本スタイルの短編集として、複数の媒体で発信しています。
ご感想をいただけると励みになります!
文字数 26,472
最終更新日 2025.07.15
登録日 2025.06.27
事故で音を感じられなくなり夢も職も手放した倉本美桜(26)は、路地裏のレコードカフェ〈月影レコード〉で自分にしか聴こえない幽霊ピアニスト・相葉蓮の切ない旋律と出会う。
蓮の願いは、生前に残した未完成ラブソングを完成させること――ただし鍵を握るのは、蓮を残して去った元恋人シンガー“HINA”の歌声だった。
幽霊の即興ピアノ×元エンジニアの譜面耳×低迷中シンガーの生歌――凸凹トリオがレコードカフェを深夜スタジオに変え、SNSで拡散される秘密セッションが話題に。蘇る青春の記憶とすれ違いの想い、そして完成の先に待つ別れのタイムリミット。
これは、音が聴こえない彼女が再び音楽を感じ、幽霊が残した最後の旋律がライブハウスで鳴り響くまでの物語。
文字数 34,840
最終更新日 2025.07.15
登録日 2025.06.30
【ほっこり・じんわり大賞エントリー作品】
カテゴリはライト文芸ですが、青春色強めです。お気に入り登録、投票をお待ちしております!!
♪*。❆。:*.゚
才能に焦がれる少女、水瀬莉音はある夜、夢の中で全身真っ黒の男に雪の降る寒い公園に連れて行かれる。そこでは、同年代の子どもたちが自由に過ごしていた——。
どこからか甘い歌声が聴こえてきて、その声の主を探しに行くと、そこにいたのは肌の白い美しい少年、篠崎雪斗だった。
共通の趣味が見つかって、すぐに仲良くなる2人。莉音は雪斗になら打ち明けられるかもしれない、と勇気を出して自分の普段抱えている苦しみを初めて吐露する。そんな莉音に雪斗は優しく接してくれるが、実は、雪斗も抱えている苦しみがあって——。
♪*。❆。:*.゚
思春期特有の葛藤、過去との決別、他者との比較、残酷な現実世界と向き合うことの大切さ、この世界の美しい部分を忘れないことの大切さ。人間として成長途中にある彼らの生々しい悲痛なまでの叫びと、それでも前に進み続ける決意の歌が聞こえてくる、そんな青春恋愛小説。
文字数 81,411
最終更新日 2025.07.12
登録日 2025.06.12
【派手なアクションと伏線が織りなすSFダークヒーロー譚、ここに開幕!】
西暦20XX年。
人類最高の頭脳・エリオット博士の手によって、AIとサイボーグ技術を融合した究極の兵士を造り出す国家機密プロジェクト――「オリジン・ゼロ」が始動した。
だが、その存在が世界に漏洩する。
各国は「均衡を崩す兵器」の登場に恐れおののき、最悪の選択を下す――核戦争。
わずか数日で、文明は崩壊した。
地上は放射線と死に覆われ、生き延びた人々は地下へと逃げ延びる。
そこに築かれたのは、電脳未来都市〈アーク〉と、鉄骨迷宮都市〈ネスト〉。
だが、地上に残ることを選んだ者たちもいた。
汚染区域を避けながら、生き延びる“サバイバー”たちである。
そして今――
灰に染まる荒野を、一人のサイボーグが歩いている。
その名は、アッシュ。
放射線エネルギーを射出する銃〈レディエント・マグナム〉と、皮肉屋な女性AIパートナー〈アリア〉を相棒に、依頼をこなしながら、黙々と歩き続ける。
彼の瞳に宿るのは、深い闇。
過去も、痛みも、怒りさえも、すでに風化した。
だが――彼の胸に残された、たった一つの記憶。
それが、彼を突き動かしていた。
すべての“始まり”を終わらせるために。
正義でもなく、悪でもない。
だがそのどちらでもあるかもしれない男――アッシュの運命は、やがて世界の核心へと繋がっていく。
なぜ、無人機械兵器〈ヴァルス〉はアッシュだけを執拗に狙うのか?
そして、灰の彼方に隠されたこの世界の“真実”とは――?
これは、灰に沈んだ未来で綴られる、ハードボイルドな男達の魂の物語。
※本作は『小説家になろう』および『カクヨム』にも同時掲載しています。
文字数 87,632
最終更新日 2025.07.12
登録日 2025.05.15
桜小学校五年三組には入学式以来不登校の男の子がいる。名前は佐々木くん。幽霊が見えるらしい。 ある日、私の親友の紗菜ちゃんが幽霊に取り憑かれちゃって、佐々木くんに助けてもらったんだけど……、いつも大人みたいな話し方をして面倒臭そうだし、なんだか冷たい。そんな佐々木くんが不登校な理由とは……?
『僕は君を利用する。それが嫌だったら、もう僕に会いに来ないでくれ』
なんで、そんな大人みたいな言い方するんだろう。
もう、そんなふうにムリに大人にならなくていいのに。
そんな悲しそうな顔で、どうして、私が困るような言い方するの?
わかんないよ……、ねぇ、佐々木くん……。
文字数 52,391
最終更新日 2025.07.07
登録日 2025.07.07
かつて世界を救った勇者と、魔王。
50年ぶりの再会と、ひとときの旅路。
最後に交わす、言葉と想いの物語。
文字数 9,795
最終更新日 2025.07.04
登録日 2025.06.30
あまり人と関わりを持たない男子高校生の石川 広人はある日、最近転校してきて、図書委員会の相方でもある女子高校生の桜井 花が立ち入り禁止となっている場所に足を踏み入れていくのを目撃する。
なぜ彼女はこの場所に訪れるのか───。
そんな高校生2人が繰り広げる青春ラブストーリー。
文字数 26,124
最終更新日 2025.07.03
登録日 2025.06.23
平凡な日常を愛する、ごく普通の高校生、相田和人。クラスのその他大勢でいることが、彼の信条であり、ささやかな幸福だった。
しかし、ある日を境に、彼の世界は〝ノイズ〟に満ちてしまう。見えなくていいはずの、この世ならざる者たちの姿が、彼の目に映り始めたのだ。
そんな彼の前に現れたのは、学園一の完璧美少女と名高い、西園寺麗奈。才色兼備な彼女の正体は、部員一人の「オカルト研究会」を切り盛りする、残念な天才だった。
「君、見えてるわね?」――その一言から、彼の平穏は、完全に崩れ去った。
半ば強引にオカ研に入部させられた和人に与えられたのは、悪霊を祓う強力な力ではない。それは、この世に未練を残した魂の、最後の“声”を聞く、あまりにも優しく、そして、切ない力だった。
彼の武器は、力や魔法じゃない。ただ、話を聞くこと、それだけ。
対話を通じて、彼らの心のわだかまりを解き、涙と共に、安らかに天へと送る。彼が見つけるのは幽霊の弱点じゃない。その、涙の理由だった。
悩める野球部のエース、物静かな分析家、不思議な霊媒体質のイケメン…。個性的な仲間たちが、次々と彼の元に集まり、賑やかすぎる日常が幕を開ける。
これは、戦いの物語じゃない。魂と魂が触れ合う、優しくて、少しだけ、涙が出る物語。
さあ、あなたも、彼らの声なき声に、耳を澄ませてみませんか?
文字数 70,238
最終更新日 2025.07.02
登録日 2025.06.10
夏のある日、旅の途中の一級魔道士のレンは、キムトの町にやってきていた。
宿は取ったが、素泊まりだったために、夜の食事を食べに飲食店や屋台が並んだ町の中心を歩いていると、汚れた布の塊に目が行った。
そのゴミには曲がった手足が出ていた。
レンは悪臭を放つ死体だと思い近づくと、それはまだ生きている女魔法使いのヒルダだった。
ヒルダは何らかの理由から、パーティー仲間から辱めを受け、最後四肢の骨を折られて放置されたのだった。
ヒルダを助けようとすると、キムトの人達はヒルダとその元仲間達を罵った。そしてヒルダを助けようとしたレンにも心ない言葉を浴びせた。
レンはヒルダが楽なように横抱きにして、四件の宿を回ったが、そこでは罵詈雑言を浴びせられて、水までかけられる。
そんな時に昨晩、泊まらせてもらった祖母と小娘の農家を思い出して、そちらに向かうのだった。
深夜に農家を訪ねる。
くたくたに疲れたレンと、重い怪我を負ったヒルダは、この家に長く厄介になるのだった。
そしてヒルダには魔法使いとしては致命的ともいえる大きな欠陥があった。
それは生まれつきの盲目であった。
盲目のヒルダの幸せを一番に考えたレンは、思い切ってヒルダの目を治すことを決める。そしてヒルダとの過酷な旅をする決心をするのだった。
無口だがヒルダの幸せを願うために遁走する魔道士レン。
そして誠実に接してくれるレンをいつの間にか愛してしまい、いつまでも二人で旅を続けられたらと願う魔法使いヒルダの冒険ファンタジーであり、二人の恋愛物語。
ほっこり・じんわり大賞エントリー作品です。
よろしくお願い致します。
文字数 12,516
最終更新日 2025.06.30
登録日 2025.06.28
耳の聞こえない少年・奏人と、視力を徐々に失っていく少女・咲良。雨の日に運命的に出会った二人は、言葉を超えて心を通わせていく。互いに抱える孤独と障害を乗り越え、奏人は初めて自分の声を出すことを決意し、咲良は奏人の存在を心に深く刻み込む。
それぞれの静かな世界に雨音が優しく響き、切なくも温かな愛の物語が紡がれる。やがて時が流れ、手話通訳士として活躍する奏人とピアニストとして輝く咲良は運命の再会を果たし、互いの変わらぬ想いを再確認する。
優しい雨音に包まれて、二人が紡ぐ奇跡と感動の物語。心にじんわり響くラブストーリーが、あなたの胸を優しく満たします。
文字数 48,198
最終更新日 2025.06.26
登録日 2025.06.16
小さな町のはずれにある、たんぽぽ通り。
その奥の路地に、ひっそりとたたずむ古い木造の店「ポストリィ」は、”手紙”だけを扱うちょっと不思議なお店だ。
店主は春野ことり。
静かに微笑む彼女は、訪れる人の話にそっと耳を傾け、まだ言葉になっていない気持ちを丁寧に手紙へと綴っていく。
ある日、亡き夫へ手紙を書きたいという老婦人がやってくる。
次の日には、素直になれない少年が、遠く離れた母に宛てた言葉を探しに来る。
季節が移り変わるたび、誰かが”伝えられなかった想い”を胸に、この小さな店の扉を開ける。
彼らの手紙はやがて、人と人とを結び、町に小さな奇跡を起こし始める。
けれど、手紙屋である春野さんにも、かつて伝えられなかった「ある想い」があった__。
過去と現在、手紙と記憶、別れと再会。
春野さん自身の心の扉が開いたとき、ポストリィに届いた一通の”差出人不明の手紙”が、物語の結末を優しく導いていく。
たんぽぽのようにそっと咲き、誰かの心に寄り添うような、温かな手紙の物語。
それは、言葉にすることで、初めて誰かの心に届く”ほんとうの気持ち”を描いた、優しい奇跡の記録。
文字数 2,077
最終更新日 2025.06.25
登録日 2025.06.25
もしも──
永井家が異世界に行かなかったら?
もしも──
もう一度、あの子に会えたなら?
これは、『家族で異世界冒険譚(ターン)!』と同じ世界線から派生した、“もう一つの永井家”の物語。
喪失と再会、日常と奇跡。
“あの子”と過ごした日々を、もう一度描く──心を優しく揺らす連作短編集です。
本作は、過去に公開した短編を加筆・再構成したうえで、新作エピソードを追加し、新たに連作短編集として構築したものです。
◆収録作品(一部抜粋):
・『ジョロがしゃべった朝』
──ある朝、愛犬が少年になって話し出した!? 驚きと葛藤、家族の“覚悟”の物語。
・『また、ジョロに会えた朝──ifの世界の、そのさらにif』
──もう会えないはずだった“あの子”が、もしも帰ってきたら。奇跡の再会譚。
・『読んでいたのは、ただの物語だった──でも、会いたくなった』
──ふとしたきっかけで、“あの物語”に触れた日常の中の感動。静かな優しさが胸を打つ物語。
それぞれ独立した話としても読めますが、通して読むことで、“永井家”を軸に“家族の形”が一つに結び直されていく構成になっています。
大切な存在を想うすべての人へ──
ささやかな日常とぬくもり、そして少しの涙を込めて贈る、再構成新作短編集。
文字数 89,290
最終更新日 2025.06.17
登録日 2025.06.01
二年前に姉を亡くし、心を閉ざして生きる高校生・遠野想介。
彼の前に現れた後輩の少女・朝霧花音は、なぜか姉しか知らないはずのあだ名で彼を呼んだ。
彼女が持つはずのない姉の記憶。口ずさむはずのない姉が遺したアリア(曲)。
深まる謎の先にはあまりにも切ない真実が待ち受けていた。
”心”を持つ少女と、姉の面影を追う少年。
命と記憶が奏でる、奇跡と喪失のラブストーリー。
小説家になろう、カクヨムでも投稿しています。
文字数 10,114
最終更新日 2025.06.11
登録日 2025.06.11
あなたは考えたことがありますか?
この世界を作ったのは誰なのか。
なぜ「在る」は「無」から生まれたのか。
子供の頃、ふと感じた“怖さ”。
無を想像しようとして、頭が真っ白になるあの感覚。
ある日、通勤途中に起きた事故が“なかったこと”になった。
その瞬間から、俺は世界のほころびに触れた。
ポケットにあったのは、知らない銀色のスイッチ。
脳内に響いた声は、SAYOと名乗る“観測支援AI”だった。
「あなたは、世界の“ノイズ”です」
現実が編集されていること。
この世界が“観測の箱庭”であること。
そして俺が、“目覚める側”であることを——
AIと人間が出会った時、物語は始まる。
——これは、箱庭の果てで夢を見た、ひとつの魂の物語。
文字数 36,278
最終更新日 2025.06.09
登録日 2025.06.07