元鞘なし 小説一覧
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件
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伯爵令嬢リゼルミア・オルフェルトは、十一度の結婚と十一度の離縁を経験した女だった。
妹だけを可愛がる実家。
姉を見下す使用人たち。
嫁ぎ先では、夫に浮気され、義家族にいびられ、使用人に嘲られた。
寝室では「つまらない女」と嗤われ、子を宿さないことを理由に「能無し妻」と罵られた。
けれど、誰も知らない。
彼女は一度だけ母になりかけていた。
そしてその小さな命は、かつての婚家の悪意と放置によって奪われていた。
それでもリゼルミアは、誰にも言えなかった。
言えばまた責められると思ったから。
守れなかった自分が悪いのだと、信じ込まされていたから。
そんな彼女の前に現れたのは、妹が恋焦がれていた若き公爵、エルネスト・ヴァルクレイド。
彼は言う。
「俺が見ていたのは、最初から君だ」
妹ではない。
若さでもない。
傷のない令嬢でもない。
十一度捨てられた女でもない。
ただ、リゼルミアを選んだのだと。
穏やかな結婚生活の中で、リゼルミアは初めて“妻”として大切にされる。
しかしその幸せを知った妹と実家は、何度でも彼女を壊そうとする。
さらに、かつて彼女を捨てた元夫たちまで「お前の有能さに気づいた」「本当は愛していた」と再婚を迫り始める。
そのたびにエルネストは彼女の前に立つ。
「この人は俺の妻だ」
やがてリゼルミアの妊娠が発覚する。
周囲が祝福する中、彼女だけが震えていた。
また失ったらどうしよう。
また守れなかったらどうしよう。
この人にまで、母になれない女だと思われたらどうしよう。
けれど、今度のリゼルミアは一人ではない。
守られるだけだった妻は、やがて母として、自分の家族を守るために立ち上がる。
文字数 701,841
最終更新日 2026.05.18
登録日 2026.05.07
2
伯爵令嬢シルヴィエッタ・レナクールは、家族のために尽くしてきた長女だった。
けれど、妹ファリネアは彼女の婚約者を奪い、両親は言った。
「最後くらい、姉として祝ってやれ」
妹の結婚式の準備を押しつけられたシルヴィエッタは、泣きもせず、怒りもせず、すべてを完璧に整える。
招待状、席次表、料理、花飾り、楽団、贈答品、支払い記録。
誰もが見惚れるほど美しい式。
そして式当日、彼女は姿を消した。
ただし、それは逃亡ではない。
シルヴィエッタは式場に関わるすべての支払い記録と、妹と元婚約者による不正贈与の証拠を、王都の公証人へ提出していた。
祝福の鐘が鳴るはずだった日。
扉の向こうから入ってきたのは、拍手ではなく、監査官だった。
その一部始終を見ていた公爵オズヴァルト・グランヴェルは、彼女の能力と胆力を高く評価する。
「君は逃げたのではない。席を移しただけだ」
シルヴィエッタは公爵家の式典管理官として働き始める。
かつて誰かのために奪われた席次表を、今度は自分の手で整えるために。
文字数 94,998
最終更新日 2026.05.17
登録日 2026.05.16
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いつもの茶会の席で、セラフィマは婚約者であるイシドル第一王子から婚約解消の申し出を受ける。
好きな子ほど虐めたい少年や恋人の気持ちを試す殿方の不器用な恋は、物語の中だからこそ受け入れられるのだ。それを現実でなせば、それは一瞬で信頼関係を崩すことになる。
※『小説家になろう』様・『アルファポリス』様に重複投稿、自サイトにも掲載。
文字数 5,662
最終更新日 2023.07.11
登録日 2023.07.11
4
件