絵本・童話大賞
選考概要
編集部内で一次選考において大賞候補作としたのは「大王とマッコウさん」「えらい石」「あしのはえたさかな」「季節変え屋さん」「有翼狼の伝説・蒼き翼を持つ者」「ナナシノハナシ 第2クール」「鈴鳴り姫と銀の騎士」「ねぎぼうず」「六個入り新鮮たまご」「ぐるぐるまわる」「夏のキセキ~Takaramono~」「星の降る町」「キミがいるから」「星の王様」「みなみやま冒険日記」の15作品。残念ながらそのまま出版ができると判断した作品はなかったが、議論の末、総合的に見てもっとも完成度が高く大賞にふさわしい作品であるとして「大王とマッコウさん」を選考した。そのほかの作品では特に「あしのはえたさかな」がそのアイデアを、「季節変え屋さん」がその絵を非常に魅力的であると評価された。同じく「有翼狼の伝説・蒼き翼を持つ者」は非常に読み応えのある作品であったが、まだ物語が始まったばかりであることを考え、今回は受賞にはいたらなかった。
大王とマッコウさん
クリスマスの奇跡
ポイント最上位作品として、“読者賞”に決定いたしました。大変温かみを感じさせるストーリーで、それがクリスマスという題材ともぴったりあい、読んだあと優しい気持ちになれる素敵な絵本だと思います。漫画大賞に引き続いての読者賞受賞ということで、作者が表現するファンタジックで優しい世界に対する読者のあつい支持を強く感じました。
可愛らしいイラストと軽快なストーリーで、最後まで楽しく一気に読むことができ、編集部でもレベルが高い作品であると一様に感じました。特に、恋するマッコウさんのためにがんばる大王イカのけなげな姿は、読む人も共感させられる部分が多いと思います。出版化を考えますと、同作よりもさらに絵本の対象年齢である幼児に魅力的な設定やストーリー・絵とする必要があると考えます。これからの創作活動に期待したいと思います。