「え」の検索結果
全体で97,687件見つかりました。
江戸の裏長屋の入り口にぽつんと佇む小さな煮売屋『春亭(はるてい)』。十七歳の看板娘・おはるは、半年前に亡くなった父の跡を継ぎ、たった一人で店を切り盛りしている。
しかし、肉体労働で汗を流す江戸の職人たちが好む「ガツンと濃い甘辛味」をどうしても再現できず、喧嘩っ早いが情に厚い常連客の大工・辰次からは「味が薄え!」と文句を言われる毎日。父の味を守るべきか、己が信じる出汁を活かした新しい味に挑むべきか、おはるは思い悩んでいた。
そんなある日の昼下がり。店の隅で酒を飲んでいた初老の客・源兵衛が、ぼそりと一言「大根の面取りが甘い。冷める時に味を含ませろ」と呟く。そのたった一つの助言に従っただけで、おはるの大根の煮付けは驚くほど深く、澄み渡った極上の味へと変化した。
凄まじい舌と料理の知識を持つ源兵衛は、一体何者なのか?
正体を明かさない彼からの、そっけなくも的確な「料理指南」を受けながら、おはるは料理人としての才能を少しずつ開花させていく。食欲の落ちた長屋の女将さんや、喧嘩した丁稚たち……ワケありの客たちの悩みをおはるの作る「人情めし」が温かく解きほぐし、店は次第に活気を取り戻していく。
だが、そんなおはるの前に、やがて『春亭』と彼女自身の料理人としての矜持を揺るがす、思いがけない試練が立ちはだかる――。
一杯の汁、一皿の惣菜に込められた真心が胸を打つ。読めば必ずお腹がすき、明日への元気が湧いてくる絶品のお仕事時代。
文字数 29,021
最終更新日 2026.06.09
登録日 2026.05.31
お江戸のすみっこに黒くてふわふわしたものが座っていました――。
小伝馬町に新規オープンした袋物問屋。
通りがかりの浪人風体のお侍が見たのは、袋物屋の店主が子どもを「虐待」している姿!
立ち塞がった浪人風のお侍は、実は火付盗賊改方の長官さまでした。
※人は死にませんが、人間と動物に危害が加えられる暴力的シーンがあります。
※実在した人物が登場しますが、あくまでも時代劇です。ご了承ください。
※この作品は江戸時代を舞台にしたフィクションであり、当時の社会や文化を描写するにあたり、歴史的背景に基づいた表現や描写が含まれています。
※「長吏」「門付け」「丹波の荒熊」「傀儡師」「女鳥追い」「門説経」「歌祭文」「皮座」「犬拾」「物乞い」などの職業や、身体的特徴に関する記述には、当時の価値観や慣習を反映したものがありますが、これらは現代の価値観や倫理観とは異なる場合があります。
※これらの表現は、物語の時代背景を忠実に再現するためのものであり、差別や偏見を助長する意図は一切ございません。
※読者の皆様には、こうした歴史的文脈をご理解いただきつつ、本作をお楽しみいただければ幸いです。
※万が一、不快な印象を与える表現がございましたら、著者として深くお詫び申し上げます。
文字数 42,236
最終更新日 2025.04.08
登録日 2025.02.16
昭和二十年、東京。
大空襲の夜、看護婦の小夜が運び込まれた負傷兵を見た瞬間、手が止まった。
度重なる空襲で焼け野原となった街で、若い看護婦・小夜は、崩れかけた病院の一室で負傷兵たちの手当を続けていた。
包帯は足りず、薬もない。水も灯りも十分ではない。それでも彼女は、目の前の命を救おうと手を動かす。
かつて想いをよせあっていた寄せ合っていた青年・龍之介は出征し、それきり消息が途絶えていた。生きているのか、もうこの世にいないのか、それすら分からない。
ある夜、重傷の兵士が運び込まれる。
顔は煤と血で判別がつかず、意識もない。名も告げられぬまま、彼女はいつも通り処置を施す。
包帯を替え、傷口を洗い、弱くなる呼吸を必死に繋ぎ止めようとする。
兵士は目を開けることなく、そのまま息を引き取る。
後処理のために認識票を確認した瞬間、彼女の手は止まる。
そこに刻まれていたのは——かつて愛した男の名前だった。
焼け跡に立つ彼女の手には、返されることのない彼の認識票が残されている。
戦火の中で、2人はなぜ出会い、愛し合ったのか。
いま、生きていることが当たり前ではない。
どうか沢山の方に届いて欲しい2人の純愛ラブストーリーです。
文字数 37,508
最終更新日 2026.06.09
登録日 2026.03.03
8世紀中頃のボェの国(現チベット)。古い神々を信じる伝統派と仏教を信じる改革派が相争う宮殿で、改革派に与する国王ティデ・ツクツェンが暗殺された。首謀者は伝統派の首領、宰相バル・ドンツァプ。偶然事件を目撃してしまったナナム・ニャムサンは幼馴染で従兄弟の太子ナツォクを逃がそうとするが、ドンツァプと並ぶ伝統派の実力者である伯父ナナム・マシャンに捕らえられ、ナツォクを奪われる。王宮に幽閉されたナツォクを助けるためニャムサンは、亡き父の親友ゲンラム・タクラ・ルコン、南方元帥グー・ティサン、東方元帥チム・ゲルシクと協力し、ナツォクの救出に奔走する。
民間伝承のような勧善懲悪ストーリではなく出来るだけ史実に沿うよう努力しています。参考文献は自分のWebサイトで公開中です。
文字数 156,998
最終更新日 2021.01.10
登録日 2020.09.24
本能寺の変の夜。
森蘭丸は京の異様な静けさに違和感を覚える。
やがて訪れる、明智光秀の謀反。
しかし主君・織田信長は、すでにそれを予測していた。
逃げ道はある。生き延びることもできる。
それでも信長は動かない。
妙覚寺にいたはずの嫡男織田信忠も合流しても二人は、逃げなかった。
逃げることが天下への夢に続いていないと言う信長。
理解し共に死に向かおうとする信忠と頭で分かっても心がついてこない蘭丸。
誰もが正解など分からぬ中で英雄たちは自分が正しいと思う選択を決断していく。
歴史の終焉と始まりを描く、切なく静かな戦国短編。
文字数 3,381
最終更新日 2026.05.09
登録日 2026.05.09
「戦国の焔に咲き、愛と絆で散る――浅井茶々、運命を切り開く一輪の乱華。」
あらすじ
戦国の嵐が吹き荒れる天正元年(1573年)、北近江の小谷城で浅井茶々は生まれた。父・浅井長政と母・織田市の長女として、姉妹・初と江と共に穏やかな日々を過ごす彼女だったが、叔父・織田信長の裏切りにより小谷城は炎に包まれる。父と祖父を失い、母と妹たちと共に信長の庇護下へ引き取られた茶々は、戦国の無常を幼い胸に刻む。
岐阜城、北ノ庄城と移りゆく環境の中、茶目は長女としての責任感を背負い、初と江を守り抜く決意を固める。本能寺の変で信長が倒れ、母が柴田勝家と再婚する混乱期を経て、北ノ庄城が秀吉の軍に包囲されると、再び焔が彼女を襲う。母と勝家の自害、城の陥落を目の当たりにし、茶目は妹たちを連れて逃亡の道を歩む。
やがて秀吉の側室となり、子を産み、大坂城で豊臣家の命運を担う彼女は、愛と野望の間で揺れながらも、戦国の姫として気高く咲き続ける。家族を失い、国を失い、最期に大坂の陣で壮絶な散華を迎える茶々。その生涯は、戦国の冷酷な焔に抗い、絆で結ばれた一輪の乱華の如し。
この物語は、茶々の純粋な心が戦国の試練に鍛えられ、自立と決断を重ねる軌跡を追う。
文字数 68,213
最終更新日 2025.06.10
登録日 2025.05.03
自分で書いた四コマ漫画を自分でノベライズする、そんな無茶な企画の作品です。
多分コメディなので、出来れば、読んで、笑ってやって下さい。
内容は、ざっくり言うと、
・兄上は今日も胃が痛い
・出浦殿、巻き添えを喰らう
・甘党パッパ
・美魔女マッマ
という感じです。
この物語は当然フィクションです。
この作品は個人サイト「お姫様倶楽部Petit」及びpixivでも公開しています。
また、元ネタの漫画は以下で公開中です。
https://www.alphapolis.co.jp/manga/281055331/473033525
文字数 7,281
最終更新日 2018.12.09
登録日 2018.12.09
先の戦争で大活躍した「私」は、そのために却って敵の総大将に見込まれてしまった。
そして停戦後、総大将のお姫様が「嫁(監視役兼務)」としてやってくることになった。
問題は「私」には既に「幼なじみ」で「従姉」の妻がいることだ――。
天正十七年(一五八九年)のこと。
後の世に言う第一次上田合戦から数年の後、徳川の家臣となった真田の嫡男・信幸は本多忠勝の娘と縁組むことになった。
そのために、幼年から連れ添った糟糠の妻は「側室」という扱いとされた。
どう考えてもギクシャクしそうな新婚家庭。
二人の妻との間に立って苦労することを覚悟していた信幸だったが、新妻と古女房は亭主の心配をよそに、会うなり仲良くなってしまう。
そして時は流れて――。
――お前達は嘘吐きだ。
文字数 8,388
最終更新日 2018.09.20
登録日 2018.09.18
天正二年、長島。
雨が止んだ。それは、織田の鉄砲が再び「火」を噴く合図だった。
周囲を囲むのは、美しくさえある鉄と逆茂木の檻。逃げ場はない。
泥濘が兵の足を呪いのように掴み、死臭が混じった風が水路を撫でる。
坊官は、その絶望を冷徹な数字に置き換えていた。
残存兵力、食糧、矢じりの数。そして、これから失われる命の「割合」。
「私は、勝つと思っていない」
ふなは血に染まった水路を漕ぎ、重蔵は熱を失った炉で矢を打ち、かわは絶望に狂いゆく民を観察する。
英雄もいなければ、救済もない。あるのは、巨大な暴力に摩耗されていく肉の音だけだ。
歴史が「根切り」と呼んだ、凄惨な消耗戦の記録。
その最深部で、坊官はひとり筆を執る。
包囲網を、呪わしき理で解体するために。
文字数 40,944
最終更新日 2026.06.08
登録日 2026.05.12
1540年6月、尼子の軍勢3000騎が芸備境三次に陣を張り、毛利に与する五龍城の宍戸隆家らが対峙した。
この渡河をめぐる攻防戦を皮切りとして、毛利元就の本拠地である吉田郡山城に尼子軍3万人が押し寄せる大合戦が勃発する。
元就の娘婿である宍戸隆家は、毛利方の若武者として奔走する中で、一郡の領主に過ぎない義父が秘める深遠なる智謀の一端を垣間見る。
宍戸隆家(ししどたかいえ):五龍殿
宍戸元源(ししどもとよし):五龍城主、隆家の祖父
深瀬隆兼(ふかせたかかね):岩屋城主、元源の実弟
毛利元就(もうりもとなり):大殿、隆家の義父
毛利隆元(もうりたかもと):若殿、元就の嫡男
文字数 42,283
最終更新日 2026.06.05
登録日 2026.05.20
天正3年5月21日、長篠・設楽ヶ原。
真田信綱・昌輝兄弟は、武田最強の赤備えを率いて織田の鉄砲三千挺の前に散った。
血に染まる赤い空の下、信濃先方衆は全滅。
武田の誇りは、潰えた。
──それでも、真田家は終わらなかった。
翌月、弟・昌幸が家督を継ぎ、9歳の信幸と6歳の弁丸の前に現れたのは、まだ2歳の五郎だった。
「父上の隠し子か!?」と大騒ぎする兄弟と、必死に否定する昌幸。
竹トンボが舞う館は、今日も賑やかだ。
そして元服を迎えたばかりの信幸は、
伯父の菩提寺で、5年ぶりに従妹・千草と再会する。
亡父の形見の櫛を手に、彼女は静かに微笑んだ。
「また来てね、信幸殿」
設楽ヶ原で失われた命の重さと、
それでも続く家族の絆と、初恋の予感。
史実の狭間に生まれた、真田家の「もう一つの物語」を、三つの短編で綴る。
(小説家になろう、カクヨムにも同時投稿中)
文字数 9,347
最終更新日 2025.12.18
登録日 2025.12.16
慶安の江戸、人生に絶望した蘭丸は人知を越えた現象に遭遇し、そして魔性を斬る者となった。ねねと黒夜叉、二人の女に振り回されつつも、蘭丸は大奥の暗き噂を聞き、江戸城の闇に潜む魔性と対峙する……
文字数 33,268
最終更新日 2022.05.07
登録日 2022.05.07
江戸は天保の末、武士の世が黄昏へとさしかかる頃。
首切り役人の家に生まれた女がたどる数奇な運命。
人の首を刎ねることにとり憑かれた山部一族。
それは剣の道にあらず。
剣術にあらず。
しいていえば、料理人が魚の頭を落とすのと同じ。
まな板の鯉が、刑場の罪人にかわっただけのこと。
脈々と受け継がれた狂気の血と技。
その結実として生を受けた女は、人として生きることを知らずに、
ただひと振りの刃となり、斬ることだけを強いられる。
斬って、斬って、斬って。
ただ斬り続けたその先に、女はいったい何を見るのか。
幕末の動乱の時代を生きた女の一代記。
そこに綺羅星のごとく散っていった維新の英雄英傑たちはいない。
あったのは斬る者と斬られる者。
ただそれだけ。
文字数 64,843
最終更新日 2020.06.26
登録日 2020.05.31