祝・高津ヤクルト スワローズ歴代監督の連載を一挙紹介!

東京ヤクルトスワローズ 日本一おめでとう!!

現在アルファポリスビジネスにて記事連載中の高津監督率いるスワローズが、ついに、ついに、2001年ぶりに悲願の日本一を達成しました!!


そこで、長らくスワローズに寄り添い悲喜こもごもの瞬間をともに歩んできた歴代連載のインタビュアー・長谷川晶一氏による、日本一特別寄稿記事をお届けします!


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歴代連載のインタビュアー・
長谷川晶一氏 日本一特別寄稿

「投手」として、「選手」として、日本一に!

 現役時代の高津臣吾「投手」は、日本シリーズでは本当に圧倒的な強さを見せつけていた。1993(平成5)、95、97、2001年と4度も胴上げ投手となり、通算で11試合に登板して2勝8セーブを記録。防御率は0.00で、現役通算では相手に1点も許さなかった。歴代最多となる8セーブはいまだに破られぬ金字塔であり、日本シリーズでの圧倒的な存在感は、今も多くの人々の記憶に鮮明に焼きついていることだろう。

 そして、2021(令和3)年日本シリーズ――。高津「監督」は、見事に日本一に輝いた。これまでに「胴上げ投手」となった経験はあるものの、今年は監督として、ペナントレース、クライマックスシリーズ、そして日本シリーズと、実に3度も胴上げされることとなったのだ。

 今回の日本シリーズ。決戦の火ぶたが落とされた京セラドーム。そして、第3戦からの舞台となった東京ドーム。観客席には、「絶対大丈夫」と書かれたタオルを掲げるファン、あるいはTシャツを着用している人々の姿がとても目立った。

 もはや、説明は不要だろう。ペナントレースがいよいよ佳境を迎える9月上旬、高津監督は、選手たちを前に「絶対大丈夫」というフレーズを何度も繰り返した。このときの全体ミーティングが球団公式YouTubeチャンネルにアップされたことで、選手たちだけではなく、瞬く間にファンの間でもこのフレーズが定着することとなった。

 実際にここからチームは快進撃を続け、勝負どころの9月、10月を一気に駆け抜けてペナントレース制覇を決めた。この間、「絶対大丈夫」グッズが発売されて好評を博し、球場にはこれらのグッズを手にしたファンが日に日に増えていった。高津監督が口にした、「絶対大丈夫」という魔法の言葉は、選手はもちろん、ファンも含めた「チームスワローズ」全員を一体にする機能を担うこととなったのだ。

 ヤクルトの2勝1敗で迎えた第4戦。日本シリーズにおけるセ・リーグ最年長勝利投手となった石川雅規が、試合後のヒーローインタビューにおいて、「絶対大丈夫」という言葉を口にしたのは、まさに象徴的だった。監督の言葉通り、選手たちの意識下には「絶対大丈夫」の思いが着実に浸透していたのだ。この石川に限らず、多くの選手たちが「絶対大丈夫」と語るのを耳にした。選手たちの間でも、この言葉が完全に定着していたのだ。

 それが、選手一丸となって戦うチームに大きなエネルギーを与えたのだろう。改めて思う、「言葉の力」は、かくも大きなものなのだということを。

理をもって選手たちの心をつかんだ高津臣吾監督

 監督に就任した昨年は「2020ヤクルト 高津流スワローズ改革!」と題して、そして就任2年目となる今年は「2021東京ヤクルトスワローズ 高津流 燕マネジメント」と銘打ってインタビューは行われた。ペナントレースと同時進行で折々の監督の言葉を聞く連載をこのアルファポリス公式サイトにおいて行ってきた。

 この2年間、定期的に「高津監督の言葉」を直接聞く機会に恵まれた。そのたびに、「彼の言葉には力がある」と感じていた。滑舌がよく、言い淀むことがほとんどないのだ。もちろん、ただ流暢に言葉が口から出てくるというだけのことではない。彼が言いよどむことがないのは、自分が口にすべき内容をきちんと自分自身で吟味し、把握しているからなのだと思う。

 そこにいたるまでには、相当の自問自答がなされているはずだ。自分自身と向き合い、自己の内面と対峙することで考えがクリアになっているからこそ、インタビュアーの質問に対して、理路整然と回答することができるのだろう。

 時代は変わり、現代の監督はかつてのように強烈な父性で選手たちをグイグイ引っ張っていくことは困難となった。「黙っていても伝わるはずだ」というスタイルではなく、理をもってきちんと説明することで、初めて現代の選手たちはついてくる。

 若き主砲・村上宗隆や、今年大きく飛躍した奥川恭伸に対してはときに厳しい注文も発した。若手の台頭によりなかなか出番のない坂口智隆、嶋基宏らベテラン選手に対しては常に気遣いを見せる発言を取り返していた。なかなか結果が残せずに、シーズン途中でクローザーからの配置転換を余儀なくされた石山泰稚には直々に激励の言葉をかけたこともある。

 あるいは、今回の日本シリーズ初戦において、後味の悪いサヨナラ負けを喫してしまったスコット・マクガフに対しては、翌日の試合前練習において「僕はまったく気にしていない。抑えはあなたに任せている」と告げたという。この言葉でマクガフの心は一気に軽くなったことだろう。

 監督は常々、「年齢も、経歴も、日本人、外国人も関係なく、ただ一生懸命になって点を取りにいく、点を与えないことだ」と口にしていた。それを実現するために、監督自ら率先して、言葉を武器に選手とのコミュニケーションを図っていたのだ。

堂々と戦い、見事に日本一に輝いたチームスワローズ

 毎回、毎回、彼に話を聞くのは楽しかった。そこには必ず理があったからだ。ときに冗談を交えながら明るく、あるいは真剣な口調で率直な思いを口にしていたからだ。どん底に沈んだ昨シーズンも、歓喜に沸いた今シーズンも、彼の言葉はいつでも力強かった。それを聞く者の心を奮い立たせてくれる力があった。

 ついに、悲願の日本一に輝いた。昨年の屈辱からの見事な大逆転劇。その中心となったのは、間違いなく高津臣吾監督だった。もちろん、後日改めてこの連載において、彼自身の言葉でこの一年を、この20年ぶりの日本一の思いを振り返ってもらうつもりだ。彼はどんな言葉で、この一年にかけた思いを語ってくれるのだろうか?

 日本シリーズにめっぽう強かった「投手」は、「監督」としても、その実力を存分に発揮した。今シーズンペナントレース終盤、彼に「自分は持ってる男だと思うことはないですか?」と尋ねたことがある。この質問に対して、「持ってるかどうかはわからない」と言いつつ、「でも、今年は本当にいい流れに後押しされている気がする」と語っていた。

 彼の言う「いい流れ」こそ、監督自ら作り出したもののような気がしてならない。その代表例であり、象徴こそ、「絶対大丈夫」というスローガンだった。この言葉を口にした意図について、彼はこんな言葉を残している。

まずは「勝って浮かれることなく、負けてしり込みすることなくあろう」ということを伝えたかった。その上で「常に前向きに予習をして復習をして、明日も頑張ろう」ということを伝えたかったんです。その思いを込めたのが「絶対大丈夫」という言葉で、僕なりの表現になりました。

 おめでとう、高津臣吾監督。おめでとう、チームスワローズ。見事な日本一だった。見事なチームだった。堂々と戦い、見事に結果を残した選手たちを、そして高津監督を心から尊敬し、心から誇りに思う。本当に、本当におめでとうございます! 最高に嬉しい!

長谷川晶一氏 著作紹介

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