嫌われ魔術師の俺は元夫への恋心を消去する
元娼夫で現魔術師であるサラが、久しぶりに帰郷したある日。サラはファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者より大元帥に仕えるよう命じられ、半ば連れ去られるように彼のもとへ赴く。命令の内容とは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。魔狼の血を引くロイと体を重ねられる希少な人間として、サラに白羽の矢が立ったのだ。しかし、その命令はロイの意志に反して下されたようで、彼はサラを穢らわしい娼夫と蔑み、冷たい態度を取る。──サラこそが、ロイの亡くした妻であると気づかずに。「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」
6番目のセフレだけど一生分の思い出ができたからもう充分
「――本当は貴方と恋人になりたい。」平凡な学生である幸平は、幼馴染の陽太に片想いをし続けている。地味な幸平とは違って、陽太は顔が良く人気なモテ男。5人もセフレがいると噂されるほどの彼に、高校の卒業式の日に告白した幸平は、なんと6番目のセフレになることができた。それから一年半。大学生になった幸平は陽太と体だけの関係を続けていたが、身体を重ねたあとに必ずもらう1万円札を見ては虚しさに苛まれていた。本当は陽太と恋人になりたい。でも、陽太には思いを寄せる女性がいるらしい。悩む幸平だったが、友人たちの後押しもあり、今の関係を変えようと決心するが……