『桜の護王』11.葛城(2)アップ。
(また……泣かせてしまう)
繰り返した夢の中のように。置いていくのかと震えながら笑っていた顔が頭の傷とは別の痛さで胸を焼く。
夜明け前に洋子を抱き締めて、護王がそっとついた吐息は、望みの一夜の余韻というより、そこに洋子がいることを確かめてでもいるような、切なく震えるものだった。護王の中の奥深くで、幻ではないのだとつぶやいている、別の時空の護王を思い起こさせた。
『俺の……姫さん…』
優しい安堵に満ちた声。そっと擦り寄せられてくる頬。
舞いの最中に洋子を見上げた願いの視線。
(まだ、その答えも返していないのに)
きっと必死に探している。
そう思って胸が詰まった。
繰り返した夢の中のように。置いていくのかと震えながら笑っていた顔が頭の傷とは別の痛さで胸を焼く。
夜明け前に洋子を抱き締めて、護王がそっとついた吐息は、望みの一夜の余韻というより、そこに洋子がいることを確かめてでもいるような、切なく震えるものだった。護王の中の奥深くで、幻ではないのだとつぶやいている、別の時空の護王を思い起こさせた。
『俺の……姫さん…』
優しい安堵に満ちた声。そっと擦り寄せられてくる頬。
舞いの最中に洋子を見上げた願いの視線。
(まだ、その答えも返していないのに)
きっと必死に探している。
そう思って胸が詰まった。
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登録日 2016.09.20 01:31
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