『桜の護王』11.葛城(5)アップ。
護王が焦り苛立つのがわかった。何が不満なのかと問われ、やはり俺が嫌いなのかとなじられ、首を振りながらもことばに出せなかった。
もうお芝居はええのんや、私ではだめなんやろ、と、たったそれだけのことばだったのだが。
どうしても、どうしても手に入らなかった宝物をようやくの思いで手に入れてみれば、それは美しく出来上がったまがい物で、しかも誰が本物を持っているのかもわかっている。ことあるごとに比べられて、その出来不出来を確かめられる、そんな日々が続いた。
茜がたびたび戻ってきたから。
帰るたびに茜は夫との不仲に怯える人妻として護王を頼った。護王も冷ややかな対応を茜には緩めているように思えた。
少しずつ開いていく自分と護王の隙間を、洋子は両手で必死に引き寄せながら見守った。
でも、それももう、気持ちは限界だった。
もうお芝居はええのんや、私ではだめなんやろ、と、たったそれだけのことばだったのだが。
どうしても、どうしても手に入らなかった宝物をようやくの思いで手に入れてみれば、それは美しく出来上がったまがい物で、しかも誰が本物を持っているのかもわかっている。ことあるごとに比べられて、その出来不出来を確かめられる、そんな日々が続いた。
茜がたびたび戻ってきたから。
帰るたびに茜は夫との不仲に怯える人妻として護王を頼った。護王も冷ややかな対応を茜には緩めているように思えた。
少しずつ開いていく自分と護王の隙間を、洋子は両手で必死に引き寄せながら見守った。
でも、それももう、気持ちは限界だった。
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登録日 2016.09.23 00:46
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