『ハートレイト』2アップ。
「何だったんです?」
詰め所に戻ると、後輩の大原が看護記録から顔を上げた。
もう昼休みで、勤務者は交替で食事を取っているのだろう。詰め所内は静かだった。
「深夜明けで、お小言ですか?」
やんわりと尋ねる大原に、北野は固まった心を解きほぐされていくような気がした。
「ううん……そうじゃなくて……」
隣に腰を下ろし、話すともなく話し始めていたのは、大原の年齢によるものかも知れない。
大原さつきは、看護師になったのこそ北野より後だが、北野より三歳ほど上になる。それまで法律系の大学に通っていたのだが、『何か手応えが欲しくなって』中退、改めて看護学校を受験した。通っていた大学はかなりレベルの高いところだったとかで、『泣いて止める父母を振り切り』看護師になった、と苦笑まじりに話したことがあった。
北野はそれこそ何となく、に近い看護師志願。食べていくのに不自由がない、程度の発想で看護師になった。大原の決断力にはあきれるしかないというのが正直なところだ。
「岩見さんがねえ……でも、それは少し、へまをしましたね」
あっさりと大原が言っても、北野は腹が立たなかった。
「うん、そうだよねえ……へまをした。もっと考えればよかったかもしれない。師長さんとか主任さんと部屋を片付ければ……」
「階級に弱いですからね、あの人は」
くすりと大原は醒めた笑い方をした。
詰め所に戻ると、後輩の大原が看護記録から顔を上げた。
もう昼休みで、勤務者は交替で食事を取っているのだろう。詰め所内は静かだった。
「深夜明けで、お小言ですか?」
やんわりと尋ねる大原に、北野は固まった心を解きほぐされていくような気がした。
「ううん……そうじゃなくて……」
隣に腰を下ろし、話すともなく話し始めていたのは、大原の年齢によるものかも知れない。
大原さつきは、看護師になったのこそ北野より後だが、北野より三歳ほど上になる。それまで法律系の大学に通っていたのだが、『何か手応えが欲しくなって』中退、改めて看護学校を受験した。通っていた大学はかなりレベルの高いところだったとかで、『泣いて止める父母を振り切り』看護師になった、と苦笑まじりに話したことがあった。
北野はそれこそ何となく、に近い看護師志願。食べていくのに不自由がない、程度の発想で看護師になった。大原の決断力にはあきれるしかないというのが正直なところだ。
「岩見さんがねえ……でも、それは少し、へまをしましたね」
あっさりと大原が言っても、北野は腹が立たなかった。
「うん、そうだよねえ……へまをした。もっと考えればよかったかもしれない。師長さんとか主任さんと部屋を片付ければ……」
「階級に弱いですからね、あの人は」
くすりと大原は醒めた笑い方をした。
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登録日 2017.05.01 08:54
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