『霊道開き』3 アップ。
秋子の事は残念だったけど、私は時々ああいう奇妙なことばを告げられたり打ち明けられたりすることがある。
たとえば、病院にお見舞いにいったときに、ぼんやりと中庭を見ていたら、すぐ側にきた痩せた小さなおばあさんが「見えますかね、やっぱりあなたにも見えるんでしょう」と言われる。「失礼ですが、何が見えるんでしょう」と丁寧に尋ねてみると、おばあさんは静かな微笑を浮かべて「そうそう、そうやって当たらず触らずで行かれる方がいいですよ、何せそうわかると世の中はあなたを放っておきませんから」と続けられる。そしてそのままふわりふわりと漂うように歩いて去って行く老婆の背中に、それこそ微かな寒さを感じて慌てて目をそむけてしばらく、今の今まで穏やかに静まり返っていた中庭をいきなり騒然とストレッチャーが走り過
ぎ「早く!」「気道確保!」「大島先生を!」と叫びながら行く、そのがらがら台の上に横になっているのは、まぎれもなくさきほどの老婆だったりするとか。
たとえば、病院にお見舞いにいったときに、ぼんやりと中庭を見ていたら、すぐ側にきた痩せた小さなおばあさんが「見えますかね、やっぱりあなたにも見えるんでしょう」と言われる。「失礼ですが、何が見えるんでしょう」と丁寧に尋ねてみると、おばあさんは静かな微笑を浮かべて「そうそう、そうやって当たらず触らずで行かれる方がいいですよ、何せそうわかると世の中はあなたを放っておきませんから」と続けられる。そしてそのままふわりふわりと漂うように歩いて去って行く老婆の背中に、それこそ微かな寒さを感じて慌てて目をそむけてしばらく、今の今まで穏やかに静まり返っていた中庭をいきなり騒然とストレッチャーが走り過
ぎ「早く!」「気道確保!」「大島先生を!」と叫びながら行く、そのがらがら台の上に横になっているのは、まぎれもなくさきほどの老婆だったりするとか。
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登録日 2017.09.25 09:06
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