『闇を闇から』第二章 1.美並(5)アップ。『闇から見る眼』第二章 3 追加。
はっとしたように目の前の男もリュックとレシートを掴んで、銜えたサンドイッチを噛みながら慌ててレジに向かった。どうやら追い掛けるつもりらしい。
それを茫然と見遣りながら、京介の耳には奈保子の叫びが突き刺さっている。
『あなたの隣にいるのは、私なの!』
目の前で、好きな男が他の女の心配をする。その女の傷を想って自分を詰る。それに抵抗する、たった一つのことばを必死に探し当てて叫んだのだ。
その気持ちが、痛いほどわかる。
伊吹の隣にいるのは自分だ、京介もそう叫べたら。
けれど、それはきっと、違う、のだ。
それを茫然と見遣りながら、京介の耳には奈保子の叫びが突き刺さっている。
『あなたの隣にいるのは、私なの!』
目の前で、好きな男が他の女の心配をする。その女の傷を想って自分を詰る。それに抵抗する、たった一つのことばを必死に探し当てて叫んだのだ。
その気持ちが、痛いほどわかる。
伊吹の隣にいるのは自分だ、京介もそう叫べたら。
けれど、それはきっと、違う、のだ。
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登録日 2017.10.10 09:00
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