『ラズーン』第三部 1.宙道(シノイ)(1)
ほぉ。
静かに吐かれた息は深い安堵に満ちていた。蕩けていくような曖昧な声で応じて、やがてすうすうと寝息を立て始める。体の奥の緊張も消え、緩やかにくったりと、アシャの体に全身任せて眠り込む。
(俺に…)
安心している。
ぞくり、と体の芯が震えた。
部屋は静まり返り、呼吸の音だけが湿った温かみで安らかに響く。
(俺、に)
その中で、アシャの体だけが、場違いな熱さ激しさで脈打っている。
「…く…」
苦く笑った。
「手を、出せるか?」
出せるわけ、ねえよな。
やさぐれた自分のぼやきに苦笑を深める。
これほど傷ついた相手に、これほどの安心を向けられて、押し開けるわけがない。
静かに吐かれた息は深い安堵に満ちていた。蕩けていくような曖昧な声で応じて、やがてすうすうと寝息を立て始める。体の奥の緊張も消え、緩やかにくったりと、アシャの体に全身任せて眠り込む。
(俺に…)
安心している。
ぞくり、と体の芯が震えた。
部屋は静まり返り、呼吸の音だけが湿った温かみで安らかに響く。
(俺、に)
その中で、アシャの体だけが、場違いな熱さ激しさで脈打っている。
「…く…」
苦く笑った。
「手を、出せるか?」
出せるわけ、ねえよな。
やさぐれた自分のぼやきに苦笑を深める。
これほど傷ついた相手に、これほどの安心を向けられて、押し開けるわけがない。
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登録日 2017.11.08 12:32
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