ゆらり

ゆらり

架空洋風ファンタジーBL小説書きです。どちらかと言うとニッチ枠。

メモの切れ端4枚目(小話)

「最強魔導騎士(略)」の、「名もなき愛の行方」の小話。


 「寂しいということ」



 セディウスが不在の夜。

 ネウクレアは彼が出発前に出した指示に従って、自分の天幕のベッドで横になっていた。

 眠れない。

 胸の奥に空洞があるような、何もかもが不足している感覚。

 これが、『寂しい』ということなのか。

 掛布を被っているのに、なぜか体が冷えているようにも感じる。

「セディウス……」

 早く帰還して欲しい。

 魔導術式による遠距離通信を使うことを提案したが、却下された。『これは、お前にとっても、私にとっても大切な事項だ。直参でなければならない』と、セディウスは言っていた。

 駐屯地から研究機関まで、合計一ヵ月の期間をかけて往復するのは非効率だ。

 だが、セディウスの表情は見たことのないほどに緊張したものだった。ネウクレアは直参の必要性を全く認識できなかったが、セディウスがそう判断しているのならそれに従うべきなのだろう。

「寂しい……」

 言葉にするとなおさらに、胸の中の空洞が大きくなっていくようだ。砂糖菓子を口に含んでも、あまり『美味しい』と感じなかった。

 ネウクレアはおもむろに起き上がり、天幕を出た。

 そして、セディウスの天幕へと忍び込む。

 嗅ぎ慣れた、自分の天幕とは違う彼の天幕に匂いに、寂しさが少しだけ減ったようだ。

 ベッドにもぐりこみ、彼の枕を抱えて顔を埋める。

「ん……」

 また少し、寂しさが減った。


 セディウスの指示に反するが、睡眠をとるためには止むを得ない処置だ。

 帰還した際に報告すればいいだろう。

「あふ……」

 目を閉じてしばらくすると、眠気が訪れて欠伸が出た。セディウスのベッドは、睡眠の導入に効果的なようだ。自分の天幕で眠れない以上、やはりここで眠る以外に選択肢はないだろう。


 ネウクレアは、セディウスの天幕で眠ることを決定した。






 ※絶対こうなるだろうと。枕を抱えて丸くなって眠っているネウクレアを見て、セディウスが「うっ、か、可愛いっ!」となるところまでがセットです。 
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登録日 2025.09.28 18:56

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