菰野るり

菰野るり

京都市在住。市バスは206番と37番、地下鉄は烏丸線だけで生きていける。好きな作家は荻原規子さんと阿部智里さん。

IFSS更新について。

IFSS榊原弁償編は終わっていませんが、IFSS朝比奈編が始まっています。

今後どちらも更新します。

月ちゃん、榊原が好きなのわかるけど、朝比奈にしときなよって本編ずっと思っていました。なので、盛大に榊原NTRされてます。身体のNTRよりひどい。榊原が可哀想で可愛い子になってて、朝比奈最強なんです。ただ朝比奈はハッピーゲイであるかぎり、月くんの気持ちを優先するんす。

朝比奈と月くんを描こうとしても、朝比奈がハッピーゲイな限り成り立たない。じゃあシゲコママの店があるかないかじゃないかとなって、つまり、クイアの共同体が彼の人生に存在したか否かなんだろうと考えました。

じゃないとゲイの大先輩として榊原すら応援しちゃうからね。

そんなわけで、IFSS地獄のブラック朝比奈編。

自分で言うのは恥ずかしいのですが、朝比奈と東堂の物語が本当に美しいです。戻れない時間、失いたくなかった誰か。

初恋ってすげえな。

葉山。
夏。
白い壁。
海。
風呂上がりの髪。
布団二組。
冷房の音。
虫の声。

去年は、まだ楽園じゃない。

朝比奈は、まだその場所にいられると思ってる。東堂の隣にいることが、当たり前に続くと思ってる。
苦しいけど、まだ気持ちに名前をつけなくても生きられる。

幸福の予感すらある。

でも今年は違う。

東堂には彼女がいる。
朝比奈は追放されかけている。
そのうえで、東堂が父親の酒を出す。

ここで初めて、「楽園」になる。

クリスタルのグラス。
クラッシュアイス。
琥珀色の酒。
白く曇るグラス。
少し酔った東堂。
笑っている朝比奈。

酒が入ることで、二人は一瞬だけ「大人の世界」を盗む。
父親の棚から。東堂の家の奥。
本来まだ許されていない場所から。

そして名前がつく。

PARADIS

今年の葉山には、楽園という名前がついてしまった。

だから一瞬しか存在できない。

楽園って、永遠に続く場所じゃなくて、
「あれは楽園だった」と失ったあとにしか分からない場所なんですよね。

朝比奈が笑っている。
東堂が少し酔っている。
二人ともまだ壊れていない。
でも、もう壊れる直前。

その直前だけ、世界が完璧になる。
だからこれは、ほんとに楽園。

でも楽園になった瞬間に、失われる。

美しすぎて無理。

毎日彼らの物語を書いてます。
これからもぜひご贔屓に。
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登録日 2026.06.25 00:42

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