『古城物語』 7.迷宮 アップ。
ハインツはさっきから落ち着きなく、部屋の中を歩き回っている。周一郎が攫われたと騒ぐ俺に、マリーネが機転を利かせて呼んでくれたのだ。
今、屋敷中を彼の部下が徹底的に調べている最中だった。周一郎が運び出されたルートや手段に関わると思われるあらゆるものをチェックしている。
苛立った表情を隠しもしないハインツの心中はわかる。何せ今のところ、周一郎は、今回の事件の真相を見抜いているかもしれない、唯一の人間だ。
「……!」
「は?」
「…思い当たることはありますか、だそうです」
俺を振り向いて怒鳴るように投げつけてきたハインツのことばを、在独の日本人が通訳してくれた。
「…」
思い当たることがないか? そんなこと、わかってるだろう。今度の事件の真犯人とやらが、周一郎が謎を解きつつあることを知ったら、さっさと消してしまおうと考えるのは当然だ。
今、屋敷中を彼の部下が徹底的に調べている最中だった。周一郎が運び出されたルートや手段に関わると思われるあらゆるものをチェックしている。
苛立った表情を隠しもしないハインツの心中はわかる。何せ今のところ、周一郎は、今回の事件の真相を見抜いているかもしれない、唯一の人間だ。
「……!」
「は?」
「…思い当たることはありますか、だそうです」
俺を振り向いて怒鳴るように投げつけてきたハインツのことばを、在独の日本人が通訳してくれた。
「…」
思い当たることがないか? そんなこと、わかってるだろう。今度の事件の真犯人とやらが、周一郎が謎を解きつつあることを知ったら、さっさと消してしまおうと考えるのは当然だ。
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登録日 2016.10.27 23:36
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