『桜の護王』14.鳴滝(3)アップ。(個人サイトにて)
『読み上げ』の声は朗々と響き渡っている。暗闇の中を影のようにひた走る護王は近づいてくる大石に次第に険しい顔になっている。
「里が永遠にありますように!」
「里が永遠でありますように!」
例年よりも遥かに熱の籠った声が何度も何度も唱和している。
「里が永遠でありますように!」
その後に、よし、聞いた、ということばはいつまでたっても続かない。
『読み上げ』を何かに憑かれたように繰り返す里人の中に大西康隆も路子もいたが、護王はもうそれには構わなかった。辺りに漂う濃厚な血の匂い、それに引き付けられる野獣のようにまっすぐに大石の下へ潜る階段へ走り込んでいく。
「姫さんっ!」
『読み上げ』の唱和の声を裂くように護王は叫んだ。
「姫さっ…」
「里が永遠にありますように!」
「里が永遠でありますように!」
例年よりも遥かに熱の籠った声が何度も何度も唱和している。
「里が永遠でありますように!」
その後に、よし、聞いた、ということばはいつまでたっても続かない。
『読み上げ』を何かに憑かれたように繰り返す里人の中に大西康隆も路子もいたが、護王はもうそれには構わなかった。辺りに漂う濃厚な血の匂い、それに引き付けられる野獣のようにまっすぐに大石の下へ潜る階段へ走り込んでいく。
「姫さんっ!」
『読み上げ』の唱和の声を裂くように護王は叫んだ。
「姫さっ…」
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登録日 2016.11.07 21:49
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