『アシュレイ家の花嫁』5.吊られた男 アップ。
夜がまたやってくる。
マースは強ばった顔でベッドに腰をかけたまま、正面のドアを見つめている。
固く閉ざされたドアの向こうには、マースのデスクの置かれている広々とした居間があり、その部屋を横切ればゲストルームのドアがある。
その向こうには、数日前から芽理がいる。
(芽理)
たったドアニ枚のことなのに、たった二部屋のことなのに、その距離が彼女が日本にいるときよりも遠く感じるのはなぜだろう。
『マージに言われてきました。ここのドア、開けないでいいでしょう?』
荷物を持ってきた日、胸をときめかせて待っていたマースに、芽理は淡々とした口調で告げた。それはもうマースのどんなことばも受け入れない頑さに満ちていて、うなずくより他なかった。
(ドアは……開かない)
たぶんこの先ずっと。
マースは強ばった顔でベッドに腰をかけたまま、正面のドアを見つめている。
固く閉ざされたドアの向こうには、マースのデスクの置かれている広々とした居間があり、その部屋を横切ればゲストルームのドアがある。
その向こうには、数日前から芽理がいる。
(芽理)
たったドアニ枚のことなのに、たった二部屋のことなのに、その距離が彼女が日本にいるときよりも遠く感じるのはなぜだろう。
『マージに言われてきました。ここのドア、開けないでいいでしょう?』
荷物を持ってきた日、胸をときめかせて待っていたマースに、芽理は淡々とした口調で告げた。それはもうマースのどんなことばも受け入れない頑さに満ちていて、うなずくより他なかった。
(ドアは……開かない)
たぶんこの先ずっと。
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登録日 2016.11.07 21:49
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