『桜の護王』14.鳴滝(5)アップ。(個人サイトにて)
「それに…記憶を思い出したらすぐにわかった……あのとき、桜里にお前、おったやろ?」
「!」
村上が息を呑んだ。
「本名、大西瞬……大西の分家やったな。お前が生まれたときに、赤んぼのお前、見せられたことがあるで。眼鏡外すといっそうはっきりわかる…確かに面影あるもんな? ……あの夜…俺が殺した中にお前の両親が……おったんやな?」
「……まさか、君がほんとうに歳を取らないなんて思わなかったよ」
村上は目を細めた。
いつかの夜、桜の前で洋子に詩織のことを話したような無表情な顔で続ける。
「お祭りだった。僕は嬉しくてはしゃいでいた。今年は特別なごちそうがでるらしいって噂があった。子どもにはあたらないって聞いていたけど、誰かにねだってもらうつもりだった。『読み上げ』が終わって、大人達が膳を用意して、宴が始まって。君の姿をはっきり見たのはあのときが初めてじゃなかったかな」
時ならず、ふわ、と気弱な甘い笑みが村上の唇に広がった。
「きれいだと……思ったよ」
「!」
村上が息を呑んだ。
「本名、大西瞬……大西の分家やったな。お前が生まれたときに、赤んぼのお前、見せられたことがあるで。眼鏡外すといっそうはっきりわかる…確かに面影あるもんな? ……あの夜…俺が殺した中にお前の両親が……おったんやな?」
「……まさか、君がほんとうに歳を取らないなんて思わなかったよ」
村上は目を細めた。
いつかの夜、桜の前で洋子に詩織のことを話したような無表情な顔で続ける。
「お祭りだった。僕は嬉しくてはしゃいでいた。今年は特別なごちそうがでるらしいって噂があった。子どもにはあたらないって聞いていたけど、誰かにねだってもらうつもりだった。『読み上げ』が終わって、大人達が膳を用意して、宴が始まって。君の姿をはっきり見たのはあのときが初めてじゃなかったかな」
時ならず、ふわ、と気弱な甘い笑みが村上の唇に広がった。
「きれいだと……思ったよ」
コメント 0件
登録日 2016.11.10 02:36
0
件