『ラズーン』第四部 5.ダイン要城(12) (個人サイトでアップ)
暗い夜道だった。
冷え冷えとした夜気は剥き出しにした肌に牙をたてるほど凄まじく吹きつけてくる。凍てついてくる体を抱き締めようにも、左手は誰かが縋っている、右手は抜き身の剣を下げている。
そしてユーノは、ただ一人、黙々と漆黒の闇の中を歩き続けている。
(寒いな)
心のどこかが疲れた調子で呟くのを、ユーノは首を振って振り払った。
いっそこのまま果ててしまおうとする気持ちを、掴まれた手が引き止める。振り返れば、縋ってくる相手はセアラの幼い顔に、レアナの憂い顔に、母の涙顔に、父の心配そうな顔に、次々と変わっていった。
ずくりと心の傷が鈍痛を訴える。
冷え冷えとした夜気は剥き出しにした肌に牙をたてるほど凄まじく吹きつけてくる。凍てついてくる体を抱き締めようにも、左手は誰かが縋っている、右手は抜き身の剣を下げている。
そしてユーノは、ただ一人、黙々と漆黒の闇の中を歩き続けている。
(寒いな)
心のどこかが疲れた調子で呟くのを、ユーノは首を振って振り払った。
いっそこのまま果ててしまおうとする気持ちを、掴まれた手が引き止める。振り返れば、縋ってくる相手はセアラの幼い顔に、レアナの憂い顔に、母の涙顔に、父の心配そうな顔に、次々と変わっていった。
ずくりと心の傷が鈍痛を訴える。
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登録日 2018.06.17 09:11
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