『周一郎舞台裏』2.シーン202ーーシーン118(3)アップ。
「え?」
垣は汗が流れ続ける顔を大道具の隅から突き出した。
『滝』役だけでは暮らしは成り立たない。映画撮りの合間には、こうやっていろいろな部署のスタッフに頼まれる下働きや雑用をこなし、ちょっとした稼ぎを得ている。
「だからぁ、あんたぐらい? 暇なの?」
ことばを省略し、語尾を微妙に上げる口調で、垣より1、2歳しか違わない相手は、顎をしゃくった。
「何だって?」
「だからさぁ」
始めっから言わなきゃなんないわけ? 何なの、その物忘れの酷さ、そういうあからさまな冷笑を無視して、相手を見上げ続けると、
「修一さんにぃ、監督が渡し忘れたものがあんだって。演技上の注意点? メモ? とかそういうの?」
垣に聞かれても困る。
垣は汗が流れ続ける顔を大道具の隅から突き出した。
『滝』役だけでは暮らしは成り立たない。映画撮りの合間には、こうやっていろいろな部署のスタッフに頼まれる下働きや雑用をこなし、ちょっとした稼ぎを得ている。
「だからぁ、あんたぐらい? 暇なの?」
ことばを省略し、語尾を微妙に上げる口調で、垣より1、2歳しか違わない相手は、顎をしゃくった。
「何だって?」
「だからさぁ」
始めっから言わなきゃなんないわけ? 何なの、その物忘れの酷さ、そういうあからさまな冷笑を無視して、相手を見上げ続けると、
「修一さんにぃ、監督が渡し忘れたものがあんだって。演技上の注意点? メモ? とかそういうの?」
垣に聞かれても困る。
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登録日 2016.11.29 23:53
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