segakiyui

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『ラズーン』『そして別れの時』連載中。メルマガ『これはハッピーエンドにしかならない王道ラブストーリー3』』『闇を闇から』『ドラゴン・イン・ナ・シティ』展開。

『ラズーン』第一部 1.二つの名の下に(1)

 風が渡る。
 固い織の飾り一つないチュニックの裾を、跨がった愛馬レノの白いたてがみを、波立つそよぐ草原にただ一人立つ、ユーノの額にかかる髪を巻き上げて。
 目を閉じ、その冷たさと強さをじっと味わう。
 たとえようもなく、独りだ。
 けれど、それでいい。
 大事な人が笑うなら。
 平和に憩うこの国を守れるなら。
 僅かな間の幻にしか過ぎないとしても、破滅を気づかせないために全力を尽くす、皇女として、人として。
 きっと、そのために生まれてきた。
 そのためだけに生きているのだ。
「父さま、母さま、レアナ姉さま、セアラ」
 呟いて、ユーノは目を見開く。
「……サルト…」
 守り切れなかった。
 傷みに唇を噛む。
 拳を握り締めて俯く、前髪を風が散らす。
 引くな。逃げるな。たじろぐな。
 一歩たりとも怯むんじゃない。
 この体には命の約束がかかっている。
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登録日 2016.12.11 01:01

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