『ラズーン』第一部 2.セレド皇宮(5)(個人サイトでアップ)
「ふ、ぅ」
涼やかな外気にあたり、汗に濡れた髪をかきあげてアシャは溜め息をついた。
熱っぽく絡みつく女達の視線には慣れてはいるが、久々にずっと浴びていると気疲れする。見かけに不似合いな野放図さもある身としては、自由気侭に旅を謳歌する方が性に合う。
しかし。
「いつ抜け出した…?」
首を捻った。紹介された時は居たはずだ。視線を移していくと眩そうな目をしてこちらを見、一瞬怯んだ顔になったがすぐに不敵に笑い返してきた。
今ならあの笑みの理由がわかる。万が一にもアシャが家族に危害を加えるようなら、容赦なく切り捨てるという宣戦布告のようなものだろう。
それから談話が始まって、その時もまだ確かにユーノは居た。気配を消して身を引いたのはわかるが、その動きで場の空気を乱さなかった制御力に舌を巻く。
他の人間ならまだしも。
(俺を相手に)
このアシャを。
(シートスあたりが聞いたら何と言うやら)
『名だたるアシャも随分温くなったものだ、放浪で人恋しさに溺れておられたのか』
豪胆に笑う声が聞こえそうだ。
涼やかな外気にあたり、汗に濡れた髪をかきあげてアシャは溜め息をついた。
熱っぽく絡みつく女達の視線には慣れてはいるが、久々にずっと浴びていると気疲れする。見かけに不似合いな野放図さもある身としては、自由気侭に旅を謳歌する方が性に合う。
しかし。
「いつ抜け出した…?」
首を捻った。紹介された時は居たはずだ。視線を移していくと眩そうな目をしてこちらを見、一瞬怯んだ顔になったがすぐに不敵に笑い返してきた。
今ならあの笑みの理由がわかる。万が一にもアシャが家族に危害を加えるようなら、容赦なく切り捨てるという宣戦布告のようなものだろう。
それから談話が始まって、その時もまだ確かにユーノは居た。気配を消して身を引いたのはわかるが、その動きで場の空気を乱さなかった制御力に舌を巻く。
他の人間ならまだしも。
(俺を相手に)
このアシャを。
(シートスあたりが聞いたら何と言うやら)
『名だたるアシャも随分温くなったものだ、放浪で人恋しさに溺れておられたのか』
豪胆に笑う声が聞こえそうだ。
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登録日 2016.12.15 21:45
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