『ラズーン』第一部 5.標的として(1)アップ。
温かな日ざしは草原に降り注いでいる。微かな音をたてて風に葉裏が翻り、ほの白く陽光を跳ね返し、波頭を彼方へと走らせていく。
草を分けて国境へ進むユーノ達は皇宮から離れること丸1日の行程を飛ばしに飛ばしてやってきた。さすがに疲れを見せ始めた馬から降り、今2人は草原を歩む。
「カザディノはずっと姉さまを狙っていた」
隣に居るアシャは白いシャツと濃紺のチュニックを翻しながらじっと耳を傾けている。陽射しは煌めく髪に跳ねて遊ぶ。視界の端にそれを眩く捉えながら、深緑色のチュニックと灰色のシャツのユーノは話を続ける。
「始めは外交的に姉さまを欲しいと申し入れてきた。けれど姉さまは同意しなかったし、姉さまの同意しない婚姻を国の誰も望まない」
過ごしてきた年月が圧倒するように頭を掠める。
ずっと1人で戦ってきた。おそらくこれから先もそうだろう。
またちらりとアシャを見やり、自分より遥かに皇族らしい出で立ち振舞いに小さく笑った。
誰もユーノのような姫は望まない。
ユーノが背負う運命を共に背負ってくれる者などいない。
(これからもずっと)
胸に言い聞かせ、先を続けた。
草を分けて国境へ進むユーノ達は皇宮から離れること丸1日の行程を飛ばしに飛ばしてやってきた。さすがに疲れを見せ始めた馬から降り、今2人は草原を歩む。
「カザディノはずっと姉さまを狙っていた」
隣に居るアシャは白いシャツと濃紺のチュニックを翻しながらじっと耳を傾けている。陽射しは煌めく髪に跳ねて遊ぶ。視界の端にそれを眩く捉えながら、深緑色のチュニックと灰色のシャツのユーノは話を続ける。
「始めは外交的に姉さまを欲しいと申し入れてきた。けれど姉さまは同意しなかったし、姉さまの同意しない婚姻を国の誰も望まない」
過ごしてきた年月が圧倒するように頭を掠める。
ずっと1人で戦ってきた。おそらくこれから先もそうだろう。
またちらりとアシャを見やり、自分より遥かに皇族らしい出で立ち振舞いに小さく笑った。
誰もユーノのような姫は望まない。
ユーノが背負う運命を共に背負ってくれる者などいない。
(これからもずっと)
胸に言い聞かせ、先を続けた。
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登録日 2017.01.05 22:37
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