『未来を負うもの』9.力あるもの(1)アップ。
仁を乗せたエレベーターは押したボタンの階を過ぎても止まらなかった。より深くの階で待っている誰かが呼び寄せてでもいるように、じりじりと地表から遠ざかって行く。
エレベーターの中でこぶしを握って立ち、目を閉じている仁の感覚には、今1つの声が響いている。
ー我ニ従エ。
それは圧倒的な力の気配を伴っていた。きっと誰に教えられなくとも、仁は相手が誰だかわかっただろう。
(『夏越』、だね?)
ーソウダトモ。待ッテイタヨ、仁。
声は平然と仁の認識を受け止め応じた。
(内田をどうした)
仁の問いに答えはない。墓場のような重い沈黙だけが戻ってくる。
(殺したのか)
答えはやはりない。
エレベーターの中でこぶしを握って立ち、目を閉じている仁の感覚には、今1つの声が響いている。
ー我ニ従エ。
それは圧倒的な力の気配を伴っていた。きっと誰に教えられなくとも、仁は相手が誰だかわかっただろう。
(『夏越』、だね?)
ーソウダトモ。待ッテイタヨ、仁。
声は平然と仁の認識を受け止め応じた。
(内田をどうした)
仁の問いに答えはない。墓場のような重い沈黙だけが戻ってくる。
(殺したのか)
答えはやはりない。
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登録日 2017.01.15 00:40
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