『朱の狩人』4.DISTANCE (2)アップ
暗闇の中でずっと座り込んでいたような気がする。
(寒いな)
今は真夏のはずなのだが。
仁は抱えていた膝から顔を上げた。と、唐突に、仁の数倍はありそうな金色のライオンがスフィンクスのように横たわってこちらを見ているのに気づいた。
(君は)
ーボクハ、ナゴシ。
(!)
呼吸が止まった。それから突然、気を失う前の修羅場が蘇ってきた。
夜闇を疾走するバイク、追い込まれて走り続けている最中に割り込んできた、青白く燃え盛る容赦のない殺意の鞭。
逃げて逃げて逃げ続けて。
鞭をかわすたびに周囲のバイクが炎に巻かれる。火柱になり、炎上し、その中で絶叫が、悲鳴が、炎の渦と一緒に天空へ駆け上がっていく。
仁には何もできない。より酷い結末、より救いのない破滅を防ぐために、炎と血飛沫の中を速度を上げて駆け抜ける。
(寒いな)
今は真夏のはずなのだが。
仁は抱えていた膝から顔を上げた。と、唐突に、仁の数倍はありそうな金色のライオンがスフィンクスのように横たわってこちらを見ているのに気づいた。
(君は)
ーボクハ、ナゴシ。
(!)
呼吸が止まった。それから突然、気を失う前の修羅場が蘇ってきた。
夜闇を疾走するバイク、追い込まれて走り続けている最中に割り込んできた、青白く燃え盛る容赦のない殺意の鞭。
逃げて逃げて逃げ続けて。
鞭をかわすたびに周囲のバイクが炎に巻かれる。火柱になり、炎上し、その中で絶叫が、悲鳴が、炎の渦と一緒に天空へ駆け上がっていく。
仁には何もできない。より酷い結末、より救いのない破滅を防ぐために、炎と血飛沫の中を速度を上げて駆け抜ける。
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登録日 2017.01.28 16:04
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