『朱の狩人』5.取り戻せないI LOVE YOU(1)アップ
「仁?」
ドアの外から母親の呼ぶ声が響いた。机に向かってボールペンを動かしていた仁は、我に返って顔を上げた。
「もう7時半よ、起きてるの?」
神経質な声が繰り返す。
「おかあさん、もう行かなくちゃならないからね」
仁は立ち上がった。一瞬くら、と揺れた視界に目を閉じ、机の端を掴んで体を支える。
「仁、聞こえてるの」
机を離れ、1枚の紙を手にして部屋の扉を開けた。外にいた母親がびくっと体を引く。
「なあに、起きてるなら返事しなさいよ、夏期講習、今日もあるんでしょ」
仁は苦笑いして、そっと喉に手を当ててみせ、口を動かした。
『声、出ない』
「え?」
戸惑ったような、困ったような表情が母親の顔を掠めた。
ドアの外から母親の呼ぶ声が響いた。机に向かってボールペンを動かしていた仁は、我に返って顔を上げた。
「もう7時半よ、起きてるの?」
神経質な声が繰り返す。
「おかあさん、もう行かなくちゃならないからね」
仁は立ち上がった。一瞬くら、と揺れた視界に目を閉じ、机の端を掴んで体を支える。
「仁、聞こえてるの」
机を離れ、1枚の紙を手にして部屋の扉を開けた。外にいた母親がびくっと体を引く。
「なあに、起きてるなら返事しなさいよ、夏期講習、今日もあるんでしょ」
仁は苦笑いして、そっと喉に手を当ててみせ、口を動かした。
『声、出ない』
「え?」
戸惑ったような、困ったような表情が母親の顔を掠めた。
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登録日 2017.01.30 00:47
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