『朱の狩人』6.Deep River (2)アップ
唾を呑み込み、急ぎ足にベルが鳴る部屋を探し始める。すぐ近くで鳴っていると思っていたのに、ベルの音はなぜかどんどん離れて移動していくように思える。いや、間違いない。ほとんど途切れないほどの微妙な間隔である部屋で鳴ったかと思うと、すぐ隣の部屋でまた鳴り始める。そうして仁を少しずつ導いて行く。
やがて、ベルの音は動かなくなった。
何のことない、さっき仁が飛び出した部屋、城崎の居た部屋だ。
仁はじっとドアを凝視した。部屋の中にはもう誰も居ない。城崎も紺野の部屋に向かったのだろう。ノブを回して部屋の中に滑り込む。デスクの上で、電話はけたたましく仁を呼び続けている。
受話器を取り上げ、おそるおそる耳に当てる。
『浅葱仁ね』
(『狩人』!)
受話器の向こうで少女の艶やかな声が響いた。硬直する仁に、少しのためらいもなく、
『会いたいわ』
甘えるように続けた。
やがて、ベルの音は動かなくなった。
何のことない、さっき仁が飛び出した部屋、城崎の居た部屋だ。
仁はじっとドアを凝視した。部屋の中にはもう誰も居ない。城崎も紺野の部屋に向かったのだろう。ノブを回して部屋の中に滑り込む。デスクの上で、電話はけたたましく仁を呼び続けている。
受話器を取り上げ、おそるおそる耳に当てる。
『浅葱仁ね』
(『狩人』!)
受話器の向こうで少女の艶やかな声が響いた。硬直する仁に、少しのためらいもなく、
『会いたいわ』
甘えるように続けた。
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登録日 2017.02.03 19:10
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