『緑満ちる宇宙』第3章 出会い(1) アップ。
きり。
総合人事部、カナン・D・ウラブロフの時間が取れるのを隣の部屋で待ちながら、サヨコは奥歯がどんどん擦り減っていくような気がした。噛みしめるたびに、ぎしぎしした感触がひどくなる。それにも増して、力を込めて硬直させた体が、ぐいぐい内側へ締まり続けていく。
宇宙ステーション、『新・紅』への出向は事実だった。
サヨコの訴えに、フィスはカナンが決めたことだからといって取り合ってくれず、とうとう思い詰めて、サヨコは総合人事部までやってきてしまった。
カナンに面会を頼んだ瞬間から、この一室で待たされている数十分間、サヨコは後悔し続けている。
切れ者と名高いカナンが、一度下した決定をサヨコごときの抗議で変えるはずはない。フィスにもそう言われたのに、サヨコはここへ来てしまった。
理由はただ1つ、宇宙へ出たくない、それだけだ。
4歳の体験の恐怖からだけではない。
(本当は…)
総合人事部、カナン・D・ウラブロフの時間が取れるのを隣の部屋で待ちながら、サヨコは奥歯がどんどん擦り減っていくような気がした。噛みしめるたびに、ぎしぎしした感触がひどくなる。それにも増して、力を込めて硬直させた体が、ぐいぐい内側へ締まり続けていく。
宇宙ステーション、『新・紅』への出向は事実だった。
サヨコの訴えに、フィスはカナンが決めたことだからといって取り合ってくれず、とうとう思い詰めて、サヨコは総合人事部までやってきてしまった。
カナンに面会を頼んだ瞬間から、この一室で待たされている数十分間、サヨコは後悔し続けている。
切れ者と名高いカナンが、一度下した決定をサヨコごときの抗議で変えるはずはない。フィスにもそう言われたのに、サヨコはここへ来てしまった。
理由はただ1つ、宇宙へ出たくない、それだけだ。
4歳の体験の恐怖からだけではない。
(本当は…)
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登録日 2017.02.06 01:34
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