妹ばかり~ おまけのおまけ※全没(2)
森での密談を終え、急ぎ帰った部屋の中。
ヴォルフは資料に埋もれる恋人を前に立ち尽くしていた。
「――か、勝手にヴォルフ様の書類を見てごめんなさい! お、怒っていらっしゃいます……よね……?」
目の前では、資料を抱えたアネッサが頭を下げている。
無言のまま威圧感を放つヴォルフを前に、気の毒なほどに怯えているが、今の彼は優しい言葉をかけられそうにない。
怒っているかどうかで言えば、彼は怒っている。
だが、その怒っている事実を認めるわけにはいかない。
だって、どんな理由で腹を立てられると言うのだろう。
――君が俺より仕事ができるのが悔しいから?
だから、こっそり追い抜かそうと勉強していたのに。君がますますできるようになったら意味がないだろう――なんて。
言えるはずがない。
認められるはずがない。
ただでさえ自尊心の強いヴォルフなのだ。
そんな恥ずかしくて情けないことを、よりによって好きな女の前で白状できるわけがない。
――く、くそ……! この……!
小娘、とも言えず、ヴォルフはやりきれない感情を噛み殺す他にない。
表情だけは取り繕い、にこりと笑みを浮かべるが――。
荒れる内心を隠した凄惨な笑みは、かえってアネッサを怯えさせてしまったようだ。
彼女は資料を胸に抱き、必死の目をヴォルフに向ける。
ヴォルフは資料に埋もれる恋人を前に立ち尽くしていた。
「――か、勝手にヴォルフ様の書類を見てごめんなさい! お、怒っていらっしゃいます……よね……?」
目の前では、資料を抱えたアネッサが頭を下げている。
無言のまま威圧感を放つヴォルフを前に、気の毒なほどに怯えているが、今の彼は優しい言葉をかけられそうにない。
怒っているかどうかで言えば、彼は怒っている。
だが、その怒っている事実を認めるわけにはいかない。
だって、どんな理由で腹を立てられると言うのだろう。
――君が俺より仕事ができるのが悔しいから?
だから、こっそり追い抜かそうと勉強していたのに。君がますますできるようになったら意味がないだろう――なんて。
言えるはずがない。
認められるはずがない。
ただでさえ自尊心の強いヴォルフなのだ。
そんな恥ずかしくて情けないことを、よりによって好きな女の前で白状できるわけがない。
――く、くそ……! この……!
小娘、とも言えず、ヴォルフはやりきれない感情を噛み殺す他にない。
表情だけは取り繕い、にこりと笑みを浮かべるが――。
荒れる内心を隠した凄惨な笑みは、かえってアネッサを怯えさせてしまったようだ。
彼女は資料を胸に抱き、必死の目をヴォルフに向ける。
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登録日 2020.03.01 17:44
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