『桜の護王』10.直面(ひためん)(12)アップ。
「二度と…会えへん」
そっと洋子の体を離す。今度は優しい切ない瞳で洋子をじっと覗き込んだ。
「ここにいるあんたには……もう…会えへんのや……そう思たら……」
くす、と自嘲気味に笑ってみせる。
「なんか……狂いそうに……なった」
眉をひそめた泣き笑いのような表情は、それもまたさきほどの夢と重なっている。ふいと不安定な揺らぎが洋子の胸の奥に生まれたが、続いたことばに溶けるように消えた。
「もう……二度と会えへんかもしれへん……今すぐにも……ちょっと先にかもしれへん……そんなん思たら…体裁なんて構てられへんやんか……なあ? そやし…」
護王は目を伏せた。細められた瞳の奥にゆらゆらと炎が立ち上がる。
「なあ……キスして…? 俺もあんたも…今しか一緒にいられへんかもしれへんやろ?…」
甘えた声でねだって、そっと顔を寄せてくる、その護王を拒む余裕は洋子にはない。ゆっくりと力がこもってくる腕に身を委ねて、洋子の唇を待ちかねて開く、淡い色の花弁に口を寄せる。
(今しか一緒にいられない)
妙に胸を騒がせるそのことばを、洋子は胸に深くしまい込んだ。
そっと洋子の体を離す。今度は優しい切ない瞳で洋子をじっと覗き込んだ。
「ここにいるあんたには……もう…会えへんのや……そう思たら……」
くす、と自嘲気味に笑ってみせる。
「なんか……狂いそうに……なった」
眉をひそめた泣き笑いのような表情は、それもまたさきほどの夢と重なっている。ふいと不安定な揺らぎが洋子の胸の奥に生まれたが、続いたことばに溶けるように消えた。
「もう……二度と会えへんかもしれへん……今すぐにも……ちょっと先にかもしれへん……そんなん思たら…体裁なんて構てられへんやんか……なあ? そやし…」
護王は目を伏せた。細められた瞳の奥にゆらゆらと炎が立ち上がる。
「なあ……キスして…? 俺もあんたも…今しか一緒にいられへんかもしれへんやろ?…」
甘えた声でねだって、そっと顔を寄せてくる、その護王を拒む余裕は洋子にはない。ゆっくりと力がこもってくる腕に身を委ねて、洋子の唇を待ちかねて開く、淡い色の花弁に口を寄せる。
(今しか一緒にいられない)
妙に胸を騒がせるそのことばを、洋子は胸に深くしまい込んだ。
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登録日 2016.09.13 21:48
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