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先のない男
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目が覚めると、見知らぬ部屋のベッドの上だった。
両手がベッドに繋がれていて、全裸だった。
何で俺はこんな目に遭いがちなんだろうか。
けっこう真面目に生きてきたつもりなんだが。
すると、離れたところから話しかける声がした。
「起きたか。」
声がした方を見ると、革張りのでかいソファに腰掛けた男が手にしたワイングラスをテーブルに置いて、立ち上がって近づいてくるのが見えた。
男は既にバスローブ姿で、自分がのっぴきならない事態に陥っていることは明らかだった。
男はギシッと音を立てながらベッドサイドに腰掛けてこちらを見てきた。
少しチャラい感じだが彫りの深い美形で、カタギには見えなかった。
体の厚みや、背の高さなど、骨格が明らかにαのそれで、濡れたような切れ長の目が、男臭い色気を滲ませていた。
「名前、山岸だったよな?久しぶりだな。」
「いや、お前とは初対面だと思うが。」
「寂しいこと言うなよ。俺は鶴水の先輩だぞ?」
そんなことを言う男をまじまじと見てみたが、やはり分からなかった。
「俺が京極の指輪を奪うのをお前が邪魔した・・・って言えば分かるか?」
それを聞いた俺はあっと思った。
「もしかしてあの時の?高等部の先輩だった・・・
えーと・・・。それでこれはどういうことなんだ?」
「お前、俺の名前を思い出せなかっただろう。
佐竹だよ。お前に邪魔されたお陰であの後鶴水は退学させられた。実家は事業をたたんで一家離散だ。」
「のわりには羽振りが良さそうだが。」
見回した部屋はラグジュアリー感溢れる佇まいだ。
「まあな、金は稼げばいいだけだからな。だがαとしての先は見えてる。Ωと番うのは絶望的なんだ、京極に睨まれたからな。」
「・・・」
京極という名と、Ωと番うことの関連性が分からない俺は奴の話を黙って聞いていた。
「お前、Ωになったんだってな。
しかも京極正臣の番だって?
それ聞いたとき、お前らにやり返すチャンスだと思ったよ。」
切れ長の目を仄暗く揺らして俺を見ながら奴は話す。
「お前をレイプして、画像を奴に送りつけてやるよ。
用済みになったらどっか山に埋めてやる。
元土建屋なんだ、そんなの簡単だぜ。」
そういえば、かつて中堅ゼネコンの一角に、佐竹建設という名を聞いたことがある気がした。こいつの話によると倒産したんだろうか。
「改めてお前、Ωにゃ見えねぇなぁ。
でも、逆に背徳感があって良いな。体も良い。
変な扉を開きそうだぜ。」
そんなことを言いながら、奴の指がいきなりケツに入ってきた。
「かてぇな。これも拒絶反応って奴か?」
ごく浅い辺りで奴の指がしつこく蠢いていたが、
「・・・うん?あぁ、やっぱりこれはΩの体だ。
ほら、拒絶していても少し濡れてきた。
体を守るための反応か?」
浅く指を挿出入しながら楽しそうな声が聞こえた。
俺はひたすら不快感に耐えて目をつぶっていた。
「お前、なんか良いな。そそるよ。
決めた。お前は俺が飽きるまでここで飼ってやる。」
体の隅々を確認するように奴の手が這い回る。
陰茎を握り、乳首を擦り、脇腹を撫で上げて。
奴に触られるたびに全身に鳥肌がたち、吐き気でえずきそうになる。
これも拒絶反応なのか・・・本番じゃなくてこれか。これはまずいんじゃないか・・・
両手がベッドに繋がれていて、全裸だった。
何で俺はこんな目に遭いがちなんだろうか。
けっこう真面目に生きてきたつもりなんだが。
すると、離れたところから話しかける声がした。
「起きたか。」
声がした方を見ると、革張りのでかいソファに腰掛けた男が手にしたワイングラスをテーブルに置いて、立ち上がって近づいてくるのが見えた。
男は既にバスローブ姿で、自分がのっぴきならない事態に陥っていることは明らかだった。
男はギシッと音を立てながらベッドサイドに腰掛けてこちらを見てきた。
少しチャラい感じだが彫りの深い美形で、カタギには見えなかった。
体の厚みや、背の高さなど、骨格が明らかにαのそれで、濡れたような切れ長の目が、男臭い色気を滲ませていた。
「名前、山岸だったよな?久しぶりだな。」
「いや、お前とは初対面だと思うが。」
「寂しいこと言うなよ。俺は鶴水の先輩だぞ?」
そんなことを言う男をまじまじと見てみたが、やはり分からなかった。
「俺が京極の指輪を奪うのをお前が邪魔した・・・って言えば分かるか?」
それを聞いた俺はあっと思った。
「もしかしてあの時の?高等部の先輩だった・・・
えーと・・・。それでこれはどういうことなんだ?」
「お前、俺の名前を思い出せなかっただろう。
佐竹だよ。お前に邪魔されたお陰であの後鶴水は退学させられた。実家は事業をたたんで一家離散だ。」
「のわりには羽振りが良さそうだが。」
見回した部屋はラグジュアリー感溢れる佇まいだ。
「まあな、金は稼げばいいだけだからな。だがαとしての先は見えてる。Ωと番うのは絶望的なんだ、京極に睨まれたからな。」
「・・・」
京極という名と、Ωと番うことの関連性が分からない俺は奴の話を黙って聞いていた。
「お前、Ωになったんだってな。
しかも京極正臣の番だって?
それ聞いたとき、お前らにやり返すチャンスだと思ったよ。」
切れ長の目を仄暗く揺らして俺を見ながら奴は話す。
「お前をレイプして、画像を奴に送りつけてやるよ。
用済みになったらどっか山に埋めてやる。
元土建屋なんだ、そんなの簡単だぜ。」
そういえば、かつて中堅ゼネコンの一角に、佐竹建設という名を聞いたことがある気がした。こいつの話によると倒産したんだろうか。
「改めてお前、Ωにゃ見えねぇなぁ。
でも、逆に背徳感があって良いな。体も良い。
変な扉を開きそうだぜ。」
そんなことを言いながら、奴の指がいきなりケツに入ってきた。
「かてぇな。これも拒絶反応って奴か?」
ごく浅い辺りで奴の指がしつこく蠢いていたが、
「・・・うん?あぁ、やっぱりこれはΩの体だ。
ほら、拒絶していても少し濡れてきた。
体を守るための反応か?」
浅く指を挿出入しながら楽しそうな声が聞こえた。
俺はひたすら不快感に耐えて目をつぶっていた。
「お前、なんか良いな。そそるよ。
決めた。お前は俺が飽きるまでここで飼ってやる。」
体の隅々を確認するように奴の手が這い回る。
陰茎を握り、乳首を擦り、脇腹を撫で上げて。
奴に触られるたびに全身に鳥肌がたち、吐き気でえずきそうになる。
これも拒絶反応なのか・・・本番じゃなくてこれか。これはまずいんじゃないか・・・
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