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第二部 魔法使い、双子の悪魔との日々
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バチバチと両間で見えない火花が飛び散り、近くを通り掛かった人間が不思議そうに見てくる。ローブを深く被り直しながらヨルに背を向ける形で本棚の前に立つ。
「リュシーの事を考えていると色んな感情が湧いてくる。一緒にいられて嬉しい、ずっと一緒にいたい、何処にも行かないでずっとあの場所で三人で暮らしたい、誰にもリュシーに触れさせたくない.....って」
出会って半年しか経っていないが、そんなの関係ないくらいにリュシーを側で見てきた。
最初は半信半疑で、でも頼る術がこれしかないのならという藁にもすがる思いでリュシーの家に留まる事を決めた。でも、リュシーはいつだって笑顔で俺達に接してくれる。強い魔法使いである彼ならとっくに俺達が悪魔族だって気付いている筈なのに。
「悪魔なのに、こんな気持ちになるのって俺はおかしいのか」
.....いや、悪魔とか関係なく、リュシーに対してだけこんな風に思ってしまうのだ。他の人間に対しては何の感情も湧かない。ただ、リュシーに気安く触れた今日みたいな人間は殺したくなるが。
「──本来、俺達悪魔族は感情なんて持つべきじゃない。常に冷静で自己の利益だけを追求する生き物だ」
パタンッと読んでいた本を閉じてこちらを見つめてくるヨル。自分の言いたい事が分かるのか、それともこの気持ちを馬鹿にするのか──反応を身構えていると、何とも言えない複雑な表情で俺を見つめてきた。
「リュシーといると腹が立つ。お前みたいな、そんな生温い感情は抱いていない。でも俺はリュシーの事が嫌いな訳ではない。確かな事は.....リュシーが自分達以外に笑い掛けているのを見ると.....その相手を殺したくなる事くらいだ」
俺よりよっぽどヨルの方が怖い。
やっぱり、こいつの方が悪魔って感じだ。
『あたたかい』感情、純粋な相手からの好意を受け止めきれず心の中で反発してしまう。
ヨルの震える声を聞いて、それ以上追及する事をやめた自分は「ふん」と鼻を鳴らして再び背を向ける。
「とにかく、これ以上は変にリュシーの周辺を弄らない方がいいな。俺達の考えている事がバレてしまう」
「ブローチ迄買っておいてよく言う」
「ヨルだって魔力吹き込んでただろ!」
ギャーギャー言い合いをしながら揉めていたその時。
ドサッと何かが尻餅をつく音が響き、二人同時に顔を上げる。視線の先には同い年位の見た目の女が呆然と俺達を見上げていた。どうやら、知らない内にぶつかって転けてしまったらしい。
「大丈夫?怪我していない?」
「は、はい.....大丈夫です」
ヨルのキラキラ外面スマイルにころっと笑顔になる彼女。こいつ.....さっき迄あんな顔で俺に楯突いていたくせに。人間の手なんて触りたくもないだろうに、ヨルは真摯な態度で彼女に接する。
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やっぱり、こいつの方が悪魔って感じだ。
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