【第1章完】ゲツアサ!~インディーズ戦隊、メジャーへの道~

阿弥陀乃トンマージ

文字の大きさ
6 / 50
第1章

第2話(1)お泊り会

しおりを挟む
                  2

「という訳でさ……」

「ああ……」

「連絡先も交換したわけで……」

「うむ……」

「今度はアタシの部屋でお泊り会をしなくちゃね~」

「お、お泊り会って! ま、まさか泊まって行く気か⁉」

「うん!」

 凛が力強く頷く。ポニーテールが縦に揺れる。

「い、一点の曇りもない眼!」

 輝が眩しそうに眼を逸らす。

「今後としての方針を確認したいし……」

「ほ、方針ってなんだ?」

「いや、同じ戦隊なんだし……」

「同じ戦隊って⁉」

「うん」

「そんなこといつ決まった?」

「さっき」

「さっき⁉」

「言ったじゃん」

「了解はしていないぞ!」

「え~」

 凛はぷうっと頬を膨らます。

「え~じゃなくてだな……」

 輝が頭を掻く。

「それじゃあ代わりにさ……」

「代わりに?」

「アタシはeスポーツチームを立ち上げようと思うんだ」

「あ、ああ……」

「それについてのミーティングをしようか」

「同じことじゃないか!」

「え?」

「え?じゃない! 大体なんでお前のeスポーツチームにわたしが関係あるんだ⁉」

「え~だって輝っちが言い出しっぺじゃん」

「あくまでも提案しただけだ! あと輝っちってなんだ⁉」

「あだ名」

「それは分かるが!」

「だってさ、所属チーム決まっていないんでしょう?」

「ああ、そうだな……」

「もうアタシのところで良いじゃない」

「良くはないだろう!」

「FPS・TPS部門は任せるから」

「一人しかいないのに部門も何もあるか!」

「そうか、分かったよ……」

「ええ……?」

 凛が輝の左肩にポンと手を置く。

「輝っちには我がチームのアンバサダーをお願いするよ」

「いらん!」

 輝は肩を突き上げ、凛の手を払う。凛が首を傾げる。

「え~ダメ?」

「肩書の問題じゃない! 大体、アンバサダーとか曖昧だろう!」

「バレたか……」

 凛が舌を出す。

「バレるわ!」

「う~ん、でもさ~」

 凛が首を傾げる。

「……なんだ?」

「同じようなコントローラーとコネクターが送られてきたわけじゃない?」

「!」

「これはなにかあると思うんだよ」

「まあ、それは確かにあるかもな……」

 輝が腕を組む。

「でしょ? きっと前世からの運命的なやつがさ~」

「そこまで大げさなものじゃないだろう」

「え~そうかな?」

 凛がガッカリする。

「そうだ。何らかの作為的なものは感じるが……」

「それで思ったんだけどさ……戦隊って5人くらいでしょ?」

「例外もあるにはあるが、まあ、それくらいだな……」

 輝が頷く。凛がパッと顔を明るくする。

「つまりだよ!」

「さっきから声が大きいな……近所迷惑だ!」

 輝が凛を注意する。

「え~輝っちの方が叫んでいると思うけど……」

「誰が叫ばせているんだ、誰が……!」

「とにかくアタシらの他に後3人はいるってことだよ」

 凛が指を三本立てる。

「む……」

「そう思わない?」

「いや……案外2人だけかもしれんぞ」

「ええっ⁉ ……まあ、それはそれで良いか」

「良いのか⁉」

「目立つじゃん、この戦隊ヒーロー飽和時代にさ」

「そういう目立ち方は嫌だな……」

 輝が苦笑する。凛が勝手に話を進める。

「2人だとコミュニケーションは取りやすいと思うけどね」

「既に大変なのだが?」

 輝が凛をジト目で見つめる。凛が首を捻る。

「2人だとマズいことある?」

「純粋に戦力が不足気味だろう」

「あ、そうか……やっぱり後3人を探した方が良さそうだね……」

「どうやって探すんだ?」

「そりゃあ、SNSでさ」

 凛が輝の端末を掲げる。輝が慌てる。

「ま、待て! 何を人のアカウントで発信しようとしているんだ⁉」

「いや~自分のアカウントだとさすがにちょっと恥ずかしいし……」

「人のでやるな、乗り気なのはお前の方だろうが!」

「う~ん、別アカウントを作るか~」

「ああ、まあ、それが無難じゃないか……」

「えっと……『夕餉戦隊エキセントリックフィフス』……」

「『遊戯戦隊エレクトロニックフォース』だ! 全部間違っている!」

「……まあ、その辺は追々考えようか?」

「飽きるの早いな! っていうか帰れ!」

「だって、もう終電終わってるし……」

「む……し、仕方がないな、今回だけだぞ? 私は明日早いから……」

「よっし、『金鉄』の99年モードで対決しよう♪」

「全然寝る気無いだろう!」

 輝の声が虚しく響く。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!

オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ランの父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリーだった。 ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。 学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。 当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。 同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。 ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。 そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。 まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。  その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。 こうしてジュリーとの同居が決まった。 しかもジュリーの母親、エリカも現われ、ランの家は賑やかになった。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

ちょっと大人な物語はこちらです

神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な短編物語集です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...