ボクは転生者!塩だけの世界で料理&領地開拓!

あんり

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第1章 カイト、五歳までの軌跡

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(シャドー)
ハーレン団長がカイト様を連れて軍馬で森へ向かわれた。
少し、遅れをとったが私の瞬足も中々なもの。森へ入って、軍馬の蹄の後を追う。
蹄はまっすぐ国境に向かっているようだ。 

そのまま行くとケンブルクだぞ。

ハーレン団長は何を考えている?
王宮の方向はここではないぞ。
違う、違う、そっちじゃないと言えたらどんなにいいかと思いながら、影は言葉を発せないのがもどかしい。

森の木々の合間を走るから、軍馬もそう早く走れないのだろう。

私の俊足を持って行けばしばらくして追いつく事が予想できた。

私は私のもうひとつの能力を発動させたままその精度をあげる。

(集音LvUP)

案の定、追いつくことが出来そうだと聞こえてくる音で判断できる。

でも、なんだ?先の方で獣の雄叫びが聞こえる。ここにはいないはずの魔物!ん?ベアか?

やつらは番で行動するからな、まあ、王都騎士団長であるハーレン団長がいるんだ、大丈夫だろうとは思うが、2頭相手は少し困難かもしれん。

ただ、やつらに2頭同時に襲われることは無い。やつらは1頭で相手を攻撃し、もう1頭は隠れてやがる。
1頭が倒された場合、倒した相手が油断する、その油断した隙をもう1頭が襲うのだ。その特性をハーレン団長が知っているといいが。

あとは?また別の魔物が来たのか?
唸り声、走る足音、狼か?ダークウルフなのか?

さすがのハーレン団長だけでは、太刀打ちするには厳しいものがあるかもしれん。

かなりの距離奥の方から微かに聞こえてきた色々な音がだんだん聞こえるようになってきた。

おかしいぞ。魔物退治をしているのはハーレン団長だけじゃないのか?
魔物はベアとダークウルフのようだ。私の耳にはもう1人、魔物と戦っている音が聞こえる。ハーレン団長と誰かが魔物と戦ってる?

おっと、急に静かになったから戦闘が終わったのか。少し安堵したものの、また緊張感が高まる。

まずいな、この歌、この足音は、ゴリランの群れだぞ。あっという間に囲まれたか?

ズン!ズンズン!ズンズン!ウッホッホッ!

やっぱりだ、ゴリランに囲まれたのか?まずいぞ、あいつら歌が終わると人を襲うからな。急がねば!

なぜか耳に残るぞ?この歌とリズム。

私は気配を消してその場に近づいた。

なっ!

思わず声を出しそうになった。
ハーレン団長.........なに踊ってんだ。
カイト様まで。
なんならカイト様、なんか楽しいのか?

おかしい、気配を消してもりだが、私のいる場所を睨んでいる、一際ひときわでかいあのゴリラン。気づかれたか?

なんだ?私にもやれと言っているのか?

私は影なのに、影のまま、あれをやれというのか?

やるしかないのか?やらなければ、ハーレン団長も、なによりカイト様に影響があるかもしれない。

だから、やるしかない。

あのボスゴリランの目線が私に向いている限り、やらねばならない。

私は影のまま、ひとり、あのズンズンダンスをさせられたのだ。
うん、うん、そうだ、そうだと言っているのか?ボスゴリランよ?

違う、違う、いや、そうじゃない。
楽しくなんかない。

ふー、なんとか踊り終わったようだ。
羞恥心も少し落ち着いた頃、ゴリランが話し出した。

なんだ、お前、喋れたんか?

カイト様は楽しそうにボスゴリランと話しているが、ハーレン団長はなんか魂がどっかに行ったような、そんな顔をしている。

私はハーレン団長に少しだけ仲間意識が芽生えた。

王太子妃と不貞を働いたのはいただけないが、なんか憎めない気がした。

しかし!私は王家の影!私の気持ちは抜きに、カイト様を見守らなければならない。だから、同情心や、仲間意識には蓋をして、ハーレン団長の行く先の確認、なぜケンブルクに向かっているのか?その目的はなんなのか?それを探らなければならない。
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