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第1章 カイト、五歳までの軌跡
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(カイトとハーレン団長)
「そこで何をしているかは……、まあ、いい。」
あの人、ハーレン団長にいきなり矢を放ったんだ、
なんなの?許さないぞ!!
ハーレン団長がボクを後ろに匿ってくれてるけど、気になって仕方がない。
「随分遅かったじゃないか?ハーレンさんよ、俺たちはだいぶ待ちくたびれたんだが?」
ん?待ち合わせ?ハーレン団長、この人達と?
だれ?この人たち。
マーシュ領の騎士じゃない、甲冑も違うしっ!
イスカダルのどこかの領の兵士…?
見た事ないよ。だれ?
「遅れたのは悪かったが、歓迎のプレゼントとしては、これはまた手酷いな。私はそっちの国でいずれは貴族なんだが?」
えっ…………?
そっちの国?いずれ貴族?
ハーレン団長は、イスカダル国第二騎士団長じゃないの!?
え?二重国籍ってこと?え?え?
そっちの国って?――まさか亡命?
「あー、悪いな。そいつは嘘だ。それはそのガキを連れてきてもらうための“嘘”だ。」
え?………“嘘”…………?
ボクを連れていくため?
ハーレン団長が、………ボクを嵌めたの?
裏切られたの?
そんなはずないよね?ハーレン団長?
ねぇ、嘘だよね?――違うって言って。
ツーーーッ………。
くそっ。罠だったというのか?
「嘘、ねぇ。」
ハーレン団長は、低く呟いた。
――戦うか?
しかし、弓矢を使うとは厄介だ。
どうする?……………どうすれば?
なら、――利用させてもらおう。
こいつらを、私の“保守”のために。
「ああ、残念だったな。ハーレンさんよ、あんたにはここで死んでもらう。せいぜいあんたの運がなかったとこを恨むんだな」
私は死ぬつもりはない。
「お前たち、ケンブルクの兵士だな。観念するから最後に教えてくれ」
下品にゲラゲラ笑ってる。
その余裕が胸糞悪い。
私は背後に隠しているカイト様を、私の陰謀に巻き込んでしまった。
だが、――裏切るのは向こうが先だ。
私も、向こうを裏切るだけだ。
この子は、絶対に渡さない。
ケンブルクには。
今日1日で、私はこの子にすっかり絆されてしまった。認める。
迷っていたのも確かだ。
――この子を本当に渡していいのか、と。
この子は、私たち凡人がなし得なかった事をしたんだ。
ゴリランと踊ったし、攻撃もされなかった。
チョーロという名の老いたゴリランを救った。
そんな有り得ない状況に怯えることも無かった、普通はこんな状況、幼児なら泣くだろ?
この子は特別で、そして“別格”だ。
「さあ、お話はここで終わりだ。ハーレンさん、その子を渡してもらおう」
ケンブルク兵士のニヤケた顔が、不気味で腹立たしい。
「嫌だ、って言ったら?」
「それならハーレンさんを始末するだけだ。殺されたくなかったら子どもを渡せ」
うわっ。……………………嫌だっ!
ボクは思わずハーレン団長の上着の裾をギュって握った。
その瞬間、私に刺さっている矢が引かれて、痛みが走った。
「………………ツッ!」
そんな時、目の前の男がスーッと手を挙げて合図をする。
「危ないっ」
四方から、無数の矢が飛んでくる。
私は即座に剣で叩き落とす。
後ろから聞こえる幼い声。
「えいっ、えいっ――えいっ」
同時に、キンッ、キンッ、キーンッ。
カイト様も戦ってる――!
互角に見えた剣さばきも、次第に厳しくなる。
右肩に刺さる矢が、剣を振るうたびに私の傷を容赦なく抉る。
ッ…………!
肉の間から血が散り、視界が揺れる。
もう、限界かもしれない。
そして――複数の矢が、こちらに放たれたのが見えた。
私は咄嗟に、私の後ろにいる小さな戦士に覆い被さる。
ドスッ、ドスッ、ドスッ!
背中に、矢が深々と刺さる。
「カイト様、……巻き込んでしまい、申し訳ございません。私が愚かでした。いいですか?今から言うことを………聞いて下さい。」
「やだやだ、ハーレン団長っ、頑張って!一緒に、あの悪い奴らをやっつけようよ。頑張って………ねぇ、しっかりして」
ボクはパニックだ。けど、どこか冷静だった。
お前たち、――許さないぞ。
「そこで何をしているかは……、まあ、いい。」
あの人、ハーレン団長にいきなり矢を放ったんだ、
なんなの?許さないぞ!!
ハーレン団長がボクを後ろに匿ってくれてるけど、気になって仕方がない。
「随分遅かったじゃないか?ハーレンさんよ、俺たちはだいぶ待ちくたびれたんだが?」
ん?待ち合わせ?ハーレン団長、この人達と?
だれ?この人たち。
マーシュ領の騎士じゃない、甲冑も違うしっ!
イスカダルのどこかの領の兵士…?
見た事ないよ。だれ?
「遅れたのは悪かったが、歓迎のプレゼントとしては、これはまた手酷いな。私はそっちの国でいずれは貴族なんだが?」
えっ…………?
そっちの国?いずれ貴族?
ハーレン団長は、イスカダル国第二騎士団長じゃないの!?
え?二重国籍ってこと?え?え?
そっちの国って?――まさか亡命?
「あー、悪いな。そいつは嘘だ。それはそのガキを連れてきてもらうための“嘘”だ。」
え?………“嘘”…………?
ボクを連れていくため?
ハーレン団長が、………ボクを嵌めたの?
裏切られたの?
そんなはずないよね?ハーレン団長?
ねぇ、嘘だよね?――違うって言って。
ツーーーッ………。
くそっ。罠だったというのか?
「嘘、ねぇ。」
ハーレン団長は、低く呟いた。
――戦うか?
しかし、弓矢を使うとは厄介だ。
どうする?……………どうすれば?
なら、――利用させてもらおう。
こいつらを、私の“保守”のために。
「ああ、残念だったな。ハーレンさんよ、あんたにはここで死んでもらう。せいぜいあんたの運がなかったとこを恨むんだな」
私は死ぬつもりはない。
「お前たち、ケンブルクの兵士だな。観念するから最後に教えてくれ」
下品にゲラゲラ笑ってる。
その余裕が胸糞悪い。
私は背後に隠しているカイト様を、私の陰謀に巻き込んでしまった。
だが、――裏切るのは向こうが先だ。
私も、向こうを裏切るだけだ。
この子は、絶対に渡さない。
ケンブルクには。
今日1日で、私はこの子にすっかり絆されてしまった。認める。
迷っていたのも確かだ。
――この子を本当に渡していいのか、と。
この子は、私たち凡人がなし得なかった事をしたんだ。
ゴリランと踊ったし、攻撃もされなかった。
チョーロという名の老いたゴリランを救った。
そんな有り得ない状況に怯えることも無かった、普通はこんな状況、幼児なら泣くだろ?
この子は特別で、そして“別格”だ。
「さあ、お話はここで終わりだ。ハーレンさん、その子を渡してもらおう」
ケンブルク兵士のニヤケた顔が、不気味で腹立たしい。
「嫌だ、って言ったら?」
「それならハーレンさんを始末するだけだ。殺されたくなかったら子どもを渡せ」
うわっ。……………………嫌だっ!
ボクは思わずハーレン団長の上着の裾をギュって握った。
その瞬間、私に刺さっている矢が引かれて、痛みが走った。
「………………ツッ!」
そんな時、目の前の男がスーッと手を挙げて合図をする。
「危ないっ」
四方から、無数の矢が飛んでくる。
私は即座に剣で叩き落とす。
後ろから聞こえる幼い声。
「えいっ、えいっ――えいっ」
同時に、キンッ、キンッ、キーンッ。
カイト様も戦ってる――!
互角に見えた剣さばきも、次第に厳しくなる。
右肩に刺さる矢が、剣を振るうたびに私の傷を容赦なく抉る。
ッ…………!
肉の間から血が散り、視界が揺れる。
もう、限界かもしれない。
そして――複数の矢が、こちらに放たれたのが見えた。
私は咄嗟に、私の後ろにいる小さな戦士に覆い被さる。
ドスッ、ドスッ、ドスッ!
背中に、矢が深々と刺さる。
「カイト様、……巻き込んでしまい、申し訳ございません。私が愚かでした。いいですか?今から言うことを………聞いて下さい。」
「やだやだ、ハーレン団長っ、頑張って!一緒に、あの悪い奴らをやっつけようよ。頑張って………ねぇ、しっかりして」
ボクはパニックだ。けど、どこか冷静だった。
お前たち、――許さないぞ。
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