婚約者は嘘つき!私から捨ててあげますわ

あんり

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11.アダム様と初登校

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翌朝、何故か玄関にアダム様。
あら、どうしたのかしら?
昨日、なにか忘れ物して、それを取りにいらしたのかしら?変ね、そのようなものあったかしら?

「エリッサ、おはよう」

ご挨拶は大事ね。

「おはようございます、アダム様」

「ツッ、んんん、ああ」

ん?如何なさいましたの?
「昨日なにか忘れ物でもなさいましたの?」

「いや、忘れ物はしていない」

では、なんですの?もしかして、またかしら?昨日は勘違いだとおっしゃいますの?

「では、どうされたのです?」

「婚約者を迎えに来たのだが?」

なにニヤついているのかしら。
いやね、で?

「婚約者を、迎えに?あら、そうでしたの」

「俺の愛しい婚約者様、お迎えに上がりました。お手を」

私はまだ婚約者なのですね。
そういえばマーティン様は迎えの馬車の中で私をお待ちでしたわね。
馬車から降りてこうして迎えて貰うのは初めて…ですわね。

私の手を取り、馬車までエスコートしてくださるのね。

「お父様、お母様、行ってまいります」

「ああ、行ってらっしゃい、エリッサ。学園は賑やかだぞ」

お父様、今更何をおっしゃいますの?
でもそうね、授業以外は確かに賑やかね、だけど、それはいつもの事でしてよ。

「エリッサちゃん、前を向くのよ」

お母様、前を向かないと転びますわよ。
なんだかお父様も、お母様も当たり前のことをわざわざ言わなくてもいいと思うのよね。なにかしら?何かあるのかしら?

エスコートされる私。
アダム様が右腕を出されたから、私は左手でアダム様の腕を掴むの。
お父様とお母様との話が終わるとアダム様は左手で、アダム様に掴まる私の手の甲をトントンしてきたわ。
なんの合図かしら?
なにか意味があるのかしら?

レディファーストで先に私が馬車に乗り、お父様たちと少し会話をしてアダム様は馬車に乗り込んできたわ。

私の真向かいに腰掛けるアダム様。
右足を組んで、腕時計を確認してるわね。
伏せたまつ毛が長いわ。
鼻筋も通ってる、唇は少し薄めで口角が上がってますね。細い顎、眉毛も凛々しくて、オールバックに決めた髪型は昨日の幼さはないわね。なんだかあちこち見ちゃうわね。だってこんなにまじまじと見たことないもの。

キレイな顔してるわ。王妃様に似てるわね。中性的だけど、こう見えて喉仏は尖ってる。組んでる腕は筋肉の上に血管が浮きでてなんだかセクシーね。
こんな風になったのね、あの小さくて泣き虫だったアダム様。あの頃の面影はもうないのかしら?

「クックック」

あら?急に笑いだしたわ、頭大丈夫かしら?

「どうされたの?」

「いや、俺の婚約者様は、俺のことをものすごく熱心に熱い視線を送って見ているなぁと思ってさ」

え?私?熱い視線?

「私、熱い視線なんて送ってないわよ。ただ久しぶりにあなたを見て、成長したなーって思っていただけだわ」

「そう?わかった。それで?」

それで?それでの次は?ちゃんと続きを言葉で言わないと分からないわよ。

「成長した俺を見てなにか感じた?どう思った?もしかして、一夜にして俺に惚れたとか?」

それは無いですわ。けど、気になるのよ。
さっきから私、これが一番気になるわ。

「あのね、私気になるのよ」

「ああ」

「これって、寝癖?」

どうしたのかしら?顔がみるみる赤くなってきたわ。

「あー、決めてきたつもりだったのに、俺ってカッコ悪い」

そんなことありませんわ。ひよこのシッポみたいで可愛いって思いましたもの。

「そんなことありませんわ」
その後のひよこのシッポに似てるなんて思ったことはなんだか内緒にした方がいい気がしたので言わないでおくわ。

さぁ、学園に着きました。
アダム様の寝癖は先程グラスに入っていたお水で濡らして何とか直しました。

では、早速。
なんだかいつもより賑やかだわね。
そして、なんだか視線を感じるわ。
アダム様の人気がすごいのね。
私は日陰に徹しましょう。
それなのに。
先に下車したアダム様、馬車内にいる私に手を差し出してきたわ。
これはエスコート。
アダム様の手を取り、馬車を降りた私。

「「「「「「「「「きゃ~♡」」」」」」」」」

あら?いつもより騒がしいわね。
なぜかしら?
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