婚約者は嘘つき!私から捨ててあげますわ

あんり

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13. 見てしまったわ

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アダム様とわたくしが婚約をして2ヶ月が過ぎたわね。
初めは賑やかにしていた視線も最近は落ち着いたみたい。良かったわ、どこででも誰かに見られてるって疲れるますのよね。

アダム様は毎日送り迎えをしてくれます。
いつの間にか、馬車の中では向かいあわせから今では隣に座っているわね。狭い訳ではありません。
なぜでしょう、マーティン様が横に座るのは抵抗があったけれど、いとことかそんな効果があるのは分からないけど、アダム様が隣に居ても、大丈夫。

アダム様がわたくしの手をずっと手を握られていることも慣れてきました。



学園に到着し、教室に入り授業が始まりましたの。お昼休みに男子がアダム様になにか耳打ちしているわ。

「エリッサ、少し用事が出来たから先にレストランに行っててくれ」

私が承知すると、アダム様は伝言に来た男子と足早にどこかに行ったわ。何かあったのかしら?
気になったけども、あとから教えてもらえるはずだから、先にレストランに行くことにしたの。

教室を出て、左へ廊下を歩き、ドアを開けて、中庭を抜けていくとその先がレストランね。
レストランには、もうひとつ、教室を出て、右へ行き、廊下を歩くとレストランにつくようになっているの。私たちがいつも使うルート。

今日は晴れていて気持ちよさそうだから、いつもと違う中庭を通って行くことにしたの。

中庭の向こう側の端の方に少し隠れるようにアダム様の背中。
あら、ここにいらしたのねと私が声をかけようとした時ね、見てしまいましたの。

私はどうやら、心臓病の発作が起きてしまったようですね。胸が痛いです。
アダム様の目の前には女性がいらっしゃるわ。女性は泣いていらっしゃるみたい。
それを慰めているのか、アダム様が女性の肩に手を置いて、女性の顔を覗き込んでるの。

え?私、死ぬのかしら?胸が痛いわ。
それとアダム様、そこで何をしているのかしら?
今、アダム様、女性の顔に近ずいて行きますわ。あの二人、もしかしてキスをされるのかしら?

あの二人を見てはいけない気がして、その場を後にしましたわ。

その場を去る時、あの女性と目が合った気がしたのは気のせいかしら?

あら、あれはたしか?
ニースの丘でマーティン様と一緒にいらしたあの女性ではなくて?

あら、もしかして二股?

あら?これはこれから波乱万丈な事になるのかしら?

考えているの。私は思い出していたわ。
マーティン様と婚約している時、マーティン様からの「とても人気の劇だから見に行こう」と誘われ、見に行ったのが、たしか「ずっとあなたが好きだった」というタイトル、そんな劇がありましたわ。

愛する男女の、女性には親の決めた婚約者がいて、いくら愛し合っていても愛する人とは結婚はできない。けど離れたくはない。だから、婚約者がいながら、愛する男と逢瀬を重ねるの。ある時、恋人との逢瀬を婚約者に見られてしまうの。怒った婚約者は女性を追い詰めていくわ。そして急いで結婚を進めてしまうの。婚約者から夫になった男は、妻を監視するのよね。妻には愛されたくて夫は献身的に妻に愛を囁くの。

他の男に惚れた女に執着してどうなるの?
諦めて他の女性を探した方が良いのではなくて?

次々に湧き出てくる疑問にしんどくなってあとは無になりましてよ。

帰りの馬車の中でマーティン様が「エリッサ、最後夫が妻の背を押すんだ」
え?殺人事件でしたの?と内心で驚いていましたら「報われない夫は自分で身を引く決心をして、妻を、妻が愛する男のところにいけるように後押しするんだよ」なんて事だったわ。殺人事件でなくて安心しましたわ。

「あんな愛もあるんだね」なんて、愛するがゆえ妻として強引に手に入れた、しかし妻は恋人が忘れられない。妻が恋人を思っている、そこに邪魔なのは自分だと気づいたた夫は妻と別れた。妻の想い人に妻をたくして。

晴れて恋人同士に戻った2人。嬉しいはずなのに、何故か夫を思い出す。離れて気づく夫が自分を愛してくれたこと、大切にしてくれたこと。そしていつしか自分も夫を愛していたこと。

そうだったの?そのような内容だったの?なんかドロドロ過ぎて疲れてしまって頭にストーリーが入ってこなかったのよね。
馬車の中でマーティン様の話す劇の回想で理解したわ。
私には愛がなんなのか分からない話だって。私まだ恋してないもの。男女の愛なんて知らないもの。
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