昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件

マサタカ

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四章

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 吐いた。カラオケ中もお酒ガンガン飲みまくっていたせいで、トイレにこもった。その後、水を飲んだおかげで冷静になれて、皆の騒ぎっぷりにひいた。まだ気分が最悪で、千鳥足気味にふらつくけど、パンツ一丁で踊り狂う健を尻目にそそくさと会計を済ませる。歩いていると気持ち悪さがぶり返してきて、カラオケ店の前で少し蹲る。

「あ、瞬くん。もう帰るのかワン?」

 外の空気を吸いにきたんだろうか。小田先輩が先にいた。店内、というか室内は手狭感と異様な熱気で生き苦しさがあったから。女性であればそれは殊更強くかんじるだろう。

「はい。先輩はまだ残るんですか?」

 小田先輩はまだ余裕らしい。飲んでるお酒は弱いものばかりだったから、酔いが回ってないんだろう。というか小田先輩があんな風に酒で壊れている姿はお目にかかったことがない。現に今も俺の背中を摩って気分を変えようとしてくれている。猫背気味なのと顔色から察してくれたのか。すごく、姉味が強くて強靱な精神の持ち主の俺じゃなかったら恋に落ちていただろう。

「うん。パパ・・・・・・・父が迎えに来るって約束してたんだワン」

 ほう。先輩はパパ呼びしてるのか。呼び方変えたけど、かわいい。

「先輩は実家住みなんですよね」
「そうだワン。本当は一人暮らししてみたいんだワンけど」
「ええ~。いいじゃないですか。俺も一人暮らしだけど、たまに実家帰ったときありがたさを実感しますよ」

 とはいえ、実家は親父しかいない。大学に入学するまでは二人で家事を分担してたけど、やっぱり男所帯。アパートの惨状と遠くない状態だった。それでも、親父は一人暮らし歴が長かったからか料理は上手だった。ありがたさというよりも、安心感だろうか。家族の元に帰って来たっていう実感。

「皆そういうワンねぇ~。けど、そういうのも一度体験したいんだワン」

 先輩の垂れ気味な目が酔いと羨ましいという感情のせいで、より垂れまくっている。語尾も相まって犬みたいだ。ふと、どこか寂しげな憂いを瞳が帯びているのに違和感を抱いた。もしかして、とおもう。先輩が俺とか健のところに積極的に来ているのは、羨ましいからなんだろうか。先輩が大学に残っていられる時間はそう長くない。だとすれば、一人暮らししている人の生活を擬似的に味わいたいんじゃないだろうか。

 俺の家で楽しそうにしている先輩。皆でご飯を食べて、ゲームをしてる姿を連想してしまう。もしそうだったとしたら、俺は――――。

「先輩。もしよかったらこのあと俺んち来ませんか?」
「え・・・・・・・・・?」

 先輩がバッと顔を上げる。目をまん丸にして。

「え、瞬くん。いきなりどうしたワン?」
「いきなりですけど、今唐突に言いたくなりました」
「それって・・・・・・・・・?」
「ええ。そういう意味です」

 そう。先輩に俺の家に来てもらって、一人暮らしを疑似体験してもらう。先輩にはなんだかんだでお世話になっている。恩返しってわけじゃないけど、それで少しでも先輩が楽しんでくれるなら。

「ちょ、瞬くんはそういうことはもっとしっかりしてるってお姉ちゃんおもってるワン。だから冗談はやめてほしいんだワンよ~」

 焦った様子で、あたふたしてる先輩は新鮮で面白い。

「冗談じゃないですよ。俺なりに真剣に考えた結果です」
「も、もう~。まだ酔ってるワン? お水持ってくるワン」
「酔ってないときならいいんですか?」

 見つめあっていると、先輩が動揺しまくって目をあわあわと泳がせて、かあぁぁぁ、と真っ赤に。

「だって、パパが来るワンし」
「俺が説得します。必ず娘さんを満足させることを約束するって」
「満足!? だワン!? そんなこと言ったらパパぶち切れるワン!」
「そうですか。厳しい人なんですね」
「厳しいというよりも人として親として当たり前だワン」

 そのとおり。しかも先輩は女性。女性を一人暮らしさせるのは、男親としては心配に違いない。擬似的にとはいえ、一人暮らしを体験させるのは納得できないだろう。

「大丈夫です。俺と先輩の関係をちゃんと説明します。信頼関係バッチグーなこととかお世話になってることとか。それが今後も絶対に変わらないっていうことも。それと、先輩は経験がないでしょうけど俺が上手く教えてリードします」
「なんで私が未経験だって知ってるワン!? それにいつの間にリードって! もしかしてれみちゃんのお陰なんだワン!?」
「ええ。あいつのおかげですよ。俺もあいつにいろいろ指導してもらったし。あいつは親から教えてもらったらしいですし」
「れみちゃんの家庭が心配だワン! 歪んだ家庭すぎるワン!」
「それに、もし先輩のお父さんが反対するなら、ご一緒にどうですかって誘ってみます」
「三人でするつもりなんだワン!? しかも私お父さんともしちゃうっておかしいワン!」
「むしろお父さんも一緒にすることで安心できるとおもうんですけど。二人とも」
「そりゃあお父さん私を含めて子供三人いるしテクニックに関しては問題・・・・・・・ってなに言わせるんだワン! そういうことじゃなくって倫理的におかしいんだワン!」
「お願いします先輩! だって俺先輩に後悔してないんです! だって先輩このままだったら一生できなくなるかもしれませんよ!」

 学生時代の一人暮らしが。

「うう~。なんで私生涯喪女認定されてるんだワン~! というよりも、瞬くんはれみちゃんとお付き合いしてるんでしょう? だったら余計だめだワン」

 ここでまさかのれみが登場して、動揺する。というかどうしてここでれみ? 俺が答えられないでいると、ホッとしたようで先輩が窘めてくる。「ね? 良い子だから」「瞬くんの気持ちはありがたいけど」とか。今日の飲み会から楽しかった気分がより戻された心地だ。

「それに、れみちゃんの気持ちだって考えないと」

 れみの気持ち。あいつに嫌われている。今アパートに来ているのだって、俺がだらしないから矯正しにきているだけだって、本人が言っている。そこには肉親への情けも、親愛も、異性としての愛も一切ない。今の俺にはネガティブなイメージしかできない。いい機会かもしれない。

「瞬くん?」

 れみと俺の関係を、嘘の間柄をちゃんと順序立てて説明してしまったら、先輩はなんて顔をするだろうか。

「先輩、罰ゲームもうやめてもいいですよ。恥ずかしいでしょう」
「え? い、いきなりなんなの? ワン?」
「その変わり、俺のお願い聞いてください」

 打ち明けてしまえば、もう楽になれるだろうか。悩まなくていいだろうか。

 先輩は、真剣な面持ちで固まっている。

「実は、俺とれみは――――」
「に い さ ん 」

 一瞬でびくついてしまう底冷えした声。可憐な少女とは裏腹に地獄の底から響いてきたかのようなおそろしさ。黒い得体の知れない化け物に肩を掴まれた恐怖。おそるおそる振り向く。鬼がいた。いつもの感情抑えめでクールささえ漂わせているれみではなく、れみの顔と姿をした鬼が立っている。

「れ、れみ。どうしてここに?」
「それはこっちのセリフです。ずっと兄さんの帰りをアパートで待っていたのに。連絡すら一回しか返さないなんてどういうつもりですか?」

 ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・という黒いオーラが可視化できてるんじゃないかってくらいの迫力をまとって、一歩一歩確実に近づいていく。逃げなきゃいけない理由はないし、れみがここまでなる原因もちんぷんかんぷん。なのに足が竦んでしまう。ともすればおしっこ漏らしてしまうかもしれない。

「こんなところで、女の人たちに囲まれて鼻の下伸ばしていたんですか? アパートだって、酷いものでしたよ?」

 女の人たち? アパート?

「あっ!」
「こんなところで女の人たちと合コンしていたんですか? はーれむですか? 入れ食い状態ですか? 両手にもう何輪の花状態ですか? 不潔です。最低です」
「ち、違う違う!」

 今更だけど、今までのことが積み重なってとんでもない誤解をしていると思い至った。タイミングと状況が重なって、悪い方向へとれみの勘違いがもうマッハで進んでいる。

「なにが違うというのですか」
「それは――」
「説明できるのなら、しっっっかりとしてください。簡潔に。手短に要点をおさえて」
「・・・・・・・・・誤解なんだよ」
「男の人は皆そう言い訳します」
「どうせぇっちゅうの!!」

 おもわず関西弁ぽくツッコんでしまったけど、このままではまずい。なにを言っても火に油を注ぐ結果に繋がる。ともかくまずはれみを冷静にさせないと。

「違うのれみちゃん!」

 俺とれみの間に、先輩が割ってはいる。両手を開いて通せんぼ、とでも言いたげな体勢と表情にれみもぐ、ととまった。けど、助かった。俺なら無理だけど、先輩ならきっと状況を打破してくれるはず。さすがは先輩。年上。皆のお姉ちゃん。お願いします。

「瞬くんはきっと魔が刺しただけなの! お酒に入ってて、それで私と私のお父さんと3Pしたいっておもってしまっただけなの!」
「ブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウっっっ!!!」
「ほう・・・・・・・・・?」

 火にガソリンぶちまけやがったこの人。しかもなにほざいちゃってんの。

「きっとれみちゃんとのプレイに飽きちゃって、たまには違った趣のプレイがしたかっただけなの! いうなれば妄想! 瞬くんのれみちゃんとそういうプレイがしたいっていう願望をたまたま近くにいた私で満たそうとしたにすぎないの! 男の人ってそういうものだから! 私も頑張って流そうとしていたところなの!」
「ちょ、あんた! あんたああああああああああああああああ!!」

 ああ、れみがやばい。言葉で言い表すことが不可能なレベル、子オオォォォォォ、と腕を構えだした。

「本気で誘ったわけじゃないの! ああ、でも瞬くんと健くんたちよくそういう話をしているけど、でもそれは男同士の他愛ない冗談だから! 悪ふざけだから! 私も罰ゲームで瞬くんにワンちゃんを演じさせられて恥ずかしかったけど! それはプレイの願望っていうかいつもやってることだから! 最近はご無沙汰だったけど前までは皆と一緒によくやってたから!」
「もう黙れええ! 先輩お願いだからもう黙ってくださいいいいいいい!」

 先輩を背後から羽交い締めにして、口を塞ぐ。先輩が喋り途中だったせいで「もが、ふがほご」と口が忙しなく動いて、舌先が指に何回か触れた。激しく動いてツッコんだせいで気持ち悪さがぶり返してきた。

「兄さんがどういう人かっていうのはいやというほど理解できました。もう私では矯正不可能なレベルに陥っていたんですね」

 もう直視できない。こわいのと、吐き気。一歩でも動いたら、いや口でも開こうものなら我慢できないだろう。

「こんな人を一時でも兄と慕っていた自分が、馬鹿みたいです。家族だった時間を消し去りたいです」
「え、家族? え? え?」
「どいてください」

 事情を飲み込めていない小田先輩を軽く押しのけて、俺の眼前に。頭と顔が急激に冷たくなっていくのを自覚し、まずいとおもったけど時既に遅し。

「ヴェロオオオオオオオ!」

 一体俺の胃の中にどれだけ残っていたんだろう。口中酸っぱくなる胃液と吐瀉物を、れみの顔に吐いてかけてしまった。吐瀉物――ゲロまみれになったれみから漂う匂いに更に嘔吐いて、二度目。

「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」

 静寂が、支配した。三人とも誰も何も発しない。やがて小田先輩が俺からシャツを剥ぎ取ってれみの顔をゴシゴシ拭きだしたけど、未だに動けずにいる。表情の一切が物理的に隠されているれみが、ぷるぷると小刻みに震え続けているだけだ。

「れみ」
「もう、いいです」

 やってしまった。最大の過ち。とんでもないこと。取り返しのつかない失敗。なにをしていいか。

 れみは小田先輩からシャツを奪って、乱暴に俺に投げつけた。少し重くなったシャツの不快感も味わえない。だって、れみが泣いていた。あのときと同じように。大泣きではなく、歯を食いしばって我慢しているけど、それでも堰き止められないってかんじの僅かな涙を流している。

「やっぱり・・・・・・兄さんにはなにをしても無駄なんですね。あのときと同じです」

 あのとき。小さいれみを置いて家を出たときがフラッシュバックする。

「兄さんはいつもそうです。今日だって私が相談したいことがあったのに。私のことなんておかまいなしで自分を優先して。私が今までどうして兄さんのところに通っていたか知らなかったでしょう。知ろうとしなかったでしょう。本っっっ当に大嫌いです」

 なにかポケットから取り外した小さいなにかが、俺の胸に当たった。カチャンと小さく地面に落下する。いつだったかれみにプレゼントした、キャラクターのキーホルダー。

そのままれみはくるりと反転、駅のほうへ走って行く。「ちょっと、瞬くん!」と先輩は追いかけるのを急かすように肩を揺するけど、膝から力が抜けて、崩れ落ちていく。

 いつか終わりがくると覚悟していた。終わらせなければいけないと、なんらかの形でけじめをつけなければいけないと。予想だにしなかった呆気ない方法で、しかも自分自身が招いた最低な行いのせいで、こんな結末を招いてしまった。けど、そうじゃない。

 あのときと同じだ。また俺はれみを傷つけた。その事実が俺から立ち上がる気力を奪い続けている。ただ、地面に転がるキモいキーホルダーと目を合わせ続けるしかなかった。
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