4 / 33
第4話 出生の秘密を探ろう
しおりを挟む
『ちなみに誰と入れ替えようとしてたの?』
「同じ日に生まれた別の赤ん坊とよ。そうと知らずに育てるなんて面白いじゃない?」
妖精はクスクスと楽しそうに笑った。
『少しも楽しくないよ。みんな困るじゃないか。』
「あなたは楽しくなくても、私たちには面白いの。妖精がよくやるイタズラよ。」
と言われた。
『そんな酷いことをいつもやっていたの?』
「そうね。時々ね。」
『そんなことを聞いちゃったら、これは返せないな。』
「どうしてよ!?返して!それがないと困るの!私の羽の一部なのよ!遠くまで飛べなくなっちゃう!」
『みんなを困らせてきた分、君も少しは困ったらいいと思うよ。君が反省するまで、これは没収させてもらうよ。ギィ、僕が寝ている間に奪われないように持っててよ。』
「ギィッ!」
ギィはシルヴィオから羽の一部を受け取ると、服をめくってその下に羽を隠して、返して!と詰め寄る妖精から飛び回って逃げた。
『返して欲しかったらしばらく僕の言うことを聞いてもらうよ。僕は動けない体だから、僕の代わりに色々調べる役目を引き受けて欲しいな。この世界について知りたいことも多いしね。』
「うう……。わかったわよぉ……。」
『君の名前はなんて言うの?』
「フィオレよ。普通人間になんか、妖精の名前なんて教えないんだからね!」
『君に用事を頼みたい時は、どうすればいいのかな?』
「心の中で呼べばいいわ。あなたの声は聞こえるから、すぐに飛んでくるわよ。」
『わかった。よろしくね、フィオレ。』
「ふーんだ!」
ふてくされたように、フィオレはプイッとそっぽを向きつつ、壁をすり抜けて部屋から出ていった。
そこへ乳母がやってきて、ご飯の時間ですよと告げ、シルヴィオを抱き上げてお乳を飲ませてくれた。背中をポンポンと叩かれてげっぷをすると、再び眠くなってくる。
シルヴィオは夢の中に落ちていった。
次の日目が覚めると、ギィが自分の頭の脇で丸くなっているのが目の端に見えた。
するとさっそく、
【デイリーミッション
出生の秘密を暴け・その1。
国王の書斎の鍵を手に入れよ。
報酬:スキル・鑑定】
と、声がして文字が現れた。
赤ん坊のシルヴィオには、到底不可能と思えるミッションだ。
出生の秘密……?
それがあのステータスの呪いに関係しているのだろうか、とシルヴィオは思う。
国王の書斎の鍵が必要ということは、父親は呪いの原因に関わっているのかも知れないな、と思う。
これはフィオレの出番だろうか。
いや、壁をすり抜けることが出来ても、鍵を持って来れるかがわからない、と思う。
それよりも、固有スキル、同胞の命のほうが最適だと思えた。眷属は他人の影に潜ませられ、影を通じて主人公のところまで物を持って移動が可能、とある。
つまりギィであれば、国王の書斎の鍵を持ってこられるということだ。恐らくはそれを前提としたミッションなのだろう。
もしも影をフィオレに奪われていたら、影の中を移動してギィに鍵を取ってこさせることが出来なかっただろう。
そう考えると、普通の人間よりも、シルヴィオの場合は影を奪われてはまずかったことになる。
『ギィ、国王の書斎の鍵を持って来てくれない?』
そう、心の中でギィに頼んだのだが。
「ギィ?」
困ったように首を傾げるギィ。国王の書斎の鍵がどこにあるのか、わからないからだろう。探すこと自体は、フィオレに頼んだほうがいいかも知れない。
鍵が見つかったらギィにそこに行ってもらって、持って来てもらえばいいのだ。
『フィオレ!ちょっと来て!』
シルヴィオは心の中でフィオレに呼びかけた。
「なによ、気持ちよく寝てたのに。」
今日もプリプリしながら、フィオレが壁をすり抜けてやって来る。
『国王の書斎の鍵が欲しいんだ。探してギィに教えてくれないかな。予備の鍵だとありがたいな。僕のところに持って来るのは、ギィがやるからさ。』
「ええ~……。面倒くさ……。いいわよ、わかったわよ、やるわよ。」
そう言って、フィオレはどこかに飛び立って行った。
しばらくするとフィオレが戻って来て、
「鍵を持ってる人間と、予備の鍵を見つけたわよ?」
とシルヴィオに告げた。
『早かったね!ありがとう。ギィ、フィオレについて行って、その予備の鍵を盗んで僕のところに持って来てくれる?』
ギィもフィオレのように、自分の心の中の声がちゃんと聞こえているのか、シルヴィオは正直確信を持ったことはなかったが、ギィは、ギィッ!と言いつつ、全身を使って大きくうなずいてくれたので、どうやら通じているようだとわかった。
フィオレとギィが部屋を出て行き、しばらくすると自分の影の中からギィが姿を現した。
「ギィッ!」
と鳴いて鍵を手渡してくる。
『ありがとう、ギィ。』
鍵を手に握ると、
【デイリーミッションクリア
報酬:スキル・鑑定付与】
と、音声とともにウインドウが現れた。
ステータスを確認すると、スキル一覧に鑑定があった。
────────────────────
X(旧Twitter)始めてみました。
よろしければアカウントフォローお願いします。
@YinYang2145675
少しでも面白いと思ったら、エピソードごとのイイネ、または応援するを押していただけたら幸いです。
ランキングには反映しませんが、作者のモチベーションが上がります。
「同じ日に生まれた別の赤ん坊とよ。そうと知らずに育てるなんて面白いじゃない?」
妖精はクスクスと楽しそうに笑った。
『少しも楽しくないよ。みんな困るじゃないか。』
「あなたは楽しくなくても、私たちには面白いの。妖精がよくやるイタズラよ。」
と言われた。
『そんな酷いことをいつもやっていたの?』
「そうね。時々ね。」
『そんなことを聞いちゃったら、これは返せないな。』
「どうしてよ!?返して!それがないと困るの!私の羽の一部なのよ!遠くまで飛べなくなっちゃう!」
『みんなを困らせてきた分、君も少しは困ったらいいと思うよ。君が反省するまで、これは没収させてもらうよ。ギィ、僕が寝ている間に奪われないように持っててよ。』
「ギィッ!」
ギィはシルヴィオから羽の一部を受け取ると、服をめくってその下に羽を隠して、返して!と詰め寄る妖精から飛び回って逃げた。
『返して欲しかったらしばらく僕の言うことを聞いてもらうよ。僕は動けない体だから、僕の代わりに色々調べる役目を引き受けて欲しいな。この世界について知りたいことも多いしね。』
「うう……。わかったわよぉ……。」
『君の名前はなんて言うの?』
「フィオレよ。普通人間になんか、妖精の名前なんて教えないんだからね!」
『君に用事を頼みたい時は、どうすればいいのかな?』
「心の中で呼べばいいわ。あなたの声は聞こえるから、すぐに飛んでくるわよ。」
『わかった。よろしくね、フィオレ。』
「ふーんだ!」
ふてくされたように、フィオレはプイッとそっぽを向きつつ、壁をすり抜けて部屋から出ていった。
そこへ乳母がやってきて、ご飯の時間ですよと告げ、シルヴィオを抱き上げてお乳を飲ませてくれた。背中をポンポンと叩かれてげっぷをすると、再び眠くなってくる。
シルヴィオは夢の中に落ちていった。
次の日目が覚めると、ギィが自分の頭の脇で丸くなっているのが目の端に見えた。
するとさっそく、
【デイリーミッション
出生の秘密を暴け・その1。
国王の書斎の鍵を手に入れよ。
報酬:スキル・鑑定】
と、声がして文字が現れた。
赤ん坊のシルヴィオには、到底不可能と思えるミッションだ。
出生の秘密……?
それがあのステータスの呪いに関係しているのだろうか、とシルヴィオは思う。
国王の書斎の鍵が必要ということは、父親は呪いの原因に関わっているのかも知れないな、と思う。
これはフィオレの出番だろうか。
いや、壁をすり抜けることが出来ても、鍵を持って来れるかがわからない、と思う。
それよりも、固有スキル、同胞の命のほうが最適だと思えた。眷属は他人の影に潜ませられ、影を通じて主人公のところまで物を持って移動が可能、とある。
つまりギィであれば、国王の書斎の鍵を持ってこられるということだ。恐らくはそれを前提としたミッションなのだろう。
もしも影をフィオレに奪われていたら、影の中を移動してギィに鍵を取ってこさせることが出来なかっただろう。
そう考えると、普通の人間よりも、シルヴィオの場合は影を奪われてはまずかったことになる。
『ギィ、国王の書斎の鍵を持って来てくれない?』
そう、心の中でギィに頼んだのだが。
「ギィ?」
困ったように首を傾げるギィ。国王の書斎の鍵がどこにあるのか、わからないからだろう。探すこと自体は、フィオレに頼んだほうがいいかも知れない。
鍵が見つかったらギィにそこに行ってもらって、持って来てもらえばいいのだ。
『フィオレ!ちょっと来て!』
シルヴィオは心の中でフィオレに呼びかけた。
「なによ、気持ちよく寝てたのに。」
今日もプリプリしながら、フィオレが壁をすり抜けてやって来る。
『国王の書斎の鍵が欲しいんだ。探してギィに教えてくれないかな。予備の鍵だとありがたいな。僕のところに持って来るのは、ギィがやるからさ。』
「ええ~……。面倒くさ……。いいわよ、わかったわよ、やるわよ。」
そう言って、フィオレはどこかに飛び立って行った。
しばらくするとフィオレが戻って来て、
「鍵を持ってる人間と、予備の鍵を見つけたわよ?」
とシルヴィオに告げた。
『早かったね!ありがとう。ギィ、フィオレについて行って、その予備の鍵を盗んで僕のところに持って来てくれる?』
ギィもフィオレのように、自分の心の中の声がちゃんと聞こえているのか、シルヴィオは正直確信を持ったことはなかったが、ギィは、ギィッ!と言いつつ、全身を使って大きくうなずいてくれたので、どうやら通じているようだとわかった。
フィオレとギィが部屋を出て行き、しばらくすると自分の影の中からギィが姿を現した。
「ギィッ!」
と鳴いて鍵を手渡してくる。
『ありがとう、ギィ。』
鍵を手に握ると、
【デイリーミッションクリア
報酬:スキル・鑑定付与】
と、音声とともにウインドウが現れた。
ステータスを確認すると、スキル一覧に鑑定があった。
────────────────────
X(旧Twitter)始めてみました。
よろしければアカウントフォローお願いします。
@YinYang2145675
少しでも面白いと思ったら、エピソードごとのイイネ、または応援するを押していただけたら幸いです。
ランキングには反映しませんが、作者のモチベーションが上がります。
0
あなたにおすすめの小説
幼馴染パーティーから追放された冒険者~所持していたユニークスキルは限界突破でした~レベル1から始まる成り上がりストーリー
すもも太郎
ファンタジー
この世界は個人ごとにレベルの上限が決まっていて、それが本人の資質として死ぬまで変えられません。(伝説の勇者でレベル65)
主人公テイジンは能力を封印されて生まれた。それはレベルキャップ1という特大のハンデだったが、それ故に幼馴染パーティーとの冒険によって莫大な経験値を積み上げる事が出来ていた。(ギャップボーナス最大化状態)
しかし、レベルは1から一切上がらないまま、免許の更新期限が過ぎてギルドを首になり絶望する。
命を投げ出す決意で訪れた死と再生の洞窟でテイジンの封印が解け、ユニークスキル”限界突破”を手にする。その後、自分の力を知らず知らずに発揮していき、周囲を驚かせながらも一人旅をつづけようとするが‥‥
※1話1500文字くらいで書いております
異世界から日本に帰ってきたら魔法学院に入学 パーティーメンバーが順調に強くなっていくのは嬉しいんだが、妹の暴走だけがどうにも止まらない!
枕崎 削節
ファンタジー
〔小説家になろうローファンタジーランキング日間ベストテン入り作品〕
タイトルを変更しました。旧タイトル【異世界から帰ったらなぜか魔法学院に入学。この際遠慮なく能力を発揮したろ】
3年間の異世界生活を経て日本に戻ってきた楢崎聡史と桜の兄妹。二人は生活の一部分に組み込まれてしまった冒険が忘れられなくてここ数年日本にも発生したダンジョンアタックを目論むが、年齢制限に壁に撥ね返されて入場を断られてしまう。ガックリと項垂れる二人に救いの手を差し伸べたのは魔法学院の学院長と名乗る人物。喜び勇んで入学したはいいものの、この学院長はとにかく無茶振りが過ぎる。異世界でも経験したことがないとんでもないミッションに次々と駆り出される兄妹。さらに二人を取り巻く周囲にも奇妙な縁で繋がった生徒がどんどん現れては学院での日常と冒険という非日常が繰り返されていく。大勢の学院生との交流の中ではぐくまれていく人間模様とバトルアクションをどうぞお楽しみください!
最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
ダンジョン冒険者にラブコメはいらない(多分)~正体を隠して普通の生活を送る男子高生、実は最近注目の高ランク冒険者だった~
エース皇命
ファンタジー
学校では正体を隠し、普通の男子高校生を演じている黒瀬才斗。実は仕事でダンジョンに潜っている、最近話題のAランク冒険者だった。
そんな黒瀬の通う高校に突如転校してきた白桃楓香。初対面なのにも関わらず、なぜかいきなり黒瀬に抱きつくという奇行に出る。
「才斗くん、これからよろしくお願いしますねっ」
なんと白桃は黒瀬の直属の部下として派遣された冒険者であり、以後、同じ家で生活を共にし、ダンジョンでの仕事も一緒にすることになるという。
これは、上級冒険者の黒瀬と、美少女転校生の純愛ラブコメディ――ではなく、ちゃんとしたダンジョン・ファンタジー(多分)。
※小説家になろう、カクヨムでも連載しています。
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
付きまとう聖女様は、貧乏貴族の僕にだけ甘すぎる〜人生相談がきっかけで日常がカオスに。でも、モテたい願望が強すぎて、つい……〜
咲月ねむと
ファンタジー
この乙女ゲーの世界に転生してからというもの毎日教会に通い詰めている。アランという貧乏貴族の三男に生まれた俺は、何を目指し、何を糧にして生きていけばいいのか分からない。
そんな人生のアドバイスをもらうため教会に通っているのだが……。
「アランくん。今日も来てくれたのね」
そう優しく語り掛けてくれるのは、頼れる聖女リリシア様だ。人々の悩みを静かに聞き入れ、的確なアドバイスをくれる美人聖女様だと人気だ。
そんな彼女だが、なぜか俺が相談するといつも様子が変になる。アドバイスはくれるのだがそのアドバイス自体が問題でどうも自己主張が強すぎるのだ。
「お母様のプレゼントは何を買えばいい?」
と相談すれば、
「ネックレスをプレゼントするのはどう? でもね私は結婚指輪が欲しいの」などという発言が飛び出すのだ。意味が分からない。
そして俺もようやく一人暮らしを始める歳になった。王都にある学園に通い始めたのだが、教会本部にそれはもう美人な聖女が赴任してきたとか。
興味本位で俺は教会本部に人生相談をお願いした。担当になった人物というのが、またもやリリシアさんで…………。
ようやく俺は気づいたんだ。
リリシアさんに付きまとわれていること、この頻繁に相談する関係が実は異常だったということに。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる