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第31話 マッド宮廷伯
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『なら、僕も一緒に学びたいとお願いしてみます!』
シルヴィオは早速、ラヴェール王子だけが受けている、魔道具や錬金術についての授業を一緒に学ばせて欲しいと、シーラを通じて頼んでみた。
本来のシルヴィオの年齢であれば、まだ基礎的なことをやるのが定石であったが、算数についてはもう教えることがない、と家庭教師から進言があったらしく、あいた時間をどうするかと検討されていたらしい。
シルヴィオの希望通り、カロリーナの曽祖父であるマッド宮廷伯の授業を受けられることになったのだった。
マッド宮廷伯は既に息子に侯爵の地位を譲り、これまでの国に対する貢献度から、現在は1代限りの宮廷伯を授けられている。
宮廷伯は領地のない貴族にあたる為、貴族ではあるが領主としての仕事はなく、あくまで名誉爵位だ。その為領地ではなく、王宮内に専用の研究施設と宿舎を設けられ、そこで暮らしているらしい。
「私の授業を受けたいと希望していただいたと聞き、大変光栄に存じます。シルヴィオ王子さまにご挨拶致します。マッドと申します。国王さまより宮廷伯をたまわっており、魔道具と錬金術の研究をしている者です。」
マッド宮廷伯は長い白ひげに白髪、メガネ姿の男性だった。曽祖父というからかなりヨボヨボの老人を想像していたシルヴィオだったが、腰も曲がっておらず、杖こそついているものの、しっかりと背筋を伸ばして歩いている。
現役で王子たちの教育係を任されるだけあって、その世界の第一人者としての風格のようなものが感じられる、シルヴィオが今世で見た中では、最も理知的な大人だと感じた。
もちろん他の家庭教師たちも優秀なのだろうが、経験に裏付けられた自信とでも言うのだろうか。余裕が感じられる。
他の家庭教師たちは、どこかラヴェール王子とシルヴィオのことを、子どもだと侮っている部分と、王子として恐れている部分をなんとなく感じていたが、マッド宮廷伯からはそのどちらも感じることがなかった。
元侯爵として王子たちを一人の人間として──いや、次代の国王に相応しい人物たるか見極めようとしているかのような。
そんな容赦のない平等な秤に乗せられているかのような、一瞬背筋がゾクッとする感覚をシルヴィオは感じ取ったのだった。
「シルヴィオです。よろしくお願いします。」
シルヴィオは上目遣いに様子を伺いながら、そう丁寧に挨拶をした。
探るような目つきから一転、ニコーッと子ども好きのするような笑みを浮かべたマッド宮廷伯は、
「何か私に聞きたいことがおありで、私の授業を選んで下さったのですか?」
と尋ねてきた。
「⋯⋯はい、実は⋯⋯。」
恐る恐る、シルヴィオは切り出す。
「作ってみたい魔道具があるのです。」
「ほう、どのようなですかな?新しいアイデアは大歓迎ですぞ。それが実現出来るかどうかは二の次、まずはアイデアを思いつくことが、研究開発には大切なのです。今までにない着眼点、アプローチが、そこから生まれるものなのです。」
マッド宮廷伯はニコニコしながら言った。
「この世には、空を飛ぶ魔道具はありますか?例えば、またがるようなものだったり、馬車だったり、なんでもいいのですが。」
「はて。そのような魔道具は、聞いたことがないですな。そもそも人間を浮かせる魔法自体が、かなりの大魔法とされており、現在において使い手は非常に少ないと聞きます。」
「浮かせる魔法自体はあるのですね。僕はそれを、誰でも使えるようにしたいのです。」
「⋯⋯戦争でもお考えですかな?」
「え?」
「空中から攻撃出来る人間が増えれば、戦況は大きく変わりましょう。空を飛ぶ大型の魔物をテイムしているテイマーが1人いるだけでも、戦略の立て方は大きく変わるものです。殿下のおっしゃる魔道具が実用化された場合、いの一番に考えつくのは、戦略兵器としての用途になるでしょうな。」
「そんな⋯⋯。そんなつもりはなかったです。ただ、人々の暮らしが豊かになればいいなと思って。」
「ふむ?では殿下はどのような用途をお考えだったのでしょうか?」
「将来僕たちが入ることになっている学園は、浮島にあると聞いています。転送魔法陣を使わないと行かれない為、それを使える財力を持つ人しか、入学出来ないのだと。」
「そうですな。世界中から王侯貴族が入学する学園です。そもそもの学園の権威が、転送魔法陣でしか行かれない、安全な場所にあることで、護衛をつけずに子どもたちを預けられることから、生まれたものだと聞いておりますな。」
「それをもう少し安価に、魔道具で行かれるようになれば、学べる人も増えるのではと思ったのです。」
シルヴィオは魔道具の開発アイデアを話すにあたり、この世界で必要とされそうなものを調べていた。人を浮かせる魔法についても、アカシックレコードで調べ済みだ。
だが授業で教わっていないので、知らないていを貫いているというだけのことである。
────────────────────
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シルヴィオは早速、ラヴェール王子だけが受けている、魔道具や錬金術についての授業を一緒に学ばせて欲しいと、シーラを通じて頼んでみた。
本来のシルヴィオの年齢であれば、まだ基礎的なことをやるのが定石であったが、算数についてはもう教えることがない、と家庭教師から進言があったらしく、あいた時間をどうするかと検討されていたらしい。
シルヴィオの希望通り、カロリーナの曽祖父であるマッド宮廷伯の授業を受けられることになったのだった。
マッド宮廷伯は既に息子に侯爵の地位を譲り、これまでの国に対する貢献度から、現在は1代限りの宮廷伯を授けられている。
宮廷伯は領地のない貴族にあたる為、貴族ではあるが領主としての仕事はなく、あくまで名誉爵位だ。その為領地ではなく、王宮内に専用の研究施設と宿舎を設けられ、そこで暮らしているらしい。
「私の授業を受けたいと希望していただいたと聞き、大変光栄に存じます。シルヴィオ王子さまにご挨拶致します。マッドと申します。国王さまより宮廷伯をたまわっており、魔道具と錬金術の研究をしている者です。」
マッド宮廷伯は長い白ひげに白髪、メガネ姿の男性だった。曽祖父というからかなりヨボヨボの老人を想像していたシルヴィオだったが、腰も曲がっておらず、杖こそついているものの、しっかりと背筋を伸ばして歩いている。
現役で王子たちの教育係を任されるだけあって、その世界の第一人者としての風格のようなものが感じられる、シルヴィオが今世で見た中では、最も理知的な大人だと感じた。
もちろん他の家庭教師たちも優秀なのだろうが、経験に裏付けられた自信とでも言うのだろうか。余裕が感じられる。
他の家庭教師たちは、どこかラヴェール王子とシルヴィオのことを、子どもだと侮っている部分と、王子として恐れている部分をなんとなく感じていたが、マッド宮廷伯からはそのどちらも感じることがなかった。
元侯爵として王子たちを一人の人間として──いや、次代の国王に相応しい人物たるか見極めようとしているかのような。
そんな容赦のない平等な秤に乗せられているかのような、一瞬背筋がゾクッとする感覚をシルヴィオは感じ取ったのだった。
「シルヴィオです。よろしくお願いします。」
シルヴィオは上目遣いに様子を伺いながら、そう丁寧に挨拶をした。
探るような目つきから一転、ニコーッと子ども好きのするような笑みを浮かべたマッド宮廷伯は、
「何か私に聞きたいことがおありで、私の授業を選んで下さったのですか?」
と尋ねてきた。
「⋯⋯はい、実は⋯⋯。」
恐る恐る、シルヴィオは切り出す。
「作ってみたい魔道具があるのです。」
「ほう、どのようなですかな?新しいアイデアは大歓迎ですぞ。それが実現出来るかどうかは二の次、まずはアイデアを思いつくことが、研究開発には大切なのです。今までにない着眼点、アプローチが、そこから生まれるものなのです。」
マッド宮廷伯はニコニコしながら言った。
「この世には、空を飛ぶ魔道具はありますか?例えば、またがるようなものだったり、馬車だったり、なんでもいいのですが。」
「はて。そのような魔道具は、聞いたことがないですな。そもそも人間を浮かせる魔法自体が、かなりの大魔法とされており、現在において使い手は非常に少ないと聞きます。」
「浮かせる魔法自体はあるのですね。僕はそれを、誰でも使えるようにしたいのです。」
「⋯⋯戦争でもお考えですかな?」
「え?」
「空中から攻撃出来る人間が増えれば、戦況は大きく変わりましょう。空を飛ぶ大型の魔物をテイムしているテイマーが1人いるだけでも、戦略の立て方は大きく変わるものです。殿下のおっしゃる魔道具が実用化された場合、いの一番に考えつくのは、戦略兵器としての用途になるでしょうな。」
「そんな⋯⋯。そんなつもりはなかったです。ただ、人々の暮らしが豊かになればいいなと思って。」
「ふむ?では殿下はどのような用途をお考えだったのでしょうか?」
「将来僕たちが入ることになっている学園は、浮島にあると聞いています。転送魔法陣を使わないと行かれない為、それを使える財力を持つ人しか、入学出来ないのだと。」
「そうですな。世界中から王侯貴族が入学する学園です。そもそもの学園の権威が、転送魔法陣でしか行かれない、安全な場所にあることで、護衛をつけずに子どもたちを預けられることから、生まれたものだと聞いておりますな。」
「それをもう少し安価に、魔道具で行かれるようになれば、学べる人も増えるのではと思ったのです。」
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