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祝勝会
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体育祭が終わり、学校に漂っていた熱気も次第に落ち着きを取り戻していく。
夕焼けに染まる校庭を見渡しながら、俺は一人で帰る準備をしていた。
「裕貴くん!」
突然、後ろから聞き馴染みのある声が響いた。
咄嗟に振り向くと、そこにはニコニコとした顔の佐々木さんが立っていた。
「一緒に祝勝会行こうよ!」
「祝勝会?」
「そう! ウチらの団が優勝したから、みんなで祝勝会やろうって誘われたんだよ!」
俺にそんな誘いは来てないが……。
「いや、俺別に誘われてないし、やめとくよ。俺なんかが行っても気まずいだろうし」
そう言って帰ろうとした瞬間——。
佐々木さんが俺の手をギュッと掴んだ。
「なんでそうなるの? 私が裕貴くんを誘いに来たんだよ。みんなもきっと喜ぶし、行こうよ!」
「……佐々木さんがそこまで言うなら、行ってみようかな」
「うん! 絶対楽しいから!」
※
佐々木さんに連れられてやって来たのは、学校近くのカラオケ店だった。
「それじゃ、青団の優勝に——乾杯!」
青団の団長が声を上げると、周りのみんなも「乾杯!」と声を合わせる。
歓声が響く中、俺はというと、隅の方でフライドポテトをつまみながら様子を眺めていた。
友達は増えたけど、別にコミュ障が改善されたわけじゃないもんな……。
こんなことなら断れば良かったかも——。
「ねぇねぇ、裕貴くん」
「ひゃひゃい!」
間の抜けた返事が飛び出した。
俺に話しかけてきたのは、青団の副団長・青原水(あおはら みず)先輩だった。
「どうしたんですか、青原先輩?」
「いやぁ? たださ、私、前から裕貴くんと話してみたかったんだよね」
彼女の持つおっとりした雰囲気に、俺はすでに呑まれかけていた。
「はぁ、そうなんですか」
「……」
「……」
や、ヤバい! 全然言葉のキャッチボールができてない! 何か話を続けないと!
「あ、あの、青原先輩って、暇な時何してるんですか?」
「私? 暇な時? うーん、私はぁ、ちょっとイケナイことしてるかな?」
彼女は口に人差し指を当て、ウインクしながら言う。
イケナイこと!? な、なにそれ!? ま、まさか!?
俺の脳内では、善と悪が全力で戦っていた。
そんな俺の混乱を見透かしたように、青原先輩はクスッと笑う。
「ただのゲームだよ? なぁに想像したの?」
「ゲーム、ゲームか……。なんだ、それなら良かっ——」
「R18禁ゲームをね」
俺は飲んでいた水を思いっきり吹き出した。
「ふふ、一つ一つのリアクションが可愛いね、裕貴くんは」
ダメだ、この人に完全にからかわれてる!
「じゃ、じゃあ、そのゲームってどういうゲームなんですか?」
やられっぱなしじゃ癪だから、俺も突っ込んでみる。
すると青原先輩は少し考える仕草をした後、ニヤリと笑って——。
「スマブラかな?」
「は?」
「まだ17歳の君には教えられないよ~。それともなに? 気になっちゃった?」
「こ、この人ぉぉ!!」
俺が青原先輩とやり取りをしていると、隣で話していた青団の団長・鈴木大輔(すずき だいすけ)先輩が話しかけてきた。
「何話してんだ? 二人で」
「ちょっとね~? 可愛い後輩をからかってたの~」
「青原は相変わらずだな。それより、裕貴だっけ? 俺、学校でお前のことあんまり見かけたことないけど、今まで何してたんだ?」
い、言いづらい……! 一年間学校休んでましたなんて!
「あ、あー……一年の時は図書委員だったんで、ほとんど図書室にいたんですよね! あはは!」
「そうかそうか! まぁ、お前と神木の二人三脚、すごかったぞ! あんなに息ぴったりに走るのは簡単じゃないからな。相当練習しただろ?」
「あぁ、まぁ……はい!」
「それに~、裕貴くんの騎馬戦も凄かったよねぇ」
青原先輩がしれっと加わると、鈴木先輩も「確かに」と頷く。
「裕貴、お前モテるだろ? 顔もいいし体も引き締まってるし、彼女とかいないのか?」
「えっ……」
鈴木先輩にそう聞かれた瞬間、思わず俺の視線は佐々木さんの方へ向いた。
彼女がいなかったら、俺はこんなふうにみんなと一緒にいることもなかっただろう。
「いやー、それがまだ。でも、気になってる人はいます」
「誰だ!? それは!?」
鈴木先輩が身を乗り出してくるが、俺は苦笑しながら肩をすくめる。
「まだその子のことを好きになったわけじゃないんで、言っても意味ないですし、パスで」
「そうか。まぁ、相談事ができたら俺や青原に相談してくれよな!」
「はい! その時はお願いします!」
そんなやり取りを交わしながら、俺は祝勝会を楽しんだ。
夕焼けに染まる校庭を見渡しながら、俺は一人で帰る準備をしていた。
「裕貴くん!」
突然、後ろから聞き馴染みのある声が響いた。
咄嗟に振り向くと、そこにはニコニコとした顔の佐々木さんが立っていた。
「一緒に祝勝会行こうよ!」
「祝勝会?」
「そう! ウチらの団が優勝したから、みんなで祝勝会やろうって誘われたんだよ!」
俺にそんな誘いは来てないが……。
「いや、俺別に誘われてないし、やめとくよ。俺なんかが行っても気まずいだろうし」
そう言って帰ろうとした瞬間——。
佐々木さんが俺の手をギュッと掴んだ。
「なんでそうなるの? 私が裕貴くんを誘いに来たんだよ。みんなもきっと喜ぶし、行こうよ!」
「……佐々木さんがそこまで言うなら、行ってみようかな」
「うん! 絶対楽しいから!」
※
佐々木さんに連れられてやって来たのは、学校近くのカラオケ店だった。
「それじゃ、青団の優勝に——乾杯!」
青団の団長が声を上げると、周りのみんなも「乾杯!」と声を合わせる。
歓声が響く中、俺はというと、隅の方でフライドポテトをつまみながら様子を眺めていた。
友達は増えたけど、別にコミュ障が改善されたわけじゃないもんな……。
こんなことなら断れば良かったかも——。
「ねぇねぇ、裕貴くん」
「ひゃひゃい!」
間の抜けた返事が飛び出した。
俺に話しかけてきたのは、青団の副団長・青原水(あおはら みず)先輩だった。
「どうしたんですか、青原先輩?」
「いやぁ? たださ、私、前から裕貴くんと話してみたかったんだよね」
彼女の持つおっとりした雰囲気に、俺はすでに呑まれかけていた。
「はぁ、そうなんですか」
「……」
「……」
や、ヤバい! 全然言葉のキャッチボールができてない! 何か話を続けないと!
「あ、あの、青原先輩って、暇な時何してるんですか?」
「私? 暇な時? うーん、私はぁ、ちょっとイケナイことしてるかな?」
彼女は口に人差し指を当て、ウインクしながら言う。
イケナイこと!? な、なにそれ!? ま、まさか!?
俺の脳内では、善と悪が全力で戦っていた。
そんな俺の混乱を見透かしたように、青原先輩はクスッと笑う。
「ただのゲームだよ? なぁに想像したの?」
「ゲーム、ゲームか……。なんだ、それなら良かっ——」
「R18禁ゲームをね」
俺は飲んでいた水を思いっきり吹き出した。
「ふふ、一つ一つのリアクションが可愛いね、裕貴くんは」
ダメだ、この人に完全にからかわれてる!
「じゃ、じゃあ、そのゲームってどういうゲームなんですか?」
やられっぱなしじゃ癪だから、俺も突っ込んでみる。
すると青原先輩は少し考える仕草をした後、ニヤリと笑って——。
「スマブラかな?」
「は?」
「まだ17歳の君には教えられないよ~。それともなに? 気になっちゃった?」
「こ、この人ぉぉ!!」
俺が青原先輩とやり取りをしていると、隣で話していた青団の団長・鈴木大輔(すずき だいすけ)先輩が話しかけてきた。
「何話してんだ? 二人で」
「ちょっとね~? 可愛い後輩をからかってたの~」
「青原は相変わらずだな。それより、裕貴だっけ? 俺、学校でお前のことあんまり見かけたことないけど、今まで何してたんだ?」
い、言いづらい……! 一年間学校休んでましたなんて!
「あ、あー……一年の時は図書委員だったんで、ほとんど図書室にいたんですよね! あはは!」
「そうかそうか! まぁ、お前と神木の二人三脚、すごかったぞ! あんなに息ぴったりに走るのは簡単じゃないからな。相当練習しただろ?」
「あぁ、まぁ……はい!」
「それに~、裕貴くんの騎馬戦も凄かったよねぇ」
青原先輩がしれっと加わると、鈴木先輩も「確かに」と頷く。
「裕貴、お前モテるだろ? 顔もいいし体も引き締まってるし、彼女とかいないのか?」
「えっ……」
鈴木先輩にそう聞かれた瞬間、思わず俺の視線は佐々木さんの方へ向いた。
彼女がいなかったら、俺はこんなふうにみんなと一緒にいることもなかっただろう。
「いやー、それがまだ。でも、気になってる人はいます」
「誰だ!? それは!?」
鈴木先輩が身を乗り出してくるが、俺は苦笑しながら肩をすくめる。
「まだその子のことを好きになったわけじゃないんで、言っても意味ないですし、パスで」
「そうか。まぁ、相談事ができたら俺や青原に相談してくれよな!」
「はい! その時はお願いします!」
そんなやり取りを交わしながら、俺は祝勝会を楽しんだ。
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