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2.牙だけでなく、いろいろ抜かれた狼 ①
しおりを挟む「初夜をやり直したいんだ!」
クリスよ、それしか頭にないのか。
夫婦らしきこと、何もしてないのに。
本当に女心が分からない人のようだ。
「あ・な・た・は、やることしか考えてないんですか!?」
「ぁ…ぅ、ぅん…すまない…クロエの傍に居ると、俺は馬鹿になってしまうんだ…」
「まずは、私を信用させることからじゃなくて?」
「だ、だから、体で…いや、全身で愛を捧げようと…」
「クリス…あなた、騎士で苛烈のネオス公爵とか言われてましたよね!なのに、何故妻に毅然とした態度を見せられないのですか…これじゃあ、牙を抜かれた狼みたいじゃないの…」
「抜かれるなら…牙じゃなくて…」
「……ん?……はっ!?えっ??馬鹿言ってんじゃないわよっ!!」
目の前の盛った狼は、もう頭にやることしかないようだ。童貞のくせに。
私が好きなのか、性欲を満たしたいのか、後者だったら腹が立つが、どうも私が好きで好きで仕方ないオーラに満ち溢れている。
「はぁぁ…私の前ではこんな顔をするのね…こんなんじゃ皇女に迫られても通じない訳だわ。あんなに凛々しかったのは、完全に仕事モードだったのね?分かりました。来てください。」
ベッドに座り、両手を広げて迎え入れる。
「クロエっっっ!」
大喜びで私に飛び付いてくるこの生き物は何?
狼から大型犬に降格かしら。
私、クリスのカッコいい姿が大好きだったのに。
顔だけでなく、立ち居振る舞いも、全てが美しくて、見惚れた位なのに。
いつの間にか、さっさと脱いで全裸で飛び付いてくるこの生き物をどう扱いましょか。
ぶちゅーっと噛み付くような口付けで、唇全体を覆われて、私は息も出来ない。
ふとクリスを見ると、恐らく同じことを考えている。
思い切り胸を押して、体を離して叫ぶ。
「もうっ!息が出来ない!!」
「はぁ、はぁ、そ、そうだな。は、鼻でするのか?」
「あっ!それだ!!」
慣れない二人は、一つ学んだ。
そうか、こうして一つずつ慣れていくのかと腑に落ちた。
「ゆっくり。ゆっくりしましょう。私達、不慣れなんだから。逃げないから、ゆっくり、ね?」
「分かった。すまない。触れたくて、狂いそうなんだ…」
大型犬から狂犬に変わったのかしら。
取り敢えず、私もゆっくり受け止める覚悟をした。
「心を求められてるのが分かって嬉しいけど、行動はゆっくりにして?痛いのも苦しいのも怖いのも嫌。」
「クロエが自分の気持ちを話してくれるのが嬉しいよ。ゆっくり、ゆっくり、だな。分かった。」
クリスは良い顔で笑った。
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