【完結】 初恋を終わらせたら、何故か攫われて溺愛されました

４２．日常

イチャイチャと過ごした休暇は、あっという間に終わり日常が訪れる。

イーサンが頑張ってくれていたので、ヴィル様の仕事も平常運転だ。
ヴィル様と同じように執務に熟せるように、直々に教えてもらっている。
机も隣り同士だ。

「辺境地って、印象は良くないけど、なかなか良いだろう？」

「確かに仕事量はだいぶ少ないんでしょうけど、この暮らし易さはヴィル様が維持してきたものですよ。」

魔獣征伐をきちんとしてきたから。
お年寄りに寄り添ってきたから。
何より、孤独に負けなかったから。

決して、好んで来た道じゃいだろう。
だけど、地道に頑張れば結果は残せる。

「ヴィル様、このままずっと平和に暮らしましょうね。」

「物凄い贅沢はさせてあげられないかもしれないが、今のまま楽しく暮らしていきたいな。」

本当に平和だ。
のんびりお茶しながらの仕事。
夫婦となった今も、会話は凄く多い。
恵まれてるなぁと、しみじみ思う。

「忙しいから」とか「後でね」とか、ヴィル様に言われたことが無い。
全てに於いて、即対応な感じ。

そういう対応を見ていると、時間て、とても大切だと思う。
お金は稼げるけど、時間は自分の状況や心境に関わらず過ぎていく。
相手に、如何に自分の時間を割けるか。
それが相手を尊重していることになる。

ヴィル様は、自然とそういうことが出来るんだね。
喧嘩もなく、平和な日常が過ごせているのは、会話だけでなく対話もしてくれるヴィル様のおかげだ。